飛び込み営業中も名刺集めをサボり
「自己啓発」「心理学」「スピリチュアル」
の本を読み漁る毎日。
自分の過食嘔吐の原因はなんだ?
やめたい!やめたい!
この一心で。
でもやめられないダメな自分。
なんとかしなきゃ
何かやらなきゃ
この焦りがまた過食を悪化させていった。。。。
そんな辛い毎日の
飛び込み営業のある日
サボり過ぎても名刺が集まらず上司から激怒されるので
イヤイヤ雑居ビルを次から次へと飛び込み歩いていた。
なんかHな画像がPCの大画面に映し出されている・・・・
そんなことが気になりながら、40代くらいの男性だっただろうか?
やけに疲れた顔して色々なことを私に話してくれた。
Hな雑誌の写真の編集加工の仕事をしていること
仕事の苦労話
あとはよく覚えていないけれど、飛び込み営業でこんなに喋ってもらえることなんて滅多にないことなので、名刺は集められないけれどただただその男性のお話を聞いた。
話の内容は覚えていないが、ひどく疲れたその印象は今でもよく覚えている。きっと同じくひどく疲れた表情をしていた私と引き合ったのだろう。一通り男性が喋り終えた。
「いいよ、やってやるよ。いくらから出来るの?」
「えっ!?」と私。
「だから、プラチナの先物。買ってあげるよ。いくらから?」
「あ、ありがとうございます!!1口30万円からです!」
これが私の初めての契約だった。
ただただ話を聞いていただけだった。
これでわかった。
自分から一方的にしゃべっているからダメなんだ。
相手にしゃべってもらわないとダメなんだ。
ちょっとだけ営業の極意のようなものを知った気がした。
嬉しかった。
イヤイヤやっていた飛び込み営業だったけれど
その後も数件契約をしてもらうことができた。
契約さえしてしまえば、あとはお客さんは上司の元へ。
新人の私は運用がどうなっているのか?なんてわからなかった。
ある日、上司が電話口でひたすら謝っている。
どうやらものすごい勢いでお客さんがクレームを言っている。。。
私が初めて契約をもらったあの男性からだった。
私を出せ!と言っているようだ。
プラチナの価格が下落し、追い証拠金が必要になった。
元々余裕がそんなにある人ではないのはわかっていた。
ひどい罪悪感だった。
飛び込んで
騙し騙し名刺交換
名刺をくれた優しい人たちに
電話をかけまくる
手元にある名刺は限られているので
同じところに何度も何度も
嫌われるに決まっている
稀にいただいた契約
よほど余裕のある人でなければ
人生を狂わせてしまうかもしれない
私のやっていることってなんなんだ?
先が見えない。
上司はギンギンギラギラ
いい車に乗り
いい時計をし
毎晩ご馳走を食べている
こうなりたい?
いや、なりたくないし、絶対になれないだろうと思った。
1年も経たないまま
仕事を辞めることを決めた。
父が心配していた通りになった。
つづく。
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