昔はプロ野球に匹敵するほどの人気があったといわれる、東京六大学野球。
しかし、東京六大学野球も、ここ最近は人気が低迷してる様です。
ですが、昨年の夏の全国高校野球選手権大会で出現した、『ハンカチ王子』こと斎藤祐樹投手が、早稲田大学に入学することになり、東京六大学の人気回復の救世主となりうるかもしれません。
ところで、東京六大学野球と切っても切れない関係にあるのが、各大学の応援団です。
高校3年間、応援団に捧げた青春を過ごした小生にとっても、東京六大学応援団は、メジャーな存在です。
小生が現役の時には、母校から、東京六大学応援団の幹部になられた先輩方がいらっしゃった関係で、そのコネクションを大いに活かして、ある年には早稲田大学の、またある年には慶應義塾大学の学生席から、早慶戦(慶早戦)を観戦し、練習の一環として、リーダーテクニックや応援の進め方の勉強をさせて頂きました。
ですが、その東京六大学の各校の応援団も、ここ近年は、リーダー部の部員数の減少化という、かなり深刻な問題に直面しています。
特に07年度の東京大学体育会応援部は、最上級生が現在の1年生(新2年生)4名となってしまう…という程です。
これは、何も東京六大学に限った事ではなく、小生の出身地である埼玉県内の各高校の応援団にも当てはまる問題です。
ひょっとしたら、全国的に問題になっているのかもしれません。
東京六大学応援団は、毎年6月に開催される、連盟主催の演技披露会の『六旗の下に』が、未だに大盛況である点から、根強い「東京六大学応援団のファン」がたくさんいることは明らかです。小生も、その一人ですし…。
小生の出身の埼玉県も、東京六大学応援団に倣って、旧制中学からの歴史を汲む六校で、『埼玉県六校応援団連盟』という学生組織を立ち上げており、各校の演技の切磋琢磨と親睦を深める目的で、やはり『六旗の下に』に倣って、演技披露会『日輪の下に』を、毎年2月に開催しています。
(今年は、11日に開催され、残念ながら既に終了しています。もっと早くこの記事を立ち上げれば良かった…と、若干後悔しています。申し訳ありません。)
ここ近年では、東京六大学応援団員の方々が、観覧に訪れる程にまでなったそうです。
その他の都道府県の高校応援団の事情は、これから小生なりに調査して解き明かそうと考えていますが、高校生がこうした組織を立ち上げ、演技披露会を開催すること自体が全国的にも稀であり、埼玉県は、その意味では先進していると考えています。
小生が現役の頃は、地元でPRしても、なかなか集客が望めなかったことを考えれば、メジャーな存在である東京六大学応援団にまで、この組織が認知されているということは、大変立派なことです。
以上のように、「応援団ファン」は多いのに、応援団のリーダー部に入部する学生は一向に増えない(むしろ減少する一方)という、矛盾みたいなものが生じています。
さて、読者の皆さんは、『応援団』というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
多分、「上下関係が厳しい」「封建的」…あるいは、「汚い」「きつい」「危険(何が)」の、いわゆる“3K”といった、どちらかといえば悪いイメージを持っていらっしゃる方が多いのかもしれません。
確かに入部したとしても、他の運動部のように競技会があるわけでもないし、ポジションは常に「サポーター」であり、「縁の下の力持ち」ですから、表彰されることもありません。
なので、「達成感」とか「努力に対する報酬」が期待できない…という見方もあると思います。
こうした見方が、応援団リーダー部への入部に、二の足を踏む結果を招いているのかも知れない…と、小生は推測しています。
小生自身の高校3年間を振り返っても…確かに練習は辛かったぁ~。
上下関係が厳しかったことも確かです。
ですが、小生が実際3年間続けて、少し大人になって振り返ってみても、後悔している面は、全くと言って良いほどありません。
応援団を続けた事で、良き先輩方や、同期、後輩達に恵まれました。
いざというときの、こうした人達と築き上げる団結力は、凄いものがあります。
どうにもならなそうなことが、「どうにかなるかもしれない」と思わせる力が、そこには生まれるのですから…。
ですから、その苦しさや厳しさから学んだ事の大きさの方が、断然勝っています。
例えば、挨拶。
社会人となれば、コミュニケーションの第一歩であり、基本でもあります。
先輩を見かけたら、真っ先に大声で挨拶…。
自分が先輩より高い位置にいたら、真っ先に階段を駆け下りて挨拶…。
これを身体で覚えることができたことは、財産です。
会社内で先輩方とすれ違う度に、無条件反射的に、挨拶できるのですから。
そして、声。
自然と腹式呼吸的にお腹から声が出せるので、普通に話をしていても、どうしても大きい様です。
社会人になって10年も経ちますが、会社で一緒に仕事をする諸先輩方から相変わらずいわれるのが、
「電話の声が、こっちの耳が痛くなるほどでかいなぁ~」
「いつも、元気そうだね」
といった、どちらかと言えばポジティブな事です。
ボソボソと話すよりは、声大きくハキハキしている方が、相手に与える印象は、自然と良くなりますよね。
(小生の場合、少しボリュームを落とす必要がある様ですが…。)
ですから、目立つつもりでなくても、会社の中でどうしても目立つ存在のようです。
後輩からも、「存在感は絶大ですよ」といわれたことがありますし…。
そして、良い事かどうかは分からないのですが、理不尽な事を言われても、自分を抑える事のできる忍耐力なども、身についた気がします。
応援団は、こういったメリットより、表面の良くないイメージばかりが一人歩きして、それが目立ってしまっているため、誤解を生んでいるケースがあるのでは…と感じています。
ですが、「母校愛」という言葉に一番近いところで青春時代を過ごせるのは…実は応援団だけのような気がします。
しかも、どんな部員も、入部してしまえば全員「レギュラー」で、補欠扱いされることは、決してありませんので、自分自身に「責任感」みたいなものが、自然と芽生える原動力にもなります。
そこをご理解いただければ、少しは変わるのかなとも思うのですが…。
『時代の変遷』…その一言で片付けて、衰退させるような存在では、決してないと、小生は信じて疑っていません。
また、『時代の変遷』だけが、部員数の減少化をもたらした…とも思えません。
楽して充実感を味わえる場所では決してないけれど、苦しみに耐えて続けた先には、素晴しいことばかりが待っていることは、3年間続けた小生が、保障します。
長くなりましたが、最後に、「これこそ、応援団の醍醐味」というエピソードを紹介して、本稿を終わります。
約15年ほど前のTBS系列の30分番組『すばらしき仲間Ⅱ』で、東京大学体育会応援部が取材されたのですが、スタッフの「応援部に入部しようと思った動機を教えてください」の問いに対し、ある下級生部員がこう答えていました。
「東京六大学野球の応援がありますから…東大に入ったら、最初から“やろう”って、思っていました」…
この当時、東京大学は、通算200勝を目前にしながら、70連敗中だったことを考えれば、素晴しい根性の持ち主のお方だな…と、敬服しています。
これが、醍醐味なのです。
1月20日に小生自身が『早稲田と慶應の人気』という記事で語った内容と矛盾しているのかもしれませんが、斎藤投手の早稲田大学入学により、応援団も同時に注目され、各大学の応援団にも入部者が増えることを、願っています。
特に、早稲田大学を志望し、受験勉強中の高校生の皆さんの中に…
「斎藤投手が入学しましたから…彼をずっと応援したくて、早稲田に入学したら応援部に入部しようと、最初から決めてました」
という学生がでたら、万歳ですね。
斎藤投手は、応援団にとっても救世主となりうるのか…注目したいと思っています。
しかし、東京六大学野球も、ここ最近は人気が低迷してる様です。
ですが、昨年の夏の全国高校野球選手権大会で出現した、『ハンカチ王子』こと斎藤祐樹投手が、早稲田大学に入学することになり、東京六大学の人気回復の救世主となりうるかもしれません。
ところで、東京六大学野球と切っても切れない関係にあるのが、各大学の応援団です。
高校3年間、応援団に捧げた青春を過ごした小生にとっても、東京六大学応援団は、メジャーな存在です。
小生が現役の時には、母校から、東京六大学応援団の幹部になられた先輩方がいらっしゃった関係で、そのコネクションを大いに活かして、ある年には早稲田大学の、またある年には慶應義塾大学の学生席から、早慶戦(慶早戦)を観戦し、練習の一環として、リーダーテクニックや応援の進め方の勉強をさせて頂きました。
ですが、その東京六大学の各校の応援団も、ここ近年は、リーダー部の部員数の減少化という、かなり深刻な問題に直面しています。
特に07年度の東京大学体育会応援部は、最上級生が現在の1年生(新2年生)4名となってしまう…という程です。
これは、何も東京六大学に限った事ではなく、小生の出身地である埼玉県内の各高校の応援団にも当てはまる問題です。
ひょっとしたら、全国的に問題になっているのかもしれません。
東京六大学応援団は、毎年6月に開催される、連盟主催の演技披露会の『六旗の下に』が、未だに大盛況である点から、根強い「東京六大学応援団のファン」がたくさんいることは明らかです。小生も、その一人ですし…。
小生の出身の埼玉県も、東京六大学応援団に倣って、旧制中学からの歴史を汲む六校で、『埼玉県六校応援団連盟』という学生組織を立ち上げており、各校の演技の切磋琢磨と親睦を深める目的で、やはり『六旗の下に』に倣って、演技披露会『日輪の下に』を、毎年2月に開催しています。
(今年は、11日に開催され、残念ながら既に終了しています。もっと早くこの記事を立ち上げれば良かった…と、若干後悔しています。申し訳ありません。)
ここ近年では、東京六大学応援団員の方々が、観覧に訪れる程にまでなったそうです。
その他の都道府県の高校応援団の事情は、これから小生なりに調査して解き明かそうと考えていますが、高校生がこうした組織を立ち上げ、演技披露会を開催すること自体が全国的にも稀であり、埼玉県は、その意味では先進していると考えています。
小生が現役の頃は、地元でPRしても、なかなか集客が望めなかったことを考えれば、メジャーな存在である東京六大学応援団にまで、この組織が認知されているということは、大変立派なことです。
以上のように、「応援団ファン」は多いのに、応援団のリーダー部に入部する学生は一向に増えない(むしろ減少する一方)という、矛盾みたいなものが生じています。
さて、読者の皆さんは、『応援団』というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
多分、「上下関係が厳しい」「封建的」…あるいは、「汚い」「きつい」「危険(何が)」の、いわゆる“3K”といった、どちらかといえば悪いイメージを持っていらっしゃる方が多いのかもしれません。
確かに入部したとしても、他の運動部のように競技会があるわけでもないし、ポジションは常に「サポーター」であり、「縁の下の力持ち」ですから、表彰されることもありません。
なので、「達成感」とか「努力に対する報酬」が期待できない…という見方もあると思います。
こうした見方が、応援団リーダー部への入部に、二の足を踏む結果を招いているのかも知れない…と、小生は推測しています。
小生自身の高校3年間を振り返っても…確かに練習は辛かったぁ~。
上下関係が厳しかったことも確かです。
ですが、小生が実際3年間続けて、少し大人になって振り返ってみても、後悔している面は、全くと言って良いほどありません。
応援団を続けた事で、良き先輩方や、同期、後輩達に恵まれました。
いざというときの、こうした人達と築き上げる団結力は、凄いものがあります。
どうにもならなそうなことが、「どうにかなるかもしれない」と思わせる力が、そこには生まれるのですから…。
ですから、その苦しさや厳しさから学んだ事の大きさの方が、断然勝っています。
例えば、挨拶。
社会人となれば、コミュニケーションの第一歩であり、基本でもあります。
先輩を見かけたら、真っ先に大声で挨拶…。
自分が先輩より高い位置にいたら、真っ先に階段を駆け下りて挨拶…。
これを身体で覚えることができたことは、財産です。
会社内で先輩方とすれ違う度に、無条件反射的に、挨拶できるのですから。
そして、声。
自然と腹式呼吸的にお腹から声が出せるので、普通に話をしていても、どうしても大きい様です。
社会人になって10年も経ちますが、会社で一緒に仕事をする諸先輩方から相変わらずいわれるのが、
「電話の声が、こっちの耳が痛くなるほどでかいなぁ~」
「いつも、元気そうだね」
といった、どちらかと言えばポジティブな事です。
ボソボソと話すよりは、声大きくハキハキしている方が、相手に与える印象は、自然と良くなりますよね。
(小生の場合、少しボリュームを落とす必要がある様ですが…。)
ですから、目立つつもりでなくても、会社の中でどうしても目立つ存在のようです。
後輩からも、「存在感は絶大ですよ」といわれたことがありますし…。
そして、良い事かどうかは分からないのですが、理不尽な事を言われても、自分を抑える事のできる忍耐力なども、身についた気がします。
応援団は、こういったメリットより、表面の良くないイメージばかりが一人歩きして、それが目立ってしまっているため、誤解を生んでいるケースがあるのでは…と感じています。
ですが、「母校愛」という言葉に一番近いところで青春時代を過ごせるのは…実は応援団だけのような気がします。
しかも、どんな部員も、入部してしまえば全員「レギュラー」で、補欠扱いされることは、決してありませんので、自分自身に「責任感」みたいなものが、自然と芽生える原動力にもなります。
そこをご理解いただければ、少しは変わるのかなとも思うのですが…。
『時代の変遷』…その一言で片付けて、衰退させるような存在では、決してないと、小生は信じて疑っていません。
また、『時代の変遷』だけが、部員数の減少化をもたらした…とも思えません。
楽して充実感を味わえる場所では決してないけれど、苦しみに耐えて続けた先には、素晴しいことばかりが待っていることは、3年間続けた小生が、保障します。
長くなりましたが、最後に、「これこそ、応援団の醍醐味」というエピソードを紹介して、本稿を終わります。
約15年ほど前のTBS系列の30分番組『すばらしき仲間Ⅱ』で、東京大学体育会応援部が取材されたのですが、スタッフの「応援部に入部しようと思った動機を教えてください」の問いに対し、ある下級生部員がこう答えていました。
「東京六大学野球の応援がありますから…東大に入ったら、最初から“やろう”って、思っていました」…
この当時、東京大学は、通算200勝を目前にしながら、70連敗中だったことを考えれば、素晴しい根性の持ち主のお方だな…と、敬服しています。
これが、醍醐味なのです。
1月20日に小生自身が『早稲田と慶應の人気』という記事で語った内容と矛盾しているのかもしれませんが、斎藤投手の早稲田大学入学により、応援団も同時に注目され、各大学の応援団にも入部者が増えることを、願っています。
特に、早稲田大学を志望し、受験勉強中の高校生の皆さんの中に…
「斎藤投手が入学しましたから…彼をずっと応援したくて、早稲田に入学したら応援部に入部しようと、最初から決めてました」
という学生がでたら、万歳ですね。
斎藤投手は、応援団にとっても救世主となりうるのか…注目したいと思っています。