「木下牧子女声合唱曲選」
最後の曲『風が風を』(多田智満子 詩)
風が風をさそった
狼を喰いに行こうと
蒼い肉 すばやい血
おお夜の杉 夜の塔
むらむらと花粉がこぼれ
月は白い目を剥いた
風は風を喰うがいい
骨は骨を噛むがいい
さぐる息 すくむ猿
化石した叫びに叫びをかさね
おお夜の杉夜の塔
ガラスの小鳥は砕け散った
森はレールに貫かれ
かまどに紅い亀裂が走り
風がまた風を誘った
狼を喰いに行こうと
海岸沿いの崖っぷちに面した荒涼とした風景を想像する。
付点四分音符が1分間に69という8分の6拍子の曲。
森の中を汽車が走っていく疾走感を思いながら歌った。
アンコールは岡村孝子の「夢をあきらめないで」
よく知られた歌で、会場からメロディーに合わせて手拍子があって、前に進んで行こうと思ったが少し停滞してしまった。
でもお客さんとの一体感があって気分良く終わることができた。