〜かたることばが歌になる風になる〜

脳内伝達物質と心の病

普段私は寝つきが悪く、旅行に行ったりしたらたちまち一人だけ眠れない。
しかし、主人は横で1分もしない内にいびきをかいて眠りに入るというぐらいの人なのだが、5月末のある日突然不眠になって何日も眠った感覚がないと言い出した。

主人には10年ほど前、定年退職の2年前に同じようなことがあった。
この時は明らかに仕事上のことが要因だったが、主人がこんな病気になるんだから、仕事上のストレスは半端じゃないのだと理解した。
あの時は、「うつ」などのこういった種類の病気は無縁と思うぐらいの主人に、突然予期していない形で起こったので、正直本当にとまどうことばかりだった。
いつも「私は大丈夫よ~」とケセラセラという顔をしなければならず、主人の前で泣けず・・・そんな日々だったのを思い出す。

この時の一番最初に通った病院の先生から処方された「薬」で痛い目に会った。
同じ種類の薬を同じ量だけ3か月同じように処方されていたので、副作用からだと思うが、普段そんな性格ではない主人が凶暴な行動を起こしたりして非常に怖いこともあったが、いざという時に息子たちも気遣ってくれたことは心強かった。
これではダメだと判断して、私の知人の旦那さんの通院していた先生のことを聞き思い切って転院したのが良かった。
経験者の知人からは最低でも「4年」はかかるけど「必ず治る」からという言葉を励みに、通院して1年半の早さで完治した。
元々元気で社交的な主人だったので、この病気の時期に会うことがなかった知人たちには、いまだに信じがたく理解できないようだ。

まぁ、私よりは怖がり、心配性という元来の性格があるからだろうか。
今回は原因らしきものがあると言えばあるが、人間は本当にデリケートで、自分の身体や感情で制御できないことが、脳内の物質と働きとに密接に関係して起こるのだと知った。

人間の脳内には「シナプス」と呼ばれる、情報を伝達するための神経細胞があり、生活環境の影響やストレスなどで、これらの細胞を含む脳内の物質のバランスが崩れて、心の病や認知的な症状が起こると言われている。人間の脳とは実に人間の根幹を担っているのだ痛感する。

薬剤師をしている私の妹は、人間のそれぞれの一番弱いところが病気になると考えると、胃が弱ければ胃潰瘍などになるのと同じで、うつ病だから特別と言ううわけではない。薬で治療していくことには変わりがないと言ってくれた。
今回はお世話になっている内科の主治医が紹介して下さった、若いお医者さんが診療している病院で診て頂くことになって今で4か月ほどになる。
うちの息子と同じぐらいの年齢と思われる先生は、とても穏やかで誠実で、それでいて的確なアドバイスを下さるので文句なく信頼できた。
どんな病気の治療でも、患者にとって信頼できる自分に合った病院に通院するということは当たり前のことだが、この種の病気では、先生が信頼できて診療内容も納得できることが何よりも重要だと思う。
そして薬が合う合わないが非常に重要で、この先生の初見で処方されたお薬が主人に合わないということを、先生はすぐ見抜いて下さり、2、3度別の薬を試してみた結果今の薬になった。
最初の3か月目ぐらいが落ち込みが半端ではなく、外出はできない。人に会うことができない。一人にされると怖い。
また前回とは全く違った症状もあって、少々のことではへこたれない楽観的な性格の私も、このままでは自分も対処できないかもしれないので、いよいよ主人を一時的に入院させようかと思いだしたころ、薬の効果が出だしたのか、少しずつ症状が改善されだして、薬の血中濃度(飲んでいる薬の効果のこと)がよくなっていると先生はおっしゃっていた。
この2週間で日に日に回復してきて以前の元気な主人に戻りつつある。

先日テレビニュースで、心療内科で出される薬が中毒的になっている例も多く、今使われている新薬が認可されだしたころから、その副作用によるものなのか、うつ病患者が数倍に増えているというニュースがあった。
病院の報酬を増やすために薬をいっぱい出すという悪質な先生もいるようだ。
副作用が少ないと言う新薬が誰にでも合うとは限らない。
副作用の症状が「うつ病」の症状なのか?
それじゃ薬をしばらくやめて・・・また飲んで・・・それを繰り返している内に慢性疾患のようになり、本来の症状がどれなのかわからなくなるという悪循環に陥ってしまうこともある。


非常にデリケートで難しい病気であることは事実だが、信頼できるお医者さんをきちんとみつけること、合う薬を処方通りきちんと飲んで病気を治すという、基本的な姿勢をないがしろにしてはならないのだ。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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