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訃報 バートバカラック 94歳で永眠

2023年02月14日 23時05分33秒 | 音楽

訃報 バートバカラック 94歳で永眠
 
今週のサンソンの中でバカラックの訃報を知った。高齢だったので、いつかこの日が来ると思ってはいたが、まさかサンソンで聞くとは思わなかった。洋楽好きの昭和世代であればバカラックはおなじみであろう。明日に向かって撃て、雨にぬれても、カーペンターズの遙かなる影(Close to You)など誰もが知っているヒット曲を多数作曲している。
 
昔、バカラックの大ファンだった(最近はほとんど聞かないので、「だった」と過去形にさせてもらった)。特に中学生のころか。あまりに好きすぎて、その思いをしたためたファンレターを書いたことがある。どこに送れば良いのかわからなかったので、LP ジャケットに記載されていた A&M の住所に送った。そしたら、なんと返事が来たのだ。残念ながら手紙は入っていなかったが、バカラックの写真(ブロマイド?)と LP のカタログが入っていた。中坊のおいらには、もう、宝である。あまりに嬉しくて写真を入れる額を買ってきて、いつでも拝めるようにした。恐らく A&M の HQ に届いたであろう私のつたない英語の手紙を読んでいただき、かつ、そのままゴミ箱行にせずに担当部署に回していただき、そして東洋の島国まで返信していただいたことに心から感謝している。
 
当時はレコードでジャズやクラシックをかじってはいたものの、主な音楽のソースはラジオ番組(特に深夜放送)であったと思う。洋楽中心に聞いていて、オーケストラも好きだったが、なぜかバカラックのサウンドに惹かれた。その頃の演奏モノといえばフランクプールセル、ポールモーリア、レイモンルフェーブルなどが全盛だったと思うが、その中でバカラックの音楽だけが他と違っていたのだ。今ではそれが「高度な転調」や「複雑なリズム」によるものと表現できるが、当時は「他の楽団と違ってワクワクするので、もっと聞きたい!」みたいな感じだったか。また、バカラックをイージーリスニングと表現するのにはものすごく抵抗があり、私の中では「EASY JAZZ」という新ジャンルとして定義していた。私の周りでバカラックに興味がある者は一人もいなかったので、この「EASY JAZZ」説を誰にも語れず、忸怩たる思いがあった。
  
バカラックの曲としては、最初は「サンホセ」とか「雨にぬれても」など単発の曲を気に入ったが、LPレコードを買い始めて、沼にはまってしまった。「Reach Out」「Make It Easy on Yourself」「Burt Bacharach」「Live in Japan」「Living Together」を、擦り切れるほど聞いた。日本で紹介されていない曲が多数あり、また、バカラック自身も歌うことを初めて知った。さすがに専業の歌手ほどではないけど、唸るような渋い歌声は中坊にも染みた。特に「A House Is Not a Home」が好きだった。ハルデビッドの詩も良かった。
 
A chair is still a chair / Even when there's no one sittin' there
But a chair is not a house / And a house is not a home
When there's no one there to hold you tight
And no one there you can kiss goodnight
~イスは座る人がいなくてもイスだけど、抱きしめてくれる人がいない家は家庭ではない~
 
英語が苦手な中坊にもぐっとくるものがあったのだ・・。
カラオケにこの曲がないのが極めて残念(^-^;。
  
当時我が家にはヨソの家にあるような家具調ステレオは無く、ラジオにつないで使うプレーヤーの出力を自作のアンプにつないでレコードを聞いていた。カートリッジはクリスタル。そのため、「What The World Needs Now」のトロンボーンソロで必ず歪む。コインを乗せて針圧を調整しても、どうしてもだめだった。懐かしい思い出。
 
そういえば、最近はあまりないが、日本の楽曲でバカラックの影響を感じることが少なからずある。例えば曲のエンディングでフリューゲルホーンのリフがフェードアウトするとか。他にも音楽的になんと表現して良いのかわからないが、バカラック風のアレンジが施してあるのを聞くと「オレはわかるのだよ」と心の中で呟いている。
  
何年か前に検索していてバカラックの WEB を見つけた。A House Is Not A Homepage とあり、思わず座布団 1 枚と言ってしまった。unofficial website とのことなので熱心なファンの方が作られているのかな。そこには、たくさんのお悔やみコメントが寄せられていた。
  
唯一無二な素晴らしい音楽をありがとうございます。安らかにお眠りください。 合掌
 
 



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