昨年11月に開催された横浜中華街の美食節。この新しいイベントでは、いくつかのお店が“まかない料理”を提供していた。 そのうちの一つに、「三和楼」の排骨炸醤麺(パイコーザージャーメン)というのがあった。炸醤麺に排骨を載せた、いたってシンプルな料理であったが、なかなか美味しかったのを記憶している。 その報告記事の最後に、お遊びでこんなことを書いた。 そういえば「同發本館」のまかない料理であるカレーライス。あれはメニューに出ていませんが、頼めばいつでも食べられます。 あの美味しい“同發のカレーライス”に、この「三和楼」の排骨をトッピングしたら、どうでしょうか。 カツカレーからの単なる思い付きで書いたのだが、ありそうで、今までなかったメニューである。 このときの合成写真を見た当ブログの読者である「週末中華」教授は、無性に排骨カレーが食べたくなったようで、実際にそれっぽいものを作ってしまった。(正確にいえば排骨カレーではなく、中華風カツカレーなのであるが) 見た感じ、なかなか美味しそうな出来栄えだった。 その後、この排骨カレーのことは私の意識の片隅に追いやられ、超多忙な日々を送っていた… そんなある日、「同發本館」から自分の眼を疑うような、俄かには信じがたいようなメールが届いた。 なんと! 排骨カレーを作ちゃった というのである。 しかも! 一度、食べに来てください というのである。 その感激メールをご覧くださいっ 「同發本館」から届いたメール(抜粋) 昨年の11月にご掲載いただいたご要望にお応えして、同發本館のカレーライスに カレー風味の排骨を乗せた排骨カレーライスを950円で販売開始することに致しました。 つきましては酔華様に、一度ご賞味していただきたくご案内申し上げます。 (以下省略) 嬉しいじゃありませんか! こんな拙ブログを読んでいただいていたなんて、それこそ恐縮もの。 それだけでも感謝感激、雨あられなのに、単なる思い付きで書いた“排骨カレー”を実際に作ってしまい、さらには試食してほしいとのお申し出には、正直、ビックリした。 ということで、先日の昼過ぎ、「同發本館」を訪ねてきた。2階でお迎えくださったのは、メールの主であるHさん。 普段はお店のほうに顔を出していらっしゃらないので初対面なのだが、なぜか前から知り合いのような雰囲気でお話を聞かせていただいた。 氏によると、この料理は私のブログ記事がきっかけとなって開発されたという。 しかし、ここまで仕上げるには、さまざまな試行錯誤があったそうだ。もともと、「同發本館」には美味しいカレーライスがある。そのカレーライスに排骨を載せるだけでいいのか、といった疑問は当然にある。 排骨の厚さ、大きさはどうか? カレーの量はどのくらいがいいのか? そもそも、カレーの中には豚肉が入っているのだが、これを排除したほうがいいのか、しないほうがいいのか? そして販売価格はどうか? それらを一つ一つ解決して完成したのが、これだ! 「同發本館」新登場 排骨カレー! 私が遊びで作った合成写真では「同發本館」のカレーライスに、「三和楼」の排骨を載せてみたのだが、上の写真はすべて「同發本館」のパーツで作られた本物の排骨カレーである。 カレーの中にも豚肉が参加している。最初は豚肉を入れないでカレーを作ってみたそうだが、やはりルーの味わいが微妙に違ってくるらしく、完成版では基本のカレーライスと同様に豚肉入りとなっている。 豚同士ということで、肉肉しくなりそうなところであるが、意外とうまくまとまっていた。 排骨もちゃんと骨の付いたお肉で、歯ざわりがよくて美味しい。カレールーとご飯を頬張り、ハグハグと噛みしめたところに排骨を放り込むと、カレーまみれになった排骨が口中の満足度をさらに高めてくれる。 カツカレーの豚カツの場合、パン粉をつけて揚げた一枚の肉をカットしているため、コロモと肉が分離しやすい。店によってはスプーンで触っただけでコロモが剥がれてしまうこともあり、そんなときは皿の上で両者を再結合してからカレーにまぶして食べたりしなければならない。 しかし、ここの排骨はそんなことがない。カレー風味の小麦粉がお肉にしっかりと貼りつき、かなり強引に取り扱っても排骨のままでいてくれる。 そして、カレールーの分量をケチっていないのが、また嬉しいじゃありませんか。 カレーライスというのは、ご飯とカレーの比率が非常に重要な食べ物であると思う。ご飯の量に対してカレーが少ない店にぶち当たると、最後にご飯だけが残ってしまい、これをどうやって食べるか思案に暮れることになるのだが、ここ「同發」のカレーライスは太っ腹だ。カレーがタップリかかっているので、なんの気遣いもなくパクついても大丈夫。カレーが足りなくなって、ご飯だけが残るという心配はない。 私が冗談で書いた記事から誕生した排骨カレーは、想像通りの美味しさだった。やはりカレーライスに排骨は合う。 ただ一点だけ気になるところがある。それは全体の色合いだ。カレーも排骨も茶色系で、色彩的に単純にならざるを得ないのだが、ここに緑色のものを配置したらどうだろうか。 中華っぽく香菜というのも考えられるが、これだと本体と彩りとがお互いに主張しあって反発する可能性もある。ならば、ということで提案したいのはグリーンピースを7粒。 グリーンピースはシュウマイにも使っているし、炒飯にも参加している。中華の脇役としては申し分ないと思う。 ほかに、ハヤシライスやカツ丼にもなぜか7粒載っている。 とはいっても、グリーンピースの嫌いな人もいるから、希望制にするか、あるいは別皿で提供するかだな。 そうすると次は“福神漬をどうするか問題”も持ち上がってくる。 そんなことを考えていたら眠れなくなってしまった。 まあ、それはそれとして、「同發」さん、美味しい排骨カレーをごちそうさまでした。 次回はHさんお勧めの「鶏焼きそば」を食べにいきま~す。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
話題もチャンピオン級ですね。
それにしても開発秘話、そして仕上がりとも十二分で期待できます。
カツカレーの衣離脱問題は私も常々気にしており、これはベストマッチではないでしょうか。
少々気にすれば
・作品の内容的には文句は無くとも950円はランチとして選ぶには少々お高いゾーン
・手軽なカレーが「骨付き」排骨の食べにくさで、特に女性に敬遠されぬか
等思いましたが、とにかく美味いのだから出そう!というお店の英断に拍手であります。
しばらく人が殺到しそうなので、落ち着いた頃合いにでも食べに行こうと思います。
あと、私が作ったヤツはどちらかというと失敗作ですので・・・。
※こちらで書いておけばたくさんの方が見ると思いますので、秀味園さんが3/18(水)まで改装のためお休みと店頭に貼紙がありました。
明日行ったら混んでるかなぁ?
それにしてもグリンピース7粒って、考えた事もなかったです!
その観察眼こそがこの素敵なブログを生んでいるのですね
召し上がっていらっしゃいますなあ。
野菜は、季節の野菜をちょっと添えてもらえばいいんんじゃない?やっぱ、
彩りだけでなく、栄養バランスは大事だもんね。
で、羊肉でココナツ風味のカレーも作ってくれないかな…ってさすがに無理か。
お久しぶりです。
確かに950円という価格は、小遣いの少ないお父さん達にとっては、そう簡単に食べに行くことのできない設定かも。
でも、カレーライスが840円ですので、排骨を載せて約100円増しというのは仕方ないでしょう。
一口あぁ~ん、したいのですが、無理っす。
これが画面から飛び出せばいいのですが…。
将来は、匂いや物体を添付できるようになるはずです。
それまでお待ちを。
本当に作ってしまうなんて、すごいですよね。
そして、本須さんの中華風カツカレーも良かったですよ。