新型コロナウイルス感染者全国で2058人と過去最多。
重傷者も増加傾向にあるようなので、要注意ですね。
さて、
感染症「予防」対策の参考にもなる「養生訓」75ー洗浴その3ー
のつづきです。
女人、経水(けいすい)来(きた)る時、頭を洗ふべからず。
・女性が、月経が来た時には頭を洗ってはいけない。
温泉は、諸州に多し。入浴して宜しき症あり。あしき症あり。よくもなく、あしくもなき症有。
凡(およそ)此三症有。よくゑ(え)らんで浴すべし。
湯治(とうじ)してよき病症は、外症なり。打身(うちみ)の症、落馬したる病、高き所より落て痛める症、疥癬(かいせん)など皮膚の病、金瘡(きんそう)、はれ物の久しく癒(いえ)がたき症、およそ外病には神効(しんこう)あり。
又、中風(ちゅうぶ)、筋引つり、しゞまり、手足しびれ、なゑたる症によし。内症には相応せず。
されども気鬱、不食、積滞(しゃくたい)、気血不順など、凡(およそ)虚寒(きょかん)の病症は、湯に入あたためて、気めぐりて宜しき事あり。
外症の速(すみやか)に効(しるし)あるにはしかず、かろく浴すべし。
又、入浴して益もなく害もなき症多し。是は入浴すべからず。又、入浴して大に害ある病症あり。ことに汗症(かんしょう)、虚労(きょろう)、熱症に尤(も)いむ。妄(みだり)に入浴すべからず。
湯治(とうじ)して相応せず、他病おこり、死せし人多し。慎しむべし。此理をしらざる人、湯治(とうじ)は一切の病によしとおもふは、大なるあやまり也。
本草(ほんぞう)の陳蔵器(ちんぞうき)の説、考みるべし。湯治(とうじ)の事をよくとけり。
凡(そ)入浴せば実症の病者も、一日に三度より多きをいむ。虚人(きょじん)は一両度なるべし。日の長短にもよるべし。しげく浴する事、甚(はなはだ)いむ。
つよき人も湯中に入(り)て、身をあたため過すべからず。はたにこしかけて、湯を杓(ひしゃく)にてそそぐべし。久しからずして、早くやむべし。
あたため過(すご)し、汗を出すべからず。大にいむ。毎日かろく浴し、早くやむべし。
日数は七日二十七日なるべし。是を俗に一廻(めぐり)二廻と云。
温泉をのむべからず。毒あり。
金瘡の治のため、湯浴(ゆあみ)してきず癒(いえ)んとす。
然るに温泉の相応せるを悦(よろこ)んで飲まば、いよいよ早くいえんとおもひて、のんだりしが、疵、大にやぶれて死せり。
・温泉は全国各地に多くある。病気によって入浴して良い温泉と悪い温泉がある。良くもなく、悪くもない温泉もある。
・およそこの三種類の病気があることを知っておいて、温泉を選んで入浴するとよい。
・湯治に良く効果があるのは外傷である。打ち身、落馬、高所から落ちた後、疥癬(かいせん)など皮膚病、刀傷(とうしょう)、腫物(はれもの)が長く治癒(ちゆ)しないものなど、およそ外傷には効果がある。
・また中風(ちゅうぶう:片麻痺や言語障害などの後遺症)、筋の引きつり、けいれん、手足のしびれ、麻痺(まひ)などにも良い。
・内臓の病気には温泉は良くない。
・しかし、鬱病(うつびょう)、食欲不振、気が循環しない気(き)血(けつ)不順(ふじゅん)などの身体が冷えることで生じる病気には効果がある。この病気は温い湯で身体を温めると、気が循環して効果があることがある。
・外傷に効果のある速効性が無いのだから、かるく温泉に入るのが良い。
・また温泉に入って病気が益も害もならない人が多い。そのような人は入らないほうが良い。
・また、入浴したために大きな害をまねく病気がある。とくに発汗症、心身の衰弱(すいじゃく)、熱病などだ。むやみに入浴してはいけない。
・湯治が合わなくて、他の病気を起こして死んだ人が多い。用心しなければならない。この道理を知らない人が、湯治は一切の病に良いと思うのは、大きな間違い。
・『本草(ほんぞう)』の陳蔵器(ちんぞうき)(唐王朝時代の医者)の学説を考みると良い。湯治についてよく説明している。
・入浴はどんな病人でも一日に三回まで。衰弱した人は一回か二回までです。日の長短にもよりますが、何度も入浴をすることはいけません。身体が強い人でさえ、湯の中で身体を温め過ぎてはいけない。
・浴槽(よくそう)のへりに腰をかけて、湯を杓(ひしゃく)でかける程度で良い。長湯しないで早く上がるのが良い。温め過ぎて汗を出してはいけない。禁止するべき。毎日かるく入浴して、早めに上がると良い。
・湯治で逗留(とうりゅう)する日数は七日間か二週間が良い。これを俗に一廻(ひとまわり)、二廻という。温泉を飲んではいけない。毒があるから。
・刀傷の治療の為に温泉で傷を治そうとした人が、早く良くなろうとして温泉を飲んだ結果、かえって傷がひどくなり死んだ例もある。
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