インド映画のヒットに負けじとばかり、韓国映画も、『建築学概論』に『私のオオカミ少年』、そして『殺人の告白』がヒット中です。そして、この夏はさらに大型作品が続々と上陸、韓国映画の実力を見せつけてくれることになっています。
その第一弾が、『10人の泥棒たち』。ちょうど宣伝会社から新たなチラシとプレスをいただいたばかりなので、私の大好きなこの映画をどどーん!とご紹介しましょう。下がその「黄金の10人」(←『黄金の七人』)なのですが、私の大好きなおにーさんが3人もいるし、監督のチェ・ドンフンもはぁとマークを飛ばしたいぐらい好きだし、というわけで、映画のストーリーや出来以前に惚れ込んでしまった作品なのでした。昨年暮れに台北で見た時の感想はこちら。
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ではまず、基本データをどうぞ。ついでにチラシをご披露してしまいます。
『10人の泥棒たち』 公式サイト(予告編がすぐに始まります)
韓国/2012/カラー/138分/シネマスコープ/原題:泥棒たち/英語題名:The Thieves
監督・脚本(共同執筆):チェ・ドンフン
出演:キム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、任達華(サイモン・ヤム)、キム・ヘスク、オ・ダルス、キム・スヒョン、李心潔(アンジェリカ・リー)、曾國祥(デレク・ツァン)、シン・ハギュン(特別出演)
提供:Showbox/Mediaplex
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
6月22日(土)より、TOHOシネマズ渋谷ほか全国2週間限定公開(字幕版&吹替版)
全上映回の<全席指定>チケットはすでに発売中(詳しくは公式サイトで)
上のチラシ裏面のように、吹替の声優さんも豪華メンツです。公式サイトの予告編で、声優の皆さんの声を聞くことができます。でも、オススメはやっぱりオリジナル音声。だって前にも書いたように、韓国語、中国語(普通話)、広東語、日本語と、たくさんの言語が乱れ飛ぶんですからね。特に、サイモン・ヤムとキム・ヘスクの日本語を聞かないのはもったいない!
さて、お話はソウルのある美術館というか、美術品コレクション・ルームから始まります。オーナー(シン・ハギュン)の元を訪れたのは、彼の婚約者と称するイェニコール(チョン・ジヒョン)とその母親役のガム(キム・ヘスク)。2人は仲間のポパイ(イ・ジョンジェ)とザンパノ(キム・スヒョン)の助けを借りて、この美術館からとある美術品をまんまと盗み出します。そのテクニック、特にイェニコールのあざやかなロープアクションがこの第1場の見せ所です。
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次いで、ポパイの昔の仲間だったマカオ・パク(キム・ユンソク)が登場。舞台は香港に移り、韓国の4人は、刑務所から出たばかりの美貌の金庫破りペプシ(キム・ヘス)を加えて香港へとやって来ます。韓国5人組は、マカオ・パク、達者な中国語をしゃべるアンドリュー(オ・ダルス)、そして香港側のパートナーたち―リーダーのチェン(サイモン・ヤム)に、ジュリー(アンジェリカ・リー)とジョニー(デレク・ツアン)という3人―と香港仔の海上レストランで対面します。こうして、韓国人7人と中国人3人という「黄金の10人」チームが動き始めたのでした。
この10人のターゲットは、”太陽の涙”と呼ばれている大粒のイエロー・ダイヤモンド。彼らは、ダイヤモンドのオーナーが滞在しているというマカオのカジノに向かい、いよいよ大仕掛けな騙しと盗みのテクニックを満載したダイヤ強奪作戦が始まります。ところが、10人の間では意外な恋が芽生えたり、潜んでいた裏切りが表面に出てきたりして、事態は思わぬ方向に。”太陽の涙”は手に入れたものの、仲間の何人かが脱落することになります。
さらに、”太陽の涙”をめぐる争奪戦はプサンに場所を移し、別グループのワルどももからんできて、よけいに混沌とした展開となっていきます。果たして、最後に笑う者は誰なのか....。
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チェ・ドンフン監督の作品は、『ビッグ・スウィンドル』 (2004)、『タチャ いかさま師』 (2006)、『チョン・ウチ 時空道士』 (2009)のどれを取っても、その頭のよさを生かした脚本にまず脱帽してしまいます。ジェットコースターに乗ったようなストーリー展開に、意表をつく騙しのテクニックや小ネタも満載、加えて登場人物が多いにもかかわらず、どの人物もキャラ立ち度が素晴らしくて個性的。こういう脚本によって綿密な設計図が引かれているというのに、その中で俳優たちを自在に動かし、大きく羽ばたかせる演出力もハンパではありません。
特に今回の『10人の泥棒たち』では、中心キャラクターの半分以上が主役級の俳優。その彼らにこれまで見せたことのない演技を要求し、キム・ユンソクには変装させるは(これが、アミターブ・バッチャンの昔の映画にそっくり! チェ・ドンフン監督もインド映画見てる??)、チョン・ジヒョンには全身黒タイツ姿で宙を飛ばせるは、キム・ヘスクにはベッドシーンを演じさせるは、とやりたい放題。イ・ジョンジェ様もいつもとは違った軽さいっぱいの役柄で、漂う小者感がチャーミング。俳優たちがそれぞれの役を楽しんでいるのが、見ている側にも伝わってくる作品です。
キム・ユンソク、変装だけでなく、こんなこともやらされてます↓。以前より、ちょっと体重減らしたみたいですね(笑)。
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韓国では2012年の興行収入トップとなり、12,982,573人を動員して、2位の『王になった男』を抑えた『10人の泥棒たち』。さらにこの動員数は、これまでナンバーワンだった『王の男』 (2006)の12,302,831人を抜いて、歴代ナンバーワン記録を更新しました。日本では2週間という限定ロードショーとなってしまいましたが、ぜひお見逃しなく! 大スクリーンで見てこそ映える、泥棒たちの活躍ぶりをご堪能下さい。
インド映画を見終えて、ホッとする間もなく、韓国映画が目白押しで、見に行く時間を調整するのに四苦八苦中です。
既に何本も見逃している状態でとても悔しい思いをしておりますが、この「10人の泥棒たち」は待っていた作品なので、チケットを予約しました。上映期間が短い上に、字幕版は六本木のみという、何でそうなの?版元と何らかの取り決めがあるの?と聞きたくなります。
先日、チュ・ジフン君の「俺は王である」と、チョン・ジェヨンの「殺人の告白」を観てきました。韓国映画サスペンス(?)のあのヒタヒタ感が大好きなのですが、「殺人の告白」もそれを満たしてくれて(「殺人の追憶」にはかないませんが)、大変面白く観てきました。これだから韓国映画は止められません。
「10人の泥棒たち」は、確かに少し痩せたキム・ユンソクに注目して、楽しんできます (^_^)v
韓国映画、まだまだ来るんですよ。ハ・ジョンウ2連発のうち、『ベルリン・ファイル』も追ってご紹介しますね。
ハ・ジョンウとチェ・ミンシクが共演した『悪いやつら』(原題:犯罪との戦争-悪い奴らの全盛時代)も8月末から公開されます。チェ・ミンシク、イ・ジョンジェ、ファン・ジョンミンの『新世界』も来ないかな~。
男の貫禄ではインド映画、韓国映画にだいぶ負けてるな~、と思ってしまいます....。