山形建築研究所-BLOG-休憩室

ここは建築設計事務所-山形建築研究所の休憩室です。
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山形建築研究所-BLOG-休憩室にお越しいただきありがとうございます。 私たちは、首都圏北部の中核と言われる宇都宮市に事務所を置き、栃木県全域をはじめ、関東近県を設計業務範囲の核として、住宅設計を主として行っている建築設計事務所です。 このブログは山形建築研究所の休憩室です。 イベント情報や現在進行中の建築現場のレポートをはじめ、住まい、建築にまつわる諸々の話、事務所や我が家での出来事等、日々感じた事などを趣味の写真を交えながら気の向くまま、勝手気ままに綴っていきます。 よろしくお付き合い下さい。

木毛セメント板

2024年03月30日 | いまいすみのすまい
工事が進む<いまいすみのすまい>の現場からのリポート。玄関ポーチの天井仕上です。
うちの事務所の設計では普段、杉板やパイン材の羽目板を使うことが多いところなんですが、車寄せを兼ねる玄関ポーチの天井仕上に高圧木毛セメント板を採用。
<車寄せを兼ねる・・・>というところがミソで、法的に準不燃材の要求が求められている部位。軒天などに使われるケイ酸カルシウム板を使うのが通例です。
でも、ケイカル版は、セメント系の無機質なボードでセメントを固めただけの無機質な表情。(^^;)


なので、チョット<毛深い>←表現が難しいところなんですが・・・(^^;) 木毛セメント版を使ってみよう!と云うことになった訳です。
釘のピッチが細かく打たれているのは、材料が<重い>のが理由。この後塗装するのか、素地のままでいくのかは思案中。

木毛セメント板は「木・水・セメントのみ」で作られています。
屋根野地板、外壁防火下地材、床、畳下地材や、RC造のスラブ打ち込み時にコンパネなしで打ち込みができるなど広い範囲で使用されています。
強度、遮音性、防火性、耐久性、防蟻性を備えていて、100年以上の歴史のある材料でもあります。
でも、材料自体がほかのボード系の材料と比べて<重い>・・・大工職の苦労を掛けてしまいました。(^^;)

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春北風

2024年03月23日 | いまいすみのすまい

散歩道から・・・春になったはずなのにおとろえない春北風にゆられてチョット寒そうなアカバスモモの花。淡紅色がキレイ! GRⅢx 適宜トリミング

工事が着々と進む<いまいすみのすまい>では、板金職による外壁のガルバリウム鋼板小波板の工事が始まっています。

今回、住まい手ともご相談して採用した屋根と外壁のガルバリウム鋼板の色は、サンプル(日新製鋼:月星GL)では「銀黒」という名前になっていますが
濃い目のグレーにメタリック粉が入ったいわばガングレーメタリック、ガンメタ!
これなら塗膜に含まれるメタリック粉がある程度は日射取得を抑えてくれて黒色よりも熱くならず
さらに加えてご近所さんから「眩しい」と言われる事もないだろう・・・そんな風に考えての色なのです。

コーナー出隅部分の納まりは、いつも通り<小波の山部分で折り曲げて角を出す!> って口で言うのは容易なのですが、曲げるほうにとってみては中々大変なこと。(^^;

軒天との取り合い部分もいつも通りに水切りを設けず、小波板の切りっ放しというシャープな納まりに。

そして今回は外壁下端外周基礎取合い部分にも水切りを付けないというディティールに! 基礎コンクリートに落ちた波型の影が可愛い。(^^

これも<水切りを省いて小波板の下端をキチンと揃えて張る>と口で言うのは簡単なのですが、小波板を仮置きしておく水切りが無く
さらに長さ5メートルを超える波打つ重い小波板を張るのは大変なことなんです。(^^;)

で、板金職考案の治具! 

通気胴縁に引っ掛けた治具に小波板を仮置きして下端が揃えられたところで取付けていくというもの。
さすが板金職、治具も板金製で、板金職方曰く「寝ずに、じゃなくて寝ながら考えた」と云う<発明品>です。

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先張りシート

2024年03月11日 | いまいすみのすまい
前回の記事でグラスウール断熱材が現場に搬入というところまでお伝えしていた<いまいすみのすまい>の現場からのリポートです。

梱包をほどかれたグラスウールの充填作業が屋根面から順番に進められています。 GRⅢ 適宜トリミング

ツーバイテン(38×235)の垂木の間には通気層を確保して、厚さ105+105mmのグラスウールが充填され、この後さらに105mmのグラスウールが加わる仕様になっています。
グラスウールが三層になる仕様は今回で二例目で取り付け方法について?…試行中につき、今はまだナイショです。(^.^)

棟木から下がっているシートは<上棟>の記事でチラッとお伝えしていた棟木に被せられていた<先張りシート>

棟木の上に垂木をのせる前に被せる<先張りシート>で気密層を連続させることができます。(^^

着々と工事が進む<いまいすみのすまい>です。(^^)v

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3月の雪

2024年03月06日 | いまいすみのすまい
昨夜はミゾレまじりの雨模様、3月とはいえまだ冬のなごりの宇都宮界隈です。


先週の事ですが<いまいすみのすまい>では現場に断熱材が搬入され今週からはグラスウールの充填作業が進んでいます。

そもそも断熱材ってどうして入れるの?・・・夏は暑く冬は寒い外部の温度を内部に伝えない為
熱を伝えないためには、断熱性能が高い断熱材を選ぶことになります。それじゃ、「断熱性能が高い」とはどういうこと?
あまり見かけない数値ですが、<熱伝導率のλ(ラムダ)>という数値があり、これは材料の熱の伝わりやすさを表す値
それから、熱伝導率とは別に<熱抵抗値R>という数値があり、これは材料の熱の伝わりにくさを表す値
伝わりやすさより、伝わりにくさの方が断熱性能に影響が大きくなります。
熱伝導率λは材料毎に一定の数値ですが、熱抵抗値Rは材料の厚みを熱伝導率λで割った数値になります。
つまり、同じ断熱材だと熱伝導率は定数なので同じですが「10mm」と「100mm」を比べると熱抵抗値は100mmの方が10倍高いと云うことになります。

ならば、熱伝導率の高い断熱材を厚く入れればいい?と云うことになるようですが
断熱材そのものコストや施工にかかる手間、防湿層の施工など、断熱材に付随してコストに関係する様々な要素は様々で
簡単に回答が出ないところ、単純じゃないところが難しいところ・・・(^^;)


現場に搬入されたグラスウール断熱材<パラマウント/太陽SUNR>密度20Kで、一般に普及しているHGW16Kよりチョットだけ性能がいい!

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棟換気

2024年02月14日 | いまいすみのすまい

午前中は<いまいすみのすまい>の現場で打合せ。写真はGRⅢ 適宜トリミング 

前回の記事<竪ハゼ葺き>でお伝えした板金工事のレポートを・・・
屋根の野地板と断熱層の間には、外壁のように通気層を設けて換気を確保する必要があります。屋根断熱とした場合には断熱層の外側に30㎜程度の通気層を設けます。
その通気層と棟換気を組み合わせて換気を行います。暖かい空気は上昇して空気の流れができますから、一番高い棟から熱が抜けていくという仕掛け。(^^

うちの事務所での棟換気のスタンダードな納まりとして、ずっと<リッジベンツ>というハニカム状のパーツを使ってきました。
でも、今回はタニタハウジングウェアの<ガルバリウム棟まどS型>を採用してみることに・・・
理由は現場の板金職から「最近の現場は、もうずっとこれっすよ!」と・・・という勧めで
現物を見せてもらうと、スリムでシンプルな形状、そして換気性能、雨仕舞もバッチリ!ということ。
なるほど、以前の<リッジベンツ>の納まりと比べてみると、棟高さが低く抑えられて棟のラインがキレイに納めることができました。
ただ棟換気は見上げた時に見えませんが・・・。(^^;) ケラバ手前で棟換気を止めて切妻屋根のエッジラインがスッキリと見えるように納めています。

今日は朝から晴れて気持ち良い青空が広がっている、ここ宇都宮界隈。見上げた空も棟のラインもスッキリ!といった感。(^^

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<いまいすみのすまい>完成見学会 ご参加ありがとうございました

<いまいすみのすまい>完成見学会を開催し無事終えることができました。 お越しいただきました皆様、まことにありがとうございました。 詳しくはこちらから… -山形建築研究所-ウエブサイト