〜かたることばが歌になる風になる〜

父が元気になった

毎日父を見舞うK病院は、何か明るい感じがあっていつも心が軽くなる。
隣町とは言え、車で山手の方へとひた走り、外環状線を降りて、街から少し遠ざかった緑の多い田舎に病院はある。老人がたくさん入院している病院はこういう場所に多いのだが。

担当のT先生と最初にお会いしてお話した時のこと。

先生は開口一番「どうして『流れ流れて』こんな田舎まで来られたんですかぁ?」
私たち家族は自宅での介護に疲れていて、しかも父の病状はかなり深刻だったが、明るく大きな声で、少しユーモアを含んだ口調の先生の質問に、3つほど病院に入院を打診して、2件は断られ、こちらが先ず受診して下さいと回答があったものですから。そう私は答えたのだが、その後の父の血液検査の結果を家族に説明して下さった時も、非常にわかりやすく、父のために一番良い方向への治療を施していこうという先生の方針が伝わってきて、父の生命力が弱くて、例え良くない方へ行ったとしても悔いはないと思うほど、先生への信頼感と親近感を抱いた。
近くに住む、主人の高校時代の同級生や、父の親戚が言うのは、田舎の病院だが設備が充実していて、お医者様が優秀な方が来られているとのこと。

それとは反対に、以前入院申請していた、長期療養型の病院で面談した医師の印象があまりにも良くなかったことを思い出す。
何をイライラしているのか、詰問口調で畳み掛けるようにせっつく様子が記憶にある。
病院の設備は整っているが、この方に診てもらうのか・・・そういう気持ちになった。

今入院している病棟では、父の部屋の向かいの病室から「せんせ~せんせ~・・」とずっと叫んでいた弥左衛門さんという98歳のおじいさん。耳が遠いらしいので声が大きくよく通る。弥左衛門さんは数日前にリハビリ棟の方へ移ったとのこと。弥左衛門さんは92歳までおひとりで暮らしていたそうだ。
隣あたりからは「いたい~いたい」と叫んでいるおばあさんの声も。
こんな中なのに、病室周りでは何故だか明るくてゆったりした空気が漂っている気がする。
担当でない看護師さんもお手伝いの方も、みなさん会えば明るく挨拶して下さる。

帰り際、介助されながら車いすで移動していた高齢のおばあちゃん、前から歩いてきた担当の若い男性看護師さんに「男前さんどないしたん?」と、その看護師さんおばあちゃんに「べっぴんさんのために来たんやんかぁ」と返答。ほのぼのした会話に思わず笑いがこみ上げた。

父の病状が落ち着いているせいもあるが、緑の多い山道を走って病院に来るのは気持ちいい。

そして今日、先生からは、口から食べられるようになればと、先ず飲み物を飲み込むリハビリを始めて、長期療養棟の方のベッドが空きそうだから、そちらへ移って、点滴等で治療しながら経過をみることをしていけたらと考えているとのこと。
3か月したら、別の病院に転院せねばならなかったのだが、こちらの療養病棟で、T先生にずっと診て頂けたらとても嬉しい。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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