同姓同名の人士多数だが、この著者は通信社の記者だった方。
丸山 徹の書籍一覧 - honto
米映画やドラマなどで法曹関係者がよく出てくるわけで、ニュースを読んでいても司法制度への基本的な理解がないと訳が分からんことになる。
なるほどそうだったのか、と膝を打った読者も少なくないのかも。
類書がなかなかない平易な解説書だが、誤字脱字のオンパレードには、げんなり
だ、そうですが。
ところどころに日米比較のついでに日本の制度の問題点の指摘に踏み込んでいるのもご愛敬か。
日本の一部の裁判官のトホホぶりなどについて、「許しがたい」という感覚をお持ちである/あったことが示される。
アメリカ関係の記事を読む際にも、注意が必要なことを再認識されられた。
なにせ、州によって裁判所の名称がまちまちで、「地裁」に相当するのが、素直なDistrict Courtの州もあれば、Superior CourtだったりCircuit Courtだったりするのがその一例。ややこしさに輪を掛けるのがワヲキツネザルじゃなくて、二審をDistrict Courtと称する州もあれば、Superior Courtと呼ぶ州もあるという。なんじゃそれ感。
従って、これらをそれぞれ直訳しただけでは全く不十分であり(地裁)などと書かないと記事の翻訳紹介としては不十分なのだよね。
なるほど。
警察官の階級なども、日米対比でわかりやすく解説してある。
コロンボ警部(LAPD)はLieutenant Columbo (character) - Wikipedia
ダーティ・ハリーはInspector=ヒラの巡査で、上司はLieutenant として登場するが、字幕はキャラハン「警部」にその上司が「主任」になっていて無茶苦茶である、と。
まあ、ね、字幕はね、字幕界の女王とかいわれた方が、批判されると(誤訳の女王?)ムキになって「短いスペースに効果的に表現する特殊技術であって素人がうるさい、キーッ」(大意)とか言っておられたけれど、著者などは色々と気になって米映画やドラマが楽しめないのではないかと心配してしまう。
第5部アメリカ法の諸相35銃規制
の中で、写真の説明に「NRA大会で展示されたライフルを手に取り照準を合わせる少年」というのがあるが、よく見ると(よく見るまでもなく)、スコープ(望遠照準器)メーカーのSchmidt&Bender (シュミットアンドベンダー)社のブースで、銃床部分(銃身なし)の模型にスコープを装備した展示用モデルでスコープの使い心地を試している姿だ。
「NRA大会で展示されたライフル用照準器を試す少年」とでもするべきものだろう。
どうでもいいけど。
大統領の弾劾裁判について、クリントンの事例までわかりやすく解説されている。
これにトランプの事例も付け加えると面白かろう。
誰か改訂版を企画しないかな。
日本の裁判員制度(裁判員制度は、平成21年5月21日に始まりました)も行われていることだし。
本書は副題が「陪審制度の理解のために」であり、裁判員制度の啓蒙も目的としていたと思われる。
図書館でいつもはいかない棚の本なのよね。
「返却されて配架待ちの可動ラック」で見つけたのだった。
侮れない。