横浜中華街には200軒以上の中華料理店があるといわれています。400m四方のエリア内にこれだけの店が詰まっているのだから、生き残っていくのは大変なことだと推察できます。
オープンして数ヶ月で撤退する店もあるし、老舗大型店でも無条件に安泰というわけではありません。借金を抱えて潰れてしまった店も何軒かあります。
一方、新しい華僑や日本人が、次々と横浜中華街に参入してきています。中華料理店が集積するこの街で彼らが活路を見出すには、従来からの店とは違う部分を打ち出す必要に迫られているようです。それが後発組に多く見られる“専門店化”、“オンリーワン主義”なのでしょう。
そんな流れの中で今までに登場したのは、ミニ肉まん、刀削麺、一本麺、ワンタン専門店、アジアンスイーツ、蜂蜜専門店、小籠包専門店、麻婆豆腐専門店、そして最近オープンした紹興酒荘など。
これらはどれも食べ物、飲み物に独自性を打ち出しています。他の店で扱わないものを出しているわけですね。
ところが先日、わたくしが体験したのはオンリーワンの食べ物ではなく、店内でのイベントというか、出し物だったのです。それはマジックでした。店は「揚州茶楼」。
料理を運んでいるフロアスタッフの方がアベックやグループ客の前でマジックを披露していました。といっても、コーンスープをフカヒレスープに変えたり、エビチリ2皿を3皿に増やしたりしているわけではありません。トランプを使ったマジックをやっているのでした。
生き残りをかけた各店舗の努力には大変なものがあるようです。そのうち、もっと大掛かりなイリュージョンが見られるかもしれませんね。
今日食べたのは海鮮入りお粥(750円)。この店が扱うお粥はこの一品のみです。他の種類はありません。
BGMのビリーホリデーを聴きながら、そのお粥の登場を待ちます。それにしても、こんな曲がかかるなんて、バーじゃあるまいし、かなり珍しいことだと思います。揚州茶楼、何かが変わってきているのかもしれません。
やがてお粥が来ました。具はエビ、イカ、貝柱(少々)、揚げたワンタンの皮で、見た目はベージュ色しています。どことなくオジヤの色。味付けには、かなり濃いダシを感じさせます。でも塩気はなく、意外なお粥でした。
再び、マジシャンが隣のアベックのところへ来ました。今度はロープを使ったマジック。これを切ってみせるのですが、あ~ら不思議、元通りつながっています、なんていう、よくある手品でした。最後に「切っても切れない仲」なんて言って、アベックをおだてていましたが、お粥一杯のおじさんのところには来てくれませんでした。
見たことありますよ。
確か夏ごろのランチ時のことでした。
オーダーミスで注文された品をなかなか
出せなくて、待ち時間が長くなってしまった
客向けにトランプマジックを披露していました。
まだ修行中だったようで、思ったような
結果にならずに失敗していたようですが。
それでも待ち時間が長くてイライラし始めて
いた客をなごませる効果はあったようです。
最近の黒服はいろんなことをやるんだなあ、と
感心して近所のテーブルから見てました。
待ち時間が長くてイライラしている時にはいいかもしれませんね。でも失敗したりすると逆効果だったりして。
そういえば、この揚州茶楼の副支配人だったか、黒服の方が、最近は天香楼にいるのを見ました。
こういう転職があるんですねえ。