父母どちらの家のじーさんばーさん共、昆布を直接火であぶるのは絶対ダメで昆布をストーブに近づけるだけで激怒だった。貧乏になると言っていた。今考えてみると、おせち料理でも昆布は健康や繁栄の象徴であるから、それを燃やしてしまうのはタブーなのだろう。もちろん両親もそれに従って、我が家では昆布を焼くという料理は見たことが無い。
いや、よそでも見たことがなかったのだけど数年前、かき小屋に連れて行ってもらったら、牡蠣の昆布焼というメニューがあって、昆布を焼く料理をメニューとはいえ見たのは初めてだった。我々はそれを頼まなかったけど、じーさんばーさんが見たら激怒だろうなと思った。その時一緒に行った若い人に聞いたら、そんな話は聞いたことが無いとのことだった。
そしてつい今し方、両親が見ている料理番組にタラの白子の昆布焼が登場、湯通しした白子を昆布に乗せて、それをコンロの網に乗せた瞬間、両親が大ブーイング。まあ、我が家では当然の反応だろう。迷信といえば迷信なんだろうけど、祖父母も両親も激怒だったのだから、この先も昆布を焼いてみたいとは思わない。
【追記】書籍検索で「昆布を焼いて食べると天神様が泣く 」というのが出てきた。「迷信の知恵」という市立図書館にある本なので、読んでからまた書いてみたい。
【追記2】書籍検索では他にも昆布を焼くと、庚申さんが泣く、出世しない、貧乏する、などがあった。昆布と天神さんといえば天満の天神さん、昆布と庚申なら天王寺庚申堂と大阪あたりが出所かもしれない。図書館に無い本も多いが、一つずつ当たってみたい。
【追記3】 「迷信の知恵」には、「昆布を焼いて食べると天神様が泣く 」が半ページ書かれていたが、由来等の記述はなかった。しかし、北前船によって大阪に昆布の文化が生まれたという記述はヒントになるかもしれない。一度、天満天満宮と四天王寺の庚申堂を訪れてみたいものだ。