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暗闇のなかで見えるもの

2004年10月29日 22時54分40秒 | 想在
 先日、いつもお世話になっているかたの誕生日のお祝いに行って来た。 ..............................

 私が持参したケーキに、ろうそくを立て、主役に火を吹き消してもらった。

 その後も、しばらく、ろうそくの灯かりだけで過ごした。

 ほんのりとした灯かりのなかで、それぞれ、呑んだり食べたり、語らい合ったり、レコードの音に耳を澄ませたり。

 ゆったりとした、とてもたのしい夜だった。

 たくさん呑んだはずなのに、まったく、悪酔いもせず。

 どうしてだろう。

 ろうそくには、なにか、不思議な力があるのだろうか。







 そういえば、以前、東京・国分寺にあるカフェ、『スロウ』「暗闇カフェ」 と銘打たれた夜に、友人といっしょに行ったことがある。

 ろうそくの灯かりだけのなかで、お茶を飲んだり、食事したり、生演奏を聴いたり ... 。

 暗いから、ほとんどなにも見えないから、コーヒーのかおり、ケーキの味、友人の表情、空気の流れ、フルートの音色 ... いろんなものが、敏感に感じとれる。

 五感が鋭くなっている、ということだろうか。

 ビールを呑んでいても、いつもよりも、ずっとおいしく感じられて、ゆっくり、味わって呑むことができた。 いつものような、ばかみたいな無茶呑みをしないから、変な酔い方をしなかった。

 こんな、夜も、あるのだなあ ... と、とても感動した。

 そして、灯かりがあることのすばらしさ、灯かりがないからこそわかること。

 いろんなことを考えた。





 遠くはなれた、まっ暗闇のなかにいる人たちに、こころの灯を。

 こころの闇を照らすのは、こころの灯しかない。 ... なんてね。





 

 ところで、昨日、「読書」 についての記事 (「読書週間 / 手づくりブックカバー」) を書いたのだけれど、読書するときにちょうど良い、あかるさ、というものがあるのかな、と考えた。

 蛍光灯の煌々とした明るさよりも、間接照明などを用いて、ちょっとうすぐらいくらいのほうが、目が疲れない、のかもしれない。

 NIKKEI ShopBiz の 『まち・みせ観察記20【照明について考える】』 によると、


読書の醍醐味は、紙に印刷された文字から、作者の意図をイマジネーションで読み取っていくところにある。イマジネーションを高める、すなわち、集中出来る環境は、本来は静謐で、ほのかに明るいことが望ましい。


 とある。

 なるほど。 わかるような気がする。

 『暗闇カフェ』 が意図するところも、そんなところにあるのかもしれない。

 別のサイトをいろいろ調べてみると、どうやら、自然光に近い照明を使うこと。 そして、やはり、間接照明を多くするといいそうで。

 それから、ついでに、眼の健康を考えると、乾燥を防ぐために、室内に適度の湿度を保ち、ときどき休憩を入れながら読むといいとのこと。

 なるほどなるほど。

 秋の夜長、いくら面白い本でも、あまり熱中しすぎても、いけないようですね。










 * 灯かりのあるしあわせに感謝して。 (2004.10.29)










 参照リンク:
 ・光・明・暗・闇 - 「■谷崎潤一郎の「暗さ」の感覚」
  (谷崎潤一郎さんの 『陰影礼賛』 における 「光と影」 の感覚について書かれています)

 ・ノムコム - 「あかりで変わる住み心地」

 ・AssistOn - 「Everest UltraLife Reading Light」
  (Everest 社製 携帯用 リーディング・ライト)
  (サイズ比較の写真がいいですねえ ... )



 当 blog 関連記事:
 「8.15 灯かりのあるしあわせ」










 BGM:
 Grateful Dead ‘Turn on Your Love Light’

 (愛の灯を、ともして ... )


コメント (18)
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