北海道旅行2日目、今日は根室本線の駅巡りをする予定だったが、昼過ぎまで計画運休になってしまった。雨が大して降っておらず、肩すかし感があったが、出先で長時間の足止めを食らうことを考えると、ホテルで遅くまで寝ていられるのは、不幸中の幸いだ。
ただホテルのチェックアウトは10時なので、昼過ぎまでいることはできない。そこで1987年に廃止となった広尾線の愛国駅と幸福駅に行くことにした。
帯広バスターミナルで『愛の国から幸福へ』バスパックを購入、十勝バス帯広市内乗り放題の1日乗車券に、観光周遊記念『とかち』きっぷを付けたものだ。9時35分発の十勝バス60系統広尾行に乗車、長崎屋やイトーヨーカドーに寄りながら南下する。35分で愛国バス停に到着、そこから5分ほど歩いて愛国駅へ向かう。愛国駅はコンクリート製の駅舎とホームが残されている。駅舎は資料館になっており、昔使われていた道具や備品、制服、北海道の鉄道の歴史をパネル展示している。広尾へ向かって右片面のホームには19671型蒸気機関車を静態保存、室蘭本線などで活躍し、昭和50年に引退、市内の公園から移設したものだ。駅周辺は公園が整備され、遊具が置かれている。
1時間45分ほど滞在して11時55分のバスに乗車、幸福駅へ向かう。大正9号から大正27号まで謎のカウントバス停が続き、16分で幸福バス停に到着する。幸福駅もバス停から離れており、10分近く歩くことになる。バスから降りた客はいなかったが、駐車場はほぼ満杯だった。幸福駅は右側片面、小さな木造駅舎の中はメッセージカードで埋めつくされている。この駅舎は廃止当時のものではなく、2013年に建て替えられたものだ。この駅も、ホームと線路が残され、廃止当時に活躍していただろうキハ22がモーター車とともに静態保存してあった。愛国に比べると観光色が強く、入場券などグッズを売るお土産物屋が数軒並んでいた。無料の高速のインターが近いせいもあるのだろう。
幸福発12時45分のバスに乗って、帯広駅に戻ってきたのは13時40分、4680円も課金して運転再開の一番列車である14時18分発のおおぞら5号に乗り込んだ。
白糠には15時32分に到着した。白糠は海側が駅舎と片面ホームの2面3線の有人駅、両ホームは駅舎帯広寄りの上屋付跨線橋で結ばれている。1番線が帯広方面、2番線が釧路方面列車が発着し、3番線は折り返し列車、貨物の待避の他に朝一番の新得行が発着する。駅前広場は舗装されているだけで、周りに駐車場がある状況、駅出て右側にはバスターミナル、駅舎とバスターミナルの間には山側へ抜ける歩道橋がある。周辺は古くからの商店街だが開いている店は少ない。白糠からは、16時16分の普通芽室行に乗車、時間が時間なので、今日は18きっぷを使わないことにした。
白糠から一駅戻って、音別で下車する。一駅といっても、14分かかるし、運賃も440円だ。音別は一線スルーの山側に駅舎のある相対式、両ホームは駅舎の前の構内踏切を挟んで交互配置になっている。駅舎側1番線は帯広寄り、2番線は釧路寄りとなる。貨物扱いをしていた名残で構内は広く、駅舎と逆側には側線が数本ある。駅舎は大きく、みどりの窓口もあったが、去年の改正時に無人化され、窓口も塞がれた。駅前広場は舗装されただけ、わずかながら釧路行バスが乗り入れる。その先は国道が横切り、セイコマも近い。
西庶路と庶路は入れ替えて巡った。
西庶路は島式、海側の駅舎とはほぼ帯広寄りの跨線橋で結ばれている。駅舎は赤い屋根の台形を組み合わせたような構造になっている。駅前広場は舗装されているだけだ。
庶路川を渡って、すぐに庶路に着く。庶路は海側片面、以前は相対式だったが下り線が撤去された。両ホームを結ぶ帯広寄りの跨線橋は、柵で仕切られる形で駅構内の外になった。駅舎は1984年に建て替えられた茶色い壁のもの、円形の階段が特徴的だ。駅前は、小さなロータリーになっており、国道からアクセスしやすい。
大楽毛は島式、山側の駅舎とは帯広寄りの跨線橋で結ばれている。1989年に建てかえられた駅舎は3件並んだ洋館風、馬検査場をイメージしている。真ん中が駅待合室、向かって右が釧路市大楽毛支所、左がつばめ食堂という焼き肉屋になっている。駅前広場は舗装されているだけだが、比較的広くなっている。