Pastorale

サヴァトラ猫との今日いちにち

マリア・シャプドレーヌ

2019年09月24日 | 読書、詩など

またまた本のお話。

古い本なので、また改訂版が出ていないかな・・・と検索すると、

読書ブログ書いている人も多いですね。

私は本についても音楽にしても、あんまり深く書きたくはないかな。

誰かに見てもらうつもりはないし、ちょっとした感想など書き留めて、

時々思い出せたらいいかな・・・という程度。

 

昔から読書は好きだったけれど、今は息子たちの世話から解放され、

職場の方も上司が変わって、心も体も余裕ができて、

じっくりと本の世界に没入できる。

本棚の奥深くから発掘した古い本を読んでいます。

マリア・シャプドレーヌ、ルイ・エモン作「白き処女地」のヒロイン。

フランスでは彼女の名前を知らない人はいないらしい・・・

日本でいうところの「おしん」みたいなものかしら。

まぁ、昭和29年に出版されたこの本の訳者あとがきに書いてあったので、

今の時代の人は知らないか、マリア・シャプドレーヌもおしんも。

 

この本は実はマンガで読んだのです、大昔・・・1977年。

文月今日子さんの作品です。

竹宮惠子さんと同じくらい好きだったマンガ家です。

とても感動したので原作を、とずっと探していたのですが、

アナログで探していてもなかなか見つからず、

やっとネットで見つけて買って、それから数年経ちました。

やはり旧漢字が私の前に立ちはだかったから・・・

でも新しいものは出ないようなので、がんばってみました。

もう一度マンガを読んで(こちらも前に出た傑作集で保存)、

その感動を胸に突き進みました。

 

いあやぁ・・・勉強になりました。

戀人、變人、野蠻人、この違い画面でわかるかしら・・・

こんなのは序の口、黙は默、実は實などなど、経験値で読むありさま。

「舊い」って見たこともない漢字、これには苦労しました。

学生時代の漢字辞典は捨ててしまったし。

でも今は便利ですね、携帯に「くさかんむりに化」と入力すれば「花」

まぁ、そんな簡単なものではないけれど。

漢字をバラバラにして、「草冠に隹に臼」これで「旧い」、

「旧い」の旧字体なんて駄洒落みたいなお話し・・・

 

さて本題、「白き処女地」は1900年代の初めに書かれた、

フランスから移住してきたカナダの開墾者の子孫のお話し。

ちょうど今の朝ドラの「なつぞら」を彷彿とさせるような・・・

「なつぞら」のおじいちゃんは開拓した土地に根を下して生活していますが、

シャプドレーヌ家のお父さんは、森を拓いて畑ができると、

更に深い森の奥の未開の土地にひきつけられてしまうのです。

わかるような、わからないような・・・

フロンティアスピリッツというやつですか・・・?

その娘、マリア・シャプドレーヌ、

彼女が結婚を約束したフランソワは森で命を落としてしまう。

その後、アメリカで暮らすロランゾや、近所に住むユトロプに求婚され・・・

 

1977年、12歳だった私はマンガで読んで、

「私ならフランソワを想って一生独身を通すわ

なんて乙女なことを思ったものです。

自分自身が結婚して母親となった後は、マリアの選択に共感したものです。

子どものころ「クォ・ヴァディス」を読んだ時は、

お金持ちの貴族の青年に言い寄られたリギアが何故拒むのかわからなかった。

20代になって原作で読んで、宗教観の違いが理解できた。

やはり面白いものですね、自分の成長が見れるというのは。

 

ルイ・エモン作「白き処女地」、

原作では物語のそこかしこに厳しいカナダの自然や開拓者の生活が描かれています。

文月今日子さんのマンガではフランソワ・パラディさん、とってもステキなんです

物語も解りやすく感動的に描かれています。

映画にもなっているそうなので、観てみたい気がしますが、

映画の方もずいぶん旧い時代のものです。