阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

救急外来

2021-04-12 14:10:11 | 父の闘病
8日に父が急に入院となり、今はちょっとバタバタしていていつも読ませていただいているブログも全部は追えてないかもしれません。ごめんなさい。以下はその日のことを忘れないうちに。

数日前から父は食欲が落ちて、お粥を少し食べるだけになってしまった。おかずも食えといったら、ほんの舌の先に乗るぐらい食べる。胃がもたれる感じがすると言うから、胃腸が弱っているのだと思っていた。そして、8日の夕刻、近所のかかりつけ医で胃を診てもらうと自分から言い出した。父がそういう事を言うのは珍しくよほど悪いのだと思った。

近所の内科医はまずお腹をエコーで見て、食べたものは消化できていて胃腸は問題なさそう、しかし次にレントゲンで胸部をみて、右の肺に水がたまっていると言う。そして、救急車を呼ぶ程ではないが、今日中に診てもらった方が良いだろうと一昨年父が入院していた県病院に連絡してもらって救急外来に行くことになった。父は自分で運転して行くと言ったが入院になるかもしれないからと何とか説得した。しかしこの時点ではどれぐらい深刻なのかわかっておらず、必ずしも入院になるとは思ってなかった。

タクシー呼んで県病院といったらいつも父が運転する女学院前から的場というルートではなく、福田から高速道路を勧められた。右手に黄金山、正面に似島、左手にマツダ本社や海も見えて宇品まで確かに早く着いた。障害者割引とタクシー券1枚使って現金での支払いは六千円(高速料金込み)だった。思っていたより安かった。時間外入り口からはいって車いす借りて救急外来に着いて時計を見たら18時だった。ここまで慌てて来たこともあってその前かかりつけ医の受診やタクシーを呼んだ時間は確認していない。

救急外来の3つあるうちの2診に入ると女性医師がいらっしゃって、名札をみて後で調べたら糖尿病が専門のお医者さんだった。紹介状わたして状況を説明して、レントゲンとCTをとりにいってまた救急外来に戻って採血と点滴、というところで呼吸器内科の当直の先生がいらっしゃった。水は相当たまっていて、入院して明日水を抜く処置をする、出てきた水を検査に出して原因を調べる。考えられるのは癌とか感染症とかだけど原因がわからない場合もある。入院の目安は2週間と言われた。あっという間に入院と明日の処置が決まったということは、こういう場合のお決まりのコースなのだろう。処置の同意書等を書いて渡したところで、明日からは他の先生に担当が変わること、入院の準備ができるまで救急外来の待合室で待つように言われた。夕食の時間を過ぎると病棟の看護師さんが一気に減るのは2年前に経験済みなので、気長に待つことにした。ここでひとつ失敗したのは今の呼吸器内科の先生の名札を見ていなかったこと。意識しないでおくと女性の名前しか覚えようとしないのは私の悪い癖だ。

病棟に呼ばれたのは19時半過ぎだった。今回は2年前の耳鼻科とは違い呼吸器内科での入院なのだけど、病棟は同じだった。一般用エレベーターに乗ると蓋がしてあってボタンが押せない階があり、そこがコロナ病棟なのだろうか。エレベーターを降りると2年前は使ってなかった西病棟のナースステーションにも明りがついていた。これもコロナ病棟を作った影響で移って来たのかもしれない。広島の感染者数は少し落ち着いているけれど、病院はまだまだ大変そうに見えた。面会は家族のみ1日1回15分以内と書いてあって、これは守らないといけない。

父は看護師さんが車いすを押してすぐに病室へ、私と母は面会申請書を書いた後もう一人の看護師さんと少しお話、さっき待合室で書いた問診票のようなものを見ながらあれこれ聞かれた。母は2年前の看護師さんは残っているか聞いていたが、最近は短いスパンで異動があるとのことだった。カウンターに掲示してある責任者の名前を確認すると、確かに婦長さん(今は男性もいるから婦長さんとは言わないが覚えにくい役職名だった)と薬剤師は2年前とは違う方だったけど、患者支援のMさんの名前は残っていた。これは嬉しかった。2年前は介護認定や障がい者手帳の申請や吸引器のレンタルなどでMさんに大変お世話になり、退院後もMさんに聞いた話があちこち役に立った。お会い出来たら、お礼を言いたいと思う。

病室に案内されたら、まだ看護師さんの説明が続いていた。このIさんという男性看護師は2年前もいらっしゃったが、真面目な性格の方で一から丁寧に説明されていたようだ。急な入院で何も用意していない。とりあえず甚平をレンタルして、売店でティッシュと飲み物とパン、面会室でテレビカードとイヤホンを買って病室にもどった。前回は転院をはさんで半年以上ここにいたから何がどこにあるかはわかっている。売店は前回の入院の終わりごろローソンからポプラに移行してポプラが仮店舗で営業している時期があった。それが最近多くのポプラはローソン・ポプラに移行というニュースが伝えられて、この病院のポプラもまさに移行中で今度はローソンが仮店舗で営業していた。前回も仮店舗の時期にいたものだから、仮店舗と聞いても場所はすぐにわかった。

買い物を終えて病室に戻ったらチャイムが鳴って20時で面会時間は終了と言っている。まだレンタルの甚平が届かなくて父は来た時のままの服装なのだけど、前にも書いたようにこの時間の看護師さんにあれこれ注文を付けるのは避けたい。私と母はそろそろ引き上げることにした。

帰りはバスを不動院で乗り換え、しかし自宅から徒歩3分のバス停に着く路線は夜間は本数が少なくて30分以上の待ち時間があり、徒歩8分のJR駅前に着くバスに乗ることにした。田舎の真っ暗な道で母の足だと15分ぐらいかかった。夕食は簡単にスパゲッティを茹でた。この時点ではまだ、翌日からの展望ができていなかった。肺の水をじゃーと抜いて終わりぐらいに思っていた。明日は私一人で荷物を届けに行く。もしMさんに会ってもドキドキしないように何を話すか頭の中で作文しながら眠りについた。今考えると、我ながら全くもって愚かな事であった。







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4 コメント

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Unknown (kaminaribiko2)
2021-04-15 15:18:41
私も心臓弁膜症で手術をしていただく前は一粒のご飯も食べられなくなっていました。が、原因がわからず、あちこちタライ回しされて、呼吸器科では肺に水が溜まっているといわれました。お父様が食べられなくなっていられたのも、その肺の水のせいかもしれませんね。私は手術を受けるまで一口食べると激しい咳が出ていましたが、お父様はそんなことはありませんでしたか?早く原因がわかって、速やかに回復されますことをお祈りさせていただきます。
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Unknown (cachillat)
2021-04-15 16:09:35
@kaminaribiko2 kaminaribiko2さま、コメントありがとうございます。
それは大変でしたね。確かに、父は家ではよく咳をしていました。たんが引っかかっているのだと思っていました。不思議なことに病院では咳が出ないようです。胸水の原因は心臓や肝臓、また感染症の場合もあるようですが、父の場合は癌の再発の可能性を一番に言われました。まだ確定ではありませんけれど。いずれにしても簡単ではなさそうですから、こちらも体力温存しながら準備しておきたいと思います。
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Unknown (syatikun7noraneko)
2021-04-19 16:42:38
糖尿病が進行した母もその症状が出ておりました。
水分を摂取すると肺に水が溜まるので食事に含まれる水分以外の摂取は命取りになると言われましたが食欲がないので清涼飲料水を飲んでしまいます。
体重が20kg位減り、体力も落ち医師の診断は糖尿病末期。朝、冷たくなっていてもおかしくないと言われてその通りになりました。
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Unknown (cachillat)
2021-04-19 22:38:10
@syatikun7noraneko  syatikun7noranekoさま、コメントありがとうございます。
お母上大変なことでしたね。父も糖尿病持ちなので他人事ではありませんが、うちの父の場合は水もあまり飲みません。主治医は癌が原因とにらんでいるように私には感じられます。とにかく早く原因がわかってほしいものです。原因がわからない場合もあるとも言われていて、その場合はどうするのか不安でもあります。
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