〜かたることばが歌になる風になる〜

コーラス花座コンサート終わる④

3ステージ「木下牧子女声合唱曲選」
曲集の初めに木下牧子氏が書いておられる。
「合唱と一括りに言っても、混声合唱、男声合唱、女声合唱のそれぞれは、お互いに作品が共有されていない。共有できるタイプの作品を、色々なヴァージョンでつくっておこうと考えるようになった」とある。

『ローラビーチ』(池澤夏樹 詩)
詩人であり小説家でもある池澤夏樹氏の父は、小説家福永武彦ということを知った。
学生時代の親友が、その頃知り合った大学生の彼に勧められて読んでいたのが、福永武彦の「風土」だったと記憶している。少し難解な文脈で私はすぐ読むのを挫折したように思う。

池澤氏は、初めての海外がミクロネシアで、自分が「島」というものが好きだと気づいたと言っておられる。この後『ローラビーチ』が入っている「塩の道」という初めての詩集が創作された。

人の目が見ていなくても
風景はあるものだろうか

貝の螺旋
月蝕ごとに珊瑚が育つ
 魚の側線

暴風の暗夜
水 珊瑚を砕き
砕けて砂
白く 淡く
積る千年

風のあとがつき
また風に消され
波が浸す
時が満たす
ゆっくりと日時計
 潮の暦日

ゆれている
ぬるい浅い水
誰も憶えていない
誰も気付かなかった
その一日
どの一日
誰も計らない時間
太陽が沈みかけ
水がまた染まる
誰も見ていない
光が勝手に
あふれているだけ
 その一日


人の耳が聞かなくても
 風は椰子の葉を鳴らす」

時間というものに束縛もされない。
自然の営みは繰り返されて時が積み重なっていく。
悠久の流れがここにはある。

木下牧子さんのフランス音楽的な旋律ハーモニーが、人が見ていなくてもその風景を見せてくれるようだ。


活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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