「6月12日(水)」
「自転車屋の生き物歳時記」
「ハッチョウトンボ」
昨日
京都で希少な天然記念物の
ハッチョウトンボが飛来したと言う記事を見ました。
ハッチョウトンボ
(八丁蜻蛉、Nannophya pygmaea)は、
トンボ科ハッチョウトンボ属のトンボの一種。
日本一小さなトンボとして知られ、
世界的にも最小の部類に属する。
パキスタン、インド、ネパール、中国、台湾、
マレーシア、ミャンマー、タイ、フィリピン、
ニューギニア、韓国、日本、ソロモン諸島、
オーストラリア北部など、
東南アジアの熱帯域を中心に広く分布する。
DNA解析により
地域によって大きな差異が確認されていて、
複数の種に再分類される可能性がある。
日本では
青森県から鹿児島県に至る本州、四国、
九州に分布するが、離島には生息していない。
日本国内での分布は局所的で、
さらに近年の開発や環境汚染により
著しくその数を減少させている。
長野県駒ヶ根市で市の昆虫に指定されている。
和歌山県古座川町では、
町指定天然記念物に指定している。
古座川町は生育地となっている休耕田を買い取ったり、
防護柵を取り換えたり、
盛り土を整備したりするなどの環境づくりを進めている。
成虫の体長はオスが17-21 mm
(腹長10-14 mm、後翼長12-16 mm)、
メスが17-21 mm(腹長9-13 mm、
後翼長13-16 mm)で極めて小さい。
一円玉(直径20 mm)の中に
頭から腹端までが納まるほどの大きさである。
オスの体は羽化直後は橙褐色だが
成熟すると体全体が赤みを帯び、
羽化後20日ほどで鮮やかな赤色となる。
メスは茶褐色で、腹部に黄色や黒色の横縞がある。
翅の大半は透明であるが、
付け根付近は美しい橙黄色になる。
幼虫(ヤゴ)も体長9 mmと非常に小さく、
緑色を帯びた褐色であるが、
体表が泥で被われていることが多い。
主として平地から丘陵地・低山地にかけての
水が滲出している湿地や湿原、
休耕田などに生息しているが、
時には尾瀬ヶ原のような高層湿原でも
見られることがある。
いずれも日当たりがよく、
ミズゴケ類やサギソウ、モウセンゴケなどが生育し、
極く浅い水域がひろがっているような環境を好む。
成虫は5~9月に出現する。
成熟したオスは小さい縄張りを持ち、
静止状態でメスを待つ。
名前の由来は、
尾張の本草学者・大河内存真
(おおこうち ぞんしん:1796-1883)による
『蟲類写集』に「ヤダノテツポウバハツチウメ」
(矢田鉄砲場八丁目)のみで発見せられるために
「ハツチウトンボ」の名を有する、
との記載に因むとされる。
この矢田鉄砲場八丁目の
詳しい場所は現在不明とされるが、
名古屋市内の矢田川付近と見られている。
また一説には
矢田河原八丁畷(現在の名古屋市千種区周辺)で
発見されたことに由来するとの説もあるが、
この説の根拠はよくわかっていない。
学名の pygmaea は
「Pygmaei(伝説上の小人)の~」の意で、
小さいことに由来する。
国際自然保護連合(IUCN)により、
レッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。
日本では以下の多数の都道府県により、
レッドリストの指定を受けている。
環境調査のための指標昆虫のひとつに選定されている。
絶滅 - 埼玉県、東京都本土部
絶滅危惧IA類 - 山梨県、高知県
絶滅危惧I類 - 群馬県、香川県、愛媛県
絶滅危惧IB類 - 静岡県、長崎県、大分県
絶滅危惧II類 - 宮城県、奈良県、鳥取県、広島県
、佐賀県、熊本県、宮崎県
準絶滅危惧 - 秋田県、山形県、京都府、大阪府
、和歌山県、島根県、徳島県
希少種(環境省の準絶滅危惧相当) - 茨城県、富山県
Cランク - 兵庫県(環境省の準絶滅危惧相当)
その他 - 岩手県(Dランク)、栃木県(要注目)
、福井県(要注目)、岡山県(希少種)、
鹿児島県(分布特性上重要)
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