命のカウントダウン2(健康余命839日)

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マイコプラズマ感染症が増えています。

2024-10-10 19:29:32 | 外来診療
これまでにも何度か伝えてきましたが、マイコプラズマ感染症が未だ増えています。
マイコプラズマ感染症、しつこい咳が特徴です。普通は発熱が先行することが多いですが、年少者の場合、発熱の自覚なく、咳だけを主訴に来院されることも多いです。
マイコプラズマ感染症患者の8割が14歳以下で、残りの2割も20代以下の方が多いです。10代前半の方は症状軽い方が多く、年齢が上がるにしたがって肺炎など重症の方が増えるようです。

マイコプラズマ感染症は咳などの飛沫感染や接触感染でヒト~ヒト感染するのですが、潜伏期間が2,3週間と長いので、感染経路が分かりにくいのも特徴です。マスクで飛沫感染の多くを防ぐことが出来ます。マスク着用率の高かったコロナ騒ぎの間、マイコプラズマ、インフルエンザなどの呼吸器感染症は抑制された状態が続いていました。それで、抗体保有率が下がった事が、この度のマイコプラズマ流行に繋がっているのだと思われます。今シーズン、インフルエンザの抗体保有率も下がっています。インフルエンザワクチン、可能なら接種お願いします。2歳から18歳までの方にはフルミストという注射ではない鼻腔内噴霧型のワクチンも今年から使えるようになりました。注射の苦手なお子様などには考慮されてもいいかと思います。

なお、マイコプラズマ感染症にワクチンは存在していません。熱が出た後、しつこい空咳が続く場合など、(特に周囲にそんな方が過去におられた場合)小児科、内科、呼吸器内科受診をお勧めします。

マイコプラズマ感染症の診断には、抗原検査、PCR検査などもあるのですが、抗原検査は陽性率が低く(5,6割程度)PCR検査は時間がかかります。その上、現在抗原検査は不足して手に入りにくくなっています。

我が坂根医院では、症状の聞き取り、必要であれば胸部レントゲン検査、抹消血液検査などで総合的に判断しています。レントゲンで肺炎を認めるのに血液検査では大きな異常を認めず、咳以外には大きな問題の無い若い患者さんがこの週末複数来院されました。

今後もしばらくの間、マイコプラズマ感染症、肺炎は増えそうに思われます。人混みでのマスク着用など自己防衛に努め、怪しいと思ったら医療機関を受診してください。マイコプラズマ感染症は分かりにくいので、一度目の受診では分からないかもしれません。薬が効かなくて再受診する場合は、効かなかった薬を持参するなどされることをお勧めします。前回の薬が分からなかったら、同じ薬を処方される可能性もありますから。

まとめ
1,マイコプラズマ感染が数十年ぶりに増えている
2,マイコプラズマ感染症は、しつこい咳が特徴
3,感染者は、20代以下が多い
4,潜伏期間が2,3週間と長く感染源が分かりにくい
5,効かない抗生物質が多く存在する
6,感染予防にマスクは有効
7,抗原検査は陽性率が低く、診断が難しいことも多い
8、薬の効きが悪く、他医受診する場合は、前医の薬を持参する事


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