命のカウントダウン2(健康余命836日)

以前のブログ「命のカウントダウン」にユーザーとしてアクセス不能。今しばし、こちらに引越します。以前のブログも見てね!

胸部レントゲン写真のAI診断装置

2023-12-18 19:59:14 | 外来診療

写真で上に載っている直方体の箱、大きさは18㎝×6㎝×4㎝程度の小さなもの
これがトヨタカローラGあたりの値段するのであります。
下は無停電電源です。おまけであります。(全然まけてくれなくて、おまけに着けてはくれなかったけど!)

小さな黒い直方体の正体はフジフィルムのCXR-AID
「AI技術を活用し、健診・診療時の胸部単純X線画像診断を支援」と言うものです。これ、なかなか使えます。
胸部レントゲンって、なかなか難しいのですよ。
病院務めであれば、難しいなぁと思った時には先輩や同僚などに意見を求めることが出来ます。でも、開業医はほとんどの場合一人で仕事をこなしています。迷ったときにすぐに相談できる相手がいないのです。
このAI診断装置は、一人開業医の相談できる頼もしい相手になってくれます。時間外でも深夜でも、文句ひとつ言わないのです。




3人の方の胸部レントゲン写真を連続であげました。
何か違いが分かりますか?一番上は男性、真ん中が女性、そして下が男性です。女性は乳房の下側のラインで判別できることが多いです。

この中におひとり、肺癌疑いで大病院に紹介した方がおられます。その方はどなたでしょうか?
それは一番上の写真の方でした。この方の場合、私も一目で「あらあら」と、思ったのでした。でも、AIソフトで94% の確度で怪しいと言われると「ふむフム俺の思いと一緒や!」とニンマリし、さっそうと紹介状を書いたのでした。
下二人の写真は、AIでスキャン後の物です。写真の下に小さくLOW SCOREと出ています。そして写真の左上に虹色のようなバーが出ていますよね。これがスキャン済みであり異常が認められなかった(LOW SCORE)というマークなのです。

異常を見つけ出すソフト、感度を高くすると擬陽性が増えてしまいます。=小さな異常も見落とさない様に設定すると、異常かもしれないので、再検査または精密検査を受けてくださいという 念のためにもっと検査してくださいという答え=異常ではないのに異常かもしれないとひっかけてしまう例(擬陽性)が多くなってしまいます。
感度を高く設定して擬陽性が多くなると、「オオカミが出るぞ~」と叫び続けて実際にオオカミが出たときに、いくら叫んでも信じてもらえなかった逸話のようなことになってしまいます。かといって見落とすのは絶対に避けたいですよね。そのあたりの調整が難しいのですが、まあ、何とか実用レベルに落とし込んでいると感じています。要は使う人次第です。   

身近にAIがやって来ました。AIは使えます!!10年後いや、5年後には、今の携帯電話の様に生活を変えてくれるなくてはならないものになっていると思います。私はどんどん取り入れていくつもりです。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。