
名古屋に住む友人が、こんな本を送ってくれた。 『なごや弁』 副題は≪乙女心も ときめく なごや言葉≫ 著者の佐藤正明氏は昭和24年に名古屋で生まれ育った団塊の世代だが、原稿を書きながら知らない名古屋弁が多いことに気づかされたという。 それらは、もう一つ上の世代が使っていた方言で、今や死語に近いらしい。 佐藤氏が本書で取り上げた名古屋弁の90%は、ご本人も口にしないと仰っている。 昭和20~30年代に名古屋で幼少期を過ごした人が、なぜ昔の名古屋弁を喋らなくなったのか。 著者は〔はじめに〕のなかで、その理由はテレビの普及だと言っている。 団塊の世代が思春期に差し掛かった昭和30年代、彼はテレビから流れる標準語を浴びるように聴いていた。 憧れの東京人はこんな言葉づかいなんだ、そう思うと「みゃ~みゃ~」言う名古屋弁がいかにも田舎臭く恥ずかしいものに見えてきたのだった。 テレビで育った団塊の世代は、なんとなく標準語を覚えていったという。 それでも青年期には「行こみゃあ」こそ使わなかったが、標準語におもねるのも癪だったので「行こまい」を使っていたそうだ。 しかし今ではそれすら死語になってしまい、「行く?」なんて使い方に。 この本は、そんな佐藤氏が消えゆく名古屋弁を面白おかしく解説してくれている。 以下その一例。 あかすか=いけない チャゲ&飛鳥の事件を皮肉りながら、「チャゲ アンド あかすか」 あふらかす=溢れさせる 居酒屋で酒を呑んでいる二人の男性。一方が他方にお酌をすると「おいおい、あふらかすなよ」と。 それを聞いていた店の主人が、「うちの煮物は豚の油かすを使っているから旨いでよ」とつぶやいている。 あらけない=乱暴な 蕎麦屋で食事をしている若い男女の学生。乱暴な食べ方をしている女学生に向かって、「食べ方、あらけないな」と男子学生。 隣のテーブルでそれを聞いていた禿げオヤジ、「毛 あるわ!」 本書は名古屋弁を漫画で解説しているだけでなく、他に楽しい読み物もある。 ≪にゃあみゃあお悩み相談室≫ あんかけスパ、赤三台、豪華なモーニングサービスなど、名古屋文化を揶揄しながらも自慢しているようなコーナー。 赤三台って何だろうと思ったら、交差点で赤信号になっても3台は突っ込んでくるという話。 ≪名古屋弁と丹後弁≫ 両方言は似ているそうだ。「たかい」が「たきゃあ」とか、「おまえ」が「おみゃあ」になるなど、母音が拗音化するところが同じだという。 さらに「どえりゃあ」「あんばよう」など共通の言い回しもあるとか。200kmも離れた地方で、なぜ似た方言になっているのかは謎だそうだ。 ≪名古屋弁の勘考≫ これは名古屋弁についてまじめに考察するコーナー。 その大きな特徴は「みゃあ」「ちょう」などの拗音だという。そして、もう一つは共通語にカ行の音をつけ足したり置き換えること。 たとえば「ちょっと」を名古屋弁では「ちょこっと」と言ったりする。同様に「つねる」は「つねくる」。 ほかに「だまっている」→「だましかっとる」や、「食べまくる」→「食べからかす」などがあるそうだ。 さらに、冗長な言い回しも特徴だとか。例えば… 行けばいいよ→行きゃあええがね 行きたいよ→行きたいがや どうぞ家へお出でくださいませ→どうぞ家へお出でやーしてちょーでやあーすばせ この本、横浜の書店にはないようなので、読んでみたいと思う方はネット販売で入手するか、あるいは名古屋へ行った際に本屋さんで購入するしかないみたいだ。 ところで、「よこはま弁」、略して「ハマ弁」というのもあるそうだ。 ![]() こちらは読むのではなく、食べるんじゃん。 ![]() |
行くと、「きゃあ」とか「みゃあ」とか言ってましたね、みんな。
宮津市はそんなふうに喋らなかったから、ずいぶんな
田舎言葉に聞こえました。
当時は名古屋弁の存在なんか知らないし……。
どうしてあの地域だけそうなのでしょうね。
以前ホンマさんの掲示板で話題にしたことがあるのですが、私は若い頃”くわんくわん”という言葉は横浜言葉だと思っていました。
どうも違ったようです。
一休頓知話が語源らしく、横浜への人の流れ込みを知るのに面白い言葉だと感じています。
酔華さん”くわんくわん”知っていますか?(笑
義父母=1930年代初頭生まれ、だったんですが、
義父は中心部の裕福な家の出、大卒。エリート。地元中堅企業役員だったらしいが、ワタシが配偶者と結婚したころはすでに病気で、あまり話したことがないので、あまり記憶がないが、「~へん」と語尾につけることがあったが、基本、名古屋弁を使ってなかった。
義母=この人の名古屋弁史が観察してて複雑だと薄ウス感じたものでした。
両親は北関東出身。どうやら震災後東京から名古屋に移った。住まいはブルーカラーの多いエリア。周りはド名古屋弁だったようだが、この一家はそれほど使用していなかったが、父親は気質柄地域に馴染んでそこそこ使用していたようだ。学校を出た後美容師。なかなか流行っていた?義父との結婚で中の上や上流の人たちと接するようになり、より、名古屋弁を使わなくなったらしく、やたら「名古屋の人は名古屋弁なんか話さないわよ」と聞いてもいないのに私や私の両親(北陸の人間。田舎者と侮っていたようだ)に言ってきたので、「嫌味な婆だ」とよく思ってました。
この人には弟と妹がおり、弟(トヨタ系の企業に勤めていた)とその奥さん(三河の資産家の子らしい)もあまり名古屋弁を使っている印象はなく、「上品な人」という印象(義母に感じたマンガの「藤子漫画に出てくる「キザオやスネ夫の母」のような「嫌味さ」は特になかった)
一方、ブルーカラーの九州出身の男性と結婚した妹は本人はともかく、その子供たちは相当の名古屋弁スピーカーでした。(その世代相当の)
方言使用に関して、階級意識も相当凄まじかったのだろうなと感じた体験です。
中学2年生の2〜3学期、親の転勤で横浜市に住んでいました。通っていた中学は1クラス47名、1学年に14クラスもあり、それまでいた大阪では40名8クラスだったのでびっくりしました。
アチーブメントテストだけ受けて引っ越しましたが、そのわずか半年間で、語尾に「じゃん」とつける癖がついてしまいました。これを横浜弁と言うのかどうかわかりませんが、その後何十年も経っていまだに「じゃん」が出てしまう、強烈な伝染力だなと思います。
同じ丹後でも宮津は都会なんですね。
だから冬桃さんには訛がほとんどないのかな。
それにしても、名古屋と丹後、どういう関係なのでしょうかね。
食わん食わんなら知っていますが、
「くわんくわん」は知りません・・・
横浜の方言なんでしょうか。
聞いたこともありませんけど。
方言にも階級差があるんですねぇ。
それと性格、性質なども関係しているんでしょうね。
お高くとまってる、人を見下している、そんな人は方言が感じられませんが、
気さくな人や庶民的な人だと、
なんだか方言が強いみたい。
私も横浜に来て初めて「~じゃん」というのを聞きました。
それよりビックリしたのは「~だべ」です。
なんだかとてつもなく田舎だなと感じました。
名古屋名物?のお弁当ネタかと思っちゃったジャン (笑)
>庶民的
そうですね・・・・。名古屋市の市長は「名古屋弁をよく使うこと」を自身のキャラクターにしてますね。それまでの人は良く存じませんが、一般的にはワタシの義父のような背景の人たちから候補者が出ることを考えると、そんなにあからさまに方言でしゃべるような人はいなかったので、傍から見ればあんな胡散臭い人でも好ましく思われたのかも・・・。選挙運動では中日ドラゴンズ応援歌を鳴らしながら、「本人」たすきで自転車、というのが名物だそうです。