かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

外国人とのコミュニケーション

2025年02月08日 | ドイツ生活
オーストリア人のEと付き合い始めておよそ1年半。
実際に会ったのは約1年前である。

彼は日夜、外国語会話練習アプリDoulingoで日本語を学習しており、「前回来た時より、わかる日本語が増えたよ」と喜んでいる。

ドイツ語圏では、ハグ&キスの度合いはラテン系に比べて強くないようであるが、もちろんのこと、スキンシップは日本人よりも多い。

「僕たちは久しぶりに会って嬉しければ、言葉がなくてもハグし合うだけでわかり合えるけど、日本人は言葉だけでコミュニケーションするから、ボクはまだ理解できない」

いやいや、日本人だってボディーランゲージはしてますよー。

言葉がわからないからといって諦めず、空気も読んでほしい。

私はドイツ語はまだほとんどわからない。
けれども、その場の空気を読んだり、相手の気持ちを汲み取ったりして、笑顔で「Ja, Ja」とか「Genau」と言いながら相づちをうっていた。
そうしたら、私のドイツ語はすでに素晴らしいレベルだと、義家族たちがみな喜んでいて、今のところ「とても感じがいい彼女」ということらしいw。


ただ、日本人の「笑い」には、時と場合によって色々な意味が含まれているから要注意。
今後、Eが理解し難い状況に陥ることもあるかもしれない。


先日、退院後に初めて外来診察を受けた際、同行したEを主治医のA先生に紹介した。

あらかじめEのことは、ドイツ語が母国語なので、お互い英語でコミュニケーションをとっているにだということをA先生に知らせておいた。

Eが診察室に入った時、おはようございますと日本語で挨拶をしてくれたし、簡単な処置だけであったし、他愛のないお喋り内容も私が通訳したから、診察室では和やかに時が過ぎ、紹介できて良かったと思っていた。

ところがあとでEに「ボク変なこと言っちゃった?」と聞かれた。

一瞬何のことかよくわからなかった。

「だって、先生はボクのことを笑っていた」


ああーーー、なるほどね·····

いや、ちがうんだよ。
A先生が笑ったのは、そういうことじゃないんだよ。


A先生はきっと英会話が得意じゃなくて、心配だったのだと思う。
でもEが日本語で挨拶したのでホッとしたし、嬉しくもあって、思わず笑顔になったのだと思う。

でもEは自分の日本語が可笑しいので、先生に笑われたのだと勘違いしたのだった。


文化の違う者どうしが理解しあうには、理解し合おうというお互いの意識と努力、経験の積み重ねが必要なのだ。

そして誤解は、ほんのちょっとしたことで生じる。




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