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〜かたることばが歌になる風になる〜

中国ドラマ「永遠の桃花 三生三世(Eternal Love)」追記

4月から観出した中国ドラマ「永遠の桃花 三生三世」を
今も、エピソードをアットランダムにピックアップして
このドラマ以外は観ることができなくなってしまっている。
温かい何かと熱い思いを求めて、私はこのドラマを何度も観続けるだろう。

このドラマ、天族の皇太子「夜華(やか・イェファ)」と
九尾孤族女帝「白浅(はくせん・バイチェン)」のラブロマンスだけではない。

このドラマには天族という崇高な神仙たちが登場する。

一つ書き忘れた大きな鍵があった。
夜華の叔父で、夜華が生まれる前から白浅と許嫁(いいなずけ)になっていた
「桑籍(そうせき)皇子」が白浅の侍女「少辛(しょうしん)」を見初め
天君の猛烈な反対と、死を覚悟しながらも一緒になり
皇太子という身分から、一介の臣下に降格されてしまう騒動があった。
後にこの一件は夜華にとって、素素との恋に大きく影響している。

しかしこの時この騒動を、夜華は馬鹿げたことだと
冷ややかに見ているような人だった。
叔父が潰した天族と狐族(青丘)との面子のために、夜華が叔父の代わりに
白浅の許嫁に任命されたが、夜華は「寝床に人がもう一人増えるだけ」と
意に介さない無表情な人物だった。

後に夜華が「俊疾山」で出会った、人間の素素に思いを寄せたその要因は
夜華の置かれている「天族の皇太子」という生い立ちに寄る。
生まれてまもなく、母親から引き離され
天君(王・祖父)から厳しい修行を課せられる。
そして2万歳で上仙(仙人)になるが、ずっと無表情で
人(神仙)らしい温かい情などを解さない人物だった。

夜華は、自分は人をうらやむことは無かったが
桑籍(そうせき)叔父だけは違ったと。
そして、素素と出会って初めて安らぐ幸せな時間を感じたと
後に話している。
素素は、実際の白浅には見られない、多分内面にはあるのだろうけど
「おっとり」というか「愚鈍」な部分があり、正直なまでに人を信じて
その人を思いやる女性。
その人柄に惹かれ、夜華にとって安らぎの存在になっていった。

さて、この物語の登場人物の続き。
白浅たち、九つの尻尾を持つ九尾狐族(きゅうびこぞく)。
          
そこに白浅の兄「白真(はくしん・バイジン)」「鳳族」
「折顔(せつがん・ズイエン)上神」が移動に使う鳥族」
          
「折顔上神」
司音が弟子時代に出会った離鏡(りけい・リジン)の「翼族」などが出てきて
美しい桃林と大きな湖の景色が癒やしの風景となっている。
         
「離鏡」
同じ鳥族でも、多分翼族はカラスで、邪悪の象徴にしているのだろう。
気持ち悪い鮫人族」というサメの顔をした、翼族と姻戚関係の部族もいた。

準主役として、白浅の姪の白鳳九(はくほうきゅう・バイホンジョウ)
東華亭君(トウカテイクン・トゥファティチン)との恋物語。
ある時、妖怪が出没する俊疾山の山の中を歩いていた鳳九が
妖怪に襲われそうになったところを
東華帝君が助けるという出会いがある。

助けられた恩に報いるために鳳九は、帝君の住む天族の宮殿に入り
孤族の姫でありながら、無理矢理帝君の侍女にしてもらう。
        
帝君はしばらく無視し取り合わない態度で静観しているが
それでも鳳九は次第に帝君のことが忘れられない存在になっていく。
帝君は、天帝(夜華の祖父)よりも二世代ほど上の神仙(先祖のような存在)。
ずっと昔「四海ハ荒」というこの地の天帝として治め
この地の争いを平定するために、自分は婚姻しないと決め
「三生石」という、夫婦になった神仙の名前が刻まれた石に刻んだ
帝君の名前を取り除いたので、鳳九との縁を結ぶことは永久にできない。

帝君は鳳九の気持ちを知っていてもいつも冷静沈着で
達観した年齢の男性の風情を醸し出している。

しかし、こんな若くてキュートな娘の一途な思いに
帝君だって惹かれないはずはない。
帝君は彼女の思いに応えるため、というより「自分の願い」として
人間界に降りて「六苦」という名目で「愛の試練」を受けるべく
中栄国の皇帝になり、鳳九が側室という出会いで恋に落ちる。
しかしこの縁は人間界の一世で終わり、来世で結ばれることはない。
 
人間界での帝君の試練で、鳳九は帝君に助けられたことへの
恩返しを叶えるが、人間界で終えた愛の成就が忘れられない。
天界に戻っても、帝君への立ち切れない思いは、鳳九のこの後の行動と
それに応えることができない帝君との、切ない恋を胸に収めて
叔母の白浅の後を継いで孤族の「女帝」を継ぐ儀式が執り行なわれる。

人間界の皇帝は真っ黒な髪で、髭を携えているので
老けていてきついイメージ。
白髪の東華帝君は美しくて若い感じがする。
同じ役者さんなのに年齢の違う人物に見える。
見事な演出だと思う。

翼族の皇女 臙脂(エンジ)
兄 離鏡の妻の 玄女が産んだ病気の子を助けるため
丹薬を作ってくれた崑崙虚の弟子の子欄と淡い思いを通わせるが
崑崙虚と翼族とは相容れない定めとお互いわかっている。
感情を抑えながら、丹薬のお礼を言いお辞儀をして別れるシーンもまた切ない。
        

        

墨淵上神(ぼくえん・ボイエン)は、白浅が司音として弟子になった時から
親のような気持ちに近い慈しみの愛情を持って見ていた。
白浅は戦で亡くなった師匠への恩に報いるため
亡骸に自分の「心(しん)の血」を飲ませて
遺体が腐敗しないよう見守っていた。

やがて墨淵の元神が集まり蘇る兆しが見えてくる。
夜華は、白浅が師匠の墨淵を思っているのだと気落ちしながらも
墨淵を蘇らせるという、白浅の長年の悲願のために
4匹の獰猛な猛獣が守っている瀛州(えいしゅう)に行き
右腕を猛獣に食いちぎられる犠牲を払ってまでして
「神芝草」という薬草を採ってきて、墨淵に飲ませる丹薬を作ってやる。
大きな代償を伴っての夜華の愛の大きさに、白浅は感激すると同時に
夜華への自分の気持ちにようやく気づき、形式ではない心の底からの思いで
結婚の約束をする。

墨淵が長い眠りから目覚めた時
白浅が自分の弟夜華の許嫁(いいなずけ)になっているのを知り
その事実に驚き自分の思いにも戸惑っていた。

白浅が「今後師匠に孝行を尽くします」ということばに
「孝行か」とつぶやく。
七万年という長い年月の経過と変化を、今更のように思い知ったのだと思う。
  
マーク・チャオは
「墨淵が司音を弟子以上の気持ちで愛しているのかどうかは
はっきりと表現しない。見ている側に判断させる」というようなコメントをしている。
顔の表情をわずかに曇らせたり、微妙に悲しげな切ない目で見る彼の演技で
私は墨淵が弟子以上の対象として見ていたと理解した。


「素錦族」の遺児素錦(そきん・ソジン)は、素素の時も白浅として再会した時も
皇太子夜華との恋に、これでもかという策略で割り込もうと横恋慕する。
夜華に無視され嫌われているのはわかっているはずなのに、韓国ドラマでも
こういうキャラクターの女性が必ず出てくるわ(笑)
        

夜華が昏酔状態になった時も、墨淵上神を蘇らせる時にも使った
神器「結魄灯(けっぱくとう)」が割れて
白浅は人間界で素素だった時のことを思い出す。

素錦に濡れ衣を負わされ目を奪われたことなど
素錦のやった悪事は終盤で全部明るみに出て
畜生道に落とす罰が与えられる。
白浅が、奪われた目を取り返しに乗り込むシーンはかっこいい!
                     

                 

                

                



    

         

       

       



最後に
白浅が素素の時に産んだ阿離(あり)が、姿も声もとても愛くるしく
芝居が抜群に上手い!

    主人公二人の出会いと別れと再会、死と復活。
それに伏線として、色々な神仙たちとの絡みが幾重にも折り重なり
人々(神仙たち)の思いが美しい彩りを放ちながら描かれていて
何度観なおしても、その度に感動し涙を流している。
また、物語のシーンごとに流れる美しい旋律は
物語を忘れられなくしてくれる後押しを担っている。

私は今も「永遠の桃花」の中から抜け出せないでいる。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

コメント一覧

chorus-kazeアッコ
いらっしゃいませ〜❣️
https://blog.goo.ne.jp/chorus-kaze
candycandyさま
私は長いこと韓国ドラマにハマってまして
我が家のケーブルテレビには
中国ドラマも放送していましたが
全く興味がなかったんです。
プライムで「永遠の桃花三生三世」を観て
ケーブルテレビでも一瞬だけど、このドラマ観たなと
思い出しました。その時はワイヤーアクションの
作り物的な所に違和感があり、その後
見ませんでした。
プライムで観てからは、日本の昔の
純愛物に近くてハマってしまったんです。
この後もいろいろ中国ドラマを観ましたが
「永遠の桃花」以上のはまだ無いですね😍
candycandy
アッコさま❤️

こんにちは❤️来ちゃいました~😆
このお話、アマゾンプライムだったかですごく気になっていたんです。
生まれ変わってもまた愛する人を探す的なドラマが大好きで。

でも中国ドラマは敷居が高くて見るのをためらっていたのですが、アッコさまのブログを読んで、ストーリーが本当に素敵❤️だと思いました。
来週から(週末は子供がうるさい😱💣ので)みることにします。

またおじゃまさせていただきます❤️
chorus-kazeアッコ
ゴンドラの唄
https://blog.goo.ne.jp/chorus-kaze
カンサンさま
今の時期、映画館に行くのは
ベストかもかもしれませんね。
「ゴンドラの唄」は、大正時代、ツルゲーネフの
「その前夜」という作品を芸術座が公演した時
女優の松井須磨子が歌った劇中歌だそうです。
黒澤明の「生きる」は志村喬が主演した映画ですね。
観ていませんが、この映画に使われたことは
何となく知っていました。
昔は、劇中歌も工夫されていますね。
カンサン
コーラス
http://blog.goo.ne.jp/takan32
chorus-kazeさんへ、私の映画のブログにいいね!をありがとうございます。
久しぶりに映画館に行きました。来ている人は10数人という少なさでした。
コーラスの曲を聞きました。久しぶりに"この道は---"とか"命短し恋せよ乙女--"など聞きました。命短し恋せよ乙女---は、黒沢明監督の『生きる』で印象的なシーンで使われていました。この映画を思い出しました。
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