小田急や東武以外にも関東の大手私鉄が鉄道事業設備投資計画をリリースしたので、気になったところをチョイスしてみる。
★東急
他の大手私鉄が300億前後の投資に対し、619億と倍以上の投資を行なう。
一番目立った動きとしては、他路線より早くホームドアの整備が完了する。2014年度から東横線、田園都市線、大井町線で進めてきたホームドア整備だが、来年度3月までに19駅に設置することになる。目黒線は2002年度までホームドアが既に整備され、池上線は1998年まで、多摩川線は2000年までセンサー付固定式ホーム柵が整備されているので、鉄道線全駅にホーム柵、ホームドアが整備されたということになる。
車両面では田園都市線2020系を6編成と、目黒線用3020系3編成を投入する。2020系は現行の9編成から15編成に増えるので、8500系は23編成を17編成に減らすと思われる。つまり年度末には8500系の編成数は、2020系の編成数が変わらくなり、5000系の18編成も下回ることになる。このペースでいけば8500系は3年で姿を消す計算になるが、3020系も製造しなければならないので、時期は遅くなるだろう。
3020系は今年の秋を目途に導入、とりあえずは6両編成での運用となるが、2022年度上期から既存編成とともに8両編成化を行ない、2022年度下期に予定している東急新横浜線開業に備える。3編成は純増になるようだけど、次回改正で目黒線の急行でも増発するのだろうか。
Qシート連結列車増発については今回のリリースでは触れてない。先月、大井町線6000系のQシート車両が総合車両製作所から出場したのだけどね。
★京王
笹塚~仙川間の連続立体交差事業では、用地取得と基礎杭工事を行なう。高架になるまで先は遠そうだ。
飛田給駅では、ホームドアや防犯カメラを設置するなどの改修工事を行なう。駅最寄の東京スタジアムでは、来年のオリンピックでサッカーなどを開催して、多くの利用客が見込めるからだ。オリンピック観戦や高尾山で外国人の利用者も増えるので、駅の案内ディスプレイや社内自動放送の英語対応も進める。
車両面では5000系を1編成増備するほか、8000系3編成、1000系1編成のバリアフリー対応工事、8000系3編成、1000系1編成のインバータ制御装置の更新を行なう。1992年製の8000系のインバータは古くなっているからな。リリースによると5000系の増備は『京王ライナー』のさらなる拡大を目指すとのこと。運転時間帯の拡大だったら、現行の編成数で間に合うけど、現行の運転時間帯内に増発するのだろうか。まさか、都営新宿線の大島辺りから運転するとか。
★西武
車両面では、001系5編成と40000系2編成を増備する。001系5編成は、既に営業運転に就いている2編成に追加投入、7編成とすることで、池袋線、秩父線の10000系を置き換え切る。40000系2編成は、既に営業運転に入っている6編成がデュアルシートになっているのに対し、ロングシートでの投入となる。ロングシートにすることで定員を増やすのだろう。編成定員が、30000系が1506人(座席546人)になっているのに対し、40000系デュアルシートのロングシート運用時は1298人(座席数440人)だからな。既存車を置き換えてのラッシュ時の運用はできないのだろう。
ホームドアは、2021年春までに練馬、西武新宿、高田馬場、所沢、国分寺と主要駅の整備、それ以降は西武池袋線の高架駅などの整備を検討する。駅リニューアルについては、ひばりケ丘駅、所沢駅、多摩駅を進める。連続立体交差事業は東村山の高架化と中井~野方間の地下化を進め、井荻~西武柳沢間、野方~井荻間の早期事業化を進める。これらが完成すれば、新井薬師前の手前から西武柳沢の手前まで立体化されることになる。今年2月に行われた井荻~西武柳沢の連続立体化の説明会によると、地下にすると西武柳沢側で地上に出るところにあるアンダーパスがネックになるので、高架方式で立体化するとのこと。事業期間は15年だから、2040年くらいまでかかるのだろう。中井、下落合の辺りは山手通り、大江戸線、首都高が交差するだけでなく妙正寺川も流れているから施工できないのだろう。複々線化の話も消えたから、立体化を急いでほしいところだ。
★京急
車両面では、1000形14両を新造して、8両を更新するとのこと。1000形の新造車両数14両は、800形の残り車両数6両を上回るから、1500形のうち1985年製の鋼製車界磁チョッパ車8両を置き換えることになりそうだ。
ホームドアについては、京急蒲田、京急川崎、横浜、上大岡に設置、花月園前改め花月総持寺の駅舎を改築する。2020年3月には「産業道路駅」→「大師橋駅」「花月園前駅」→「花月総持寺駅」「仲木戸駅」→「京急東神奈川駅」「新逗子駅」→「逗子・葉山駅」と駅名改称があるが、改称費用については少額のためか投資計画に計上されてない。
★相鉄
11/30に予定されている相鉄・JR直通線用車両『12000系』5編成50両を導入、4月から営業運転を開始している車両を含めて6編成体制とさせる。導入する編成は6編成だが、JRに直通する編成はそのうち4編成だ。JR側の乗り入れ対応編成数もあるけど、乗入れ列車は狙わないと使えないくらい少なくなる予感がする。
9000系は残り編成もリニューアルされ、2007年から見られたグループカラーの9000系は見納めとなる。
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