風邪やインフルエンザ、新型コロナ感染後、発熱や鼻水、のどの痛みなどの症状は無くなったのに、咳だけが残っている。
特に寝ようとすると咳が出始める。咳が出だすと咳が咳を呼んで全く眠れなくなってしまう。
そんな経験ありませんか?
それ、感染後咳症候群(かぜ症候群後咳嗽) などと呼ばれる状態です。放置しておいてもほとんどは治癒しますが、数週間から数か月も咳が出続けることも多い困った病態です。
一般的な咳止めの薬は効かないことが多く、「市販の咳止めを使ったけれど効果が無かった。」とか、「処方された咳止めが効かなかった。」と訴えられる方が多いです。
感染後咳症候群(かぜ症候群後咳嗽)、風邪などの気道感染のあと、上気道や下気道に炎症が残っていて、過敏な状態が続いています。それで、温度変化や煙や乾燥などの小さな刺激で簡単に咳が出始め、咳が咳を呼び込んでしまう。
ですから、過敏になっている気道表面に直接炎症を抑え込むステロイドなどの薬を送り込む吸入療法など、気管支喘息の治療が有効なことが多いです。治りにくい咳のうちの多くの方は喘息系などの治療で何とかなります。ただ、1~2割程度、色々な薬を使ってもなかなか咳が改善しない難治性の方がおられます。
2022年4月、難治性慢性咳嗽に対する治療薬 リフヌアが発売されました。
こちらは感染後咳嗽のための薬というわけではありませんが、原因の如何を問わず、難治性の慢性咳嗽に対して咳をおさえるというものです。
上で述べたようにこれまで対応困難だった難治性咳に対応可能な新薬 リフヌア。
ただ、この薬、大きな問題があります。味覚異常の副作用が高確率で出現するのです。薬を中止すればほぼ味覚は回復するようですが、ちょっと使うのためらいますよね。私、まだ使ったことがありません。今度、発売元である杏林製薬に院内説明会を開いてもらう予定です。使うのはそれからですね。
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