中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

中華街で最もディープな隠れ居酒屋

2012年08月21日 | 中華街(上海路)

 先週のある日、久しぶりに「TRES」でランチをいただこうと思って上海路を歩いていくと、同店すぐ横の路地入口に新しい小型の看板が置かれているのに気がついた。

 それは「TRES」のものではなく、路地奥に新しくオープンした店の案内&誘導看板であった。
 店名を見ると「ちまき屋」とある。


 そうだった、すっかり忘れていたけど、浜マーケットから移転してきたということで、本須さんがツイートしていた、あの店だ。
 
 こりゃあ、「TRES」をやめて、今日はこちらを初訪問しなければ、ということで路地に入り込むと…


 どうやら、これらしい。
 このドアに見覚えがあるからね。

 でも、看板も表示も何も出ていないので、ちょっと不安…。
 (あとで分かったのだが、下に落ちている紙が看板だった)

 玄関を覗くと、これはもう完全な民家だ。小さな土間の左側に靴箱があり、右側奥には、カーテンの隙間越しに台所のようなスペースが見える。

 左側が客室になっているようだが、中は見えない。

 「こんにちわ~」
 声をかけると中から若い女性が出てきた。
 「食事をしたいんですけど、できますか?」
 「ごめんなさいね、昼はテイクアウトだけなんですよぉ。お食事は夜だけなんです」との返事。
 「そちら左側の小窓で承ります」


 それじゃぁ仕方ない、今日は食事を諦めて、店名にもなっている名物を買って帰ろうと思い、
 「チマキをください」というと、彼女はテイクアウト用のメニューを持ってきてくれた。





 チマキの他にビーフンやローバープンも持ち帰りができるとのこと。
 だが、この日は初めてだったので、まずはチマキのミニサイズ(390円)を購入。
 帰りがけにはご主人も出てきて、「夜もよろしく~」とご挨拶もあった。


 それを持って向かった先は「会芳亭」。
 山下町公園の中にある中華風の休憩所だ。


 小さな一品のために、こんな紙袋に入れてくれたことにお店の心意気を感じて嬉しく思うと同時に、なんだか申し訳ない気も…。


 紙袋の中にはお手拭も入っていた。
 これまた優しい心遣いだ。 


 さっそくチマキを開けてみると、うまそうな香りがプ~ンと漂ってくる。
 
 一口かぶりついて、ここのウマさが分かった。
 中に入っている豚肉、ピーナッツ、シイタケなども、なかなかいけるではないか。


 ということで、さっそくその夜、お店に伺ってみた。
 昼に続き2度目の訪問とはいえ、やはり路地裏の民家に入り込むのは、ちょっと気が張る。

 店の入り口が民家の玄関なので、このまま勝手に入っていいものか、声をかけてから入るべきなのか、しばらく躊躇していたら中からご主人が出てきて、
 「あっ、昼間はどうもありがとうございました」とご挨拶。

 「チマキが美味しかったんで、来ちゃいました。入れますか」
 「狭いところですが、どうぞ」と中に案内してくれた。


 小さな三和土で靴を脱ぎ、左側の店内へ。

 思った以上に小さい!
 カウンターが2席!
 テーブルは一つ、そのままでは3人が限度かな。ただ、伸縮できるテーブルなので伸ばせば4,5人は座れるらしい。
 ということで、6,7人で満員となってしまう、素晴らしい店なのだ。
 
 この日は先客が2名だった。足を延ばしてくつろいでいたりするので、なんだかこれだけで定員という感じ。


 カウンターに席を取り、まずは「一ノ蔵」で喉を潤す。

 日本酒はほかに、浦霞、八海山、菊水、久保田などが置いてある。
 あとはワイン。ウィスキー、焼酎だ。  


 おすすめの腸詰め。
 注文してから出てくるまでには、少々時間がかかるけど、やっぱり美味しいわぁ。


 ここは、まさに隠れ家的な居酒屋。
 仲間6,7人で来たら最高の場所だろう。


 日本酒のあとは焼酎に切り替え。
 ついでにハブ酒もいただく。
 酒も食べ物もいい感じだ。なんとも素敵な店がオープンしたものである。


 ところで、ここの店主のお母さんは、昔、中山路と香港路を結ぶ路地で、「真澄」というお店をやっておられたという。



 私も若い頃は、この辺りにしばしば出入りし、やきとり「一平」なんかで呑んでいた記憶はたくさんあるのだが、申し訳ないことに「真澄」に関しては全く記録も記憶もないのだ。

 今こうして当時の地図(1993年頃)を見てみると、隣は「カラオケ真澄」だったのか…。 




 そして2年後の地図では、「食堂真澄」と「カラオケ真澄」が消えて、その場所に「錦江飯店」ができている。
 
 時は移り変わり、20年近く前に閉店した「真澄」のメニューと当時の味を引っさげて、息子さんが新しい店「ちまき屋」を、もっと路地裏のディープな場所に開店したというわけだ。

 今後の展開が楽しみである。

 以下はおまけ情報


 これは今週テイクアウトで購入した魯肉飯(ローバープン)。
 中華街で魯肉飯といえば「秀味園」だ。豚肉と煮玉子、高菜、ひき肉が入ってボリュームたっぷりのドンブリだ(500円)。
 
 一方こちらのは豚肉、白髪ねぎに、なんと沢庵!
 美味しいですぅ~~。
 

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コメント (14)    この記事についてブログを書く
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14 コメント

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Unknown (teru)
2012-08-21 23:46:47
むちゃくちゃDeepなお店ですねぇ~。でもお料理見ると、おいしそうです!こんなにいいお店発見できるなんて、さすがです!

気の置けない仲間と行ってみたいなぁ。
返信する
なるほど (本須)
2012-08-21 23:51:12
「錦江飯店」の前が「真澄」だったんですね。
古地図の「牡丹園」の隣の「金陵」もかなり気になりますが。

魯肉飯はおいしそう。
そのうちテイクアウトしてみたいです。
返信する
美味しいです (管理人)
2012-08-22 07:55:48
>teruさん
感じもいいし、落ち着きますが、
難点はタバコ。
居酒屋だから仕方ないけど…

まだ少ししか食べていませんが、
他のものも期待できそうです。
返信する
昔の地図 (管理人)
2012-08-22 08:00:03
>本須さん
20年も経っていない昔の地図ですが、
結構変化していますね。
見ていて興味が尽きないです。

魯肉飯、美味しかった。
店で食べたらもっと良かったかも。
返信する
Unknown (中華街パーキング)
2012-08-22 11:53:20
全然知りませんでした・・・。
かなり、興味がありますので、パーキング職員で行こうと思います。
ありがとうございます。
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Unknown (sociton)
2012-08-22 14:08:29
これは凄いですね。
一人でも行けそうですねー。
でも狭いとタバコが辛そうだなあ。
返信する
仲間呑み (管理人)
2012-08-22 22:22:27
>中華街パーキングさん
「TRES」といい、ここ「ちまき屋」といい、
なんだか面白い店が出てきましたね。
皆さんで行ってみてください。
返信する
タバコ (管理人)
2012-08-22 22:24:16
>socitonさん
残念ながら、ここは灰皿ありです。
嫌煙家にはつらいかも。
でも、非喫煙者5,6人で呑みに行けばいいかな。
返信する
まるで (ばんど)
2012-08-23 09:21:24
一見、ただの民家のようなところは 野毛の「三○
屋」こと「武●屋」のようですね。

非喫煙者ジャックで訪店されるときは 是非、拙も
末席に加えてくださいませ。
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Unknown (赤飯番長)
2012-08-23 16:27:25
酔華さん、こんにちわ。。。

ちまき屋さん、最近まで
浜マ-ケットにあったんですよ~!
突然、中華街に移転することに
なって、ビックリしました!!

ムスメ(妻)が仲良くして
もらっていたので
近く、行こうと話してた所でした!
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