珍しく、パキスタン映画が一般公開されることになりました。これまでに他国との国際共同製作作品が公開されたことはあるのですが、パキスタン人監督による長編劇映画の公開は初めてかも知れません。試写のご案内が届いたので、まずは第一報を。
『娘よ』
2014年/パキスタン・アメリカ・ノルウェー/ウルドゥ語/116分/原題:Dukhtar/英題:Daughter
監督:アフィア・ナサニエル
主演:サミア・ムムターズ、サレア・アーレフ、モヒブ・ミルザ
配給:パンドラ
宣伝:スリーピン(原田)
※3月25日(土)より岩波ホールにて公開
上の試写状の解説によると、「遥かカラコルム山脈の麓、闘いと融和を繰り返しているパキスタンの山岳部族。部族間のトラブルを収めるため、相手の老部族長の花嫁に指定されたのは10歳になる娘。かつて同じように若くして嫁がされた母親のアッララキは、部族の掟を破り、幼い娘を連れて必死の逃亡を図るが...」というストーリーのようです。女性監督アフィア・ナサニエルが12月初めに来日し、インタビューを受けるとか。それまでに試写を見ておいて、ぜひインタビューしてみたいものです。YouTubeにアップされていた予告編を付けておきます。
Dukhtar - Daughter Theatrical Trailer (2014) - Afia Nathaniel HD
後日試写を拝見してから詳しいご紹介をしますので、しばらくお待ち下さい。
なおインド映画界では、先のカシミールで起こったインド人兵士殺害事件をめぐり、俳優を含むパキスタン映画人のボイコットが起きています。『カプール家の家族写真』(2016)のファワード・カーン(ハーン)や、『お前なしでは、ビン・ラディン(Tere Bin Radhin)』(2010)のアリー・ザファルら活躍中の人も多いだけに、波紋が広がっています。映画と政治は別物だとは言え、嫌パキスタン感情は根強く、こういう風に事件が起きるとそれが一挙に噴出してしまいます。ファワード・カーンは今、キャリアが花開きつつあっただけに、気の毒です...。