◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

村上ファンドは「善なる敵対的買収者」なのか?

2006-05-02 | 事業再生・M&A

本日の阪神・巨人戦4回戦、
伝統の一戦の名に恥じない大熱戦でしたね。
9回裏・代打・関本選手のサヨナラ本塁打は風が後押ししたようでしたが、
セ・リーグの火を消さなかった意味でも、今日は阪神が勝って良かったと思います。


で、タイガースの親会社・阪神電鉄。
「神風」を待っているのは、むしろこの親会社の方でしょう。

本日、村上ファンド側が株主提案の内容を発表しました。大方予想通りの内容。
http://www.maconsulting.co.jp/PDF/060502_PR(J).pdf
社外取締役中心に取締役9名の選任を提案。

浅学非才の門外漢である私から見る限り、一方で進められている株式売却交渉を
優位に進めるための「一種の嫌がらせ」としか思えません。

つまり、本音はこういうことではないでしょうか?
「俺たち(村上ファンド)が取締役になって経営権を支配しちゃっていいの?
 嫌だったら早く“適正な価格”で買い取ってよ~」


しかしながら、村上ファンドを一方的にヒール(悪役)と決め付けるのもどうか?
と思い始めております。

といいますのも、阪急HDのアドバイザーをされているGCA・佐山展生氏がこんな
寄稿をされていました。

日経ネット BIZ+PLUS 「M&A新時代のランダムトーク 第1回」
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/sayama.cfm?i=2006032806429ch&p=2

「会社に効率化を迫りながら結局現金を配当という形で吸い上げるのではなく、
 敵対的買収の手段を通じてでも実際に経営権を取得し企業価値を上げる投資家
 が出現すれば、その会社の従業員、取引先もそれらを歓迎するということだ。
 このような「善なる敵対的買収」が出てくれば、日本経済はさらに活性化するで
 あろう。」

経営権を取得→企業価値が上がる→従業員・取引先が歓迎する。
文章で書くと大変短いですが、経営権を取得後、企業価値を上げたかどうかを
検証するには一定の時間が必要です。
そして、企業価値が上がったことが確認できて「善なる敵対的買収」となります。

要は、結果を見てみないと、善なる買収だったのか否かが判然としない、
ってことになります。

ですので、(少数派であることは承知の上で)
一度、彼らに経営を任せてみてはどうか?という意見もアリかもしれませんね。


しかし、村上ファンド、阪急のアドバイザー・GCA、阪急の大株主・プリヴェ
チューリッヒ。互いのメンツとプライドを賭けた熱いバトルが今後繰り広げられるので
しょうか?

だとしますと、阪神・巨人戦よりも数段面白いかも。


なお、GW期間中も、質は別として、ネタは更新していく予定です。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 会社法施行に思う | トップ | ブックオフで感じた「事業再... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (八重洲白黒)
2006-05-04 01:24:37
旧・神田通信機

気に食わない記述があると、社長が直接、電話!

老婆心ながら、地雷を踏まれぬよう…。

返信する
お気遣い有難うございます。 (dancing-ufo)
2006-05-04 07:10:03


八重洲白黒さま



コメント有難うございます。



ご指摘されたお話、

私も承知しております。



1月から何度かネタにしてますが、

零細ブログということもあり、

幸いクレームは来ておりません。



しかし、主要投資先である阪急が

阪神との統合による財務悪化観測から

株価が低迷。

これは自社の業績にも悪影響です。



現社名のように企業再生のプロ集団ならば

大株主の立場から同社に気のきいた助言とか

してやれば、もう少し評価が変わると思いますけどね。

(以前、阪神株のカラ売りをしろって書きましたけどね)







返信する
Unknown (のあ)
2006-05-04 11:59:57
初めまして、こんにちは。

佐山展生さんファンの主婦です(^^;)

この話はもう見ていて胃が痛いです。

佐山さんは村上さんに「きれいに」退いてもらいたい、とさかんに言っておられますが、村上さんが阪神の経営権を握ったらグループ解体、優良不動産売却、タイガース独占、を本当にやってしまうのではという危惧があって、佐山さんは村上さんをそういう本当に「えげつない奴」に貶めたくないのだと思います。硬直して既得権にしがみついてる企業の経営者に喝をいれたという村上さんの行為を佐山さんはとても評価してらっしゃるし、確かに佐山さんにとってある意味「目障りな人」かもしれないけど、この件のあとも世間から後ろ指を指されるような人にはなってほしくないという、佐山さんの真に器の大きい人間性が見て取れる言葉だと思います。



でも、村上さんとタイガース・・・あくまでファンとしての想像ですけど、この両者はあの公正でブレのない佐山さんの、人間のとても柔らかい場所を刺激するアイテムで、この両者が同時にビジネスシーンにのっかってしまってるというのは結構ヤバイ状況のように思えます(^^;)  絶対ないとは思いますが、万が一にも判断に冷静さを欠くことがないように・・・と祈るばかりです。

あと、主婦の視点から言うと、村上さんの暴走を止められるのは、彼の奥さんだけなのでは、と思います(^^;)

「世間様に恥ずかしいからみっともないことしないでよねっ!!」・・・と村上さんをきつく叱ってほしいです(^^;)

メンツとプライドがなんぼのもんよ、という感じです。



長文失礼しました。

この件に関して、株主総会が終わるまでまたご意見書いていただけると嬉しいです。また読みに来ます~
返信する
Unknown (八重洲白黒)
2006-05-04 22:10:56
dancing-ufo様

レスありがとうございます。

スイス系っぽいけど丸っきりドメ。

東証所属は「電気機器」。

信用買いした証券株のグループ内転売…。

私の頭では理解が及びません。

社長にならってオールバックにすれば、脳みそのパフォーマンスもちと良くなって、分かるようになるのでしょうか?
返信する
コメント有難うございます。 (dancing-ufo)
2006-05-04 23:42:45


のあ様



鋭い視点と非常に分かりやすい解説、

有難うございました。

っていいますか、私が思いっきり勉強させて頂いた次第です。

今後「代筆」をお願いしたいくらいです。

引き続きよろしくお願いします。









そして、八重洲白黒さま

追加コメント恐縮です。



全くバカバカしい話ですが、

阪急東宝グループという括りでの連想ですが、

このバトル、昔懐かしいゴジラ映画を彷彿させます。



阪急=東宝=東宝の看板=ゴジラ

村上ファンド=暴れん坊/ヒール=キングギドラ



プリヴェ=・・・・・・何だろう?弱すぎて・・・浮かばない。







返信する
Unknown (のあ)
2006-05-05 09:25:27
レスありがとうございます。

とんでもない、ただの1主婦のぼやきです(^^;)

佐山さんはメールを書くととても気さくにお返事を下さる方なのですが、さすがに今回は本気モードバリバリで返事が全く来ません(^^;;)(単に私が嫌われただけかもしれませんが・・・)

でも、阪神VS村上ファンド(M&Aコンサルティング)のプレスリリース合戦を見てますと、ゴジラVSキングギドラというより、子供のケンカみたいです(^^;) もうはやく決着つけて佐山さんを解放して~、と言いたいです(^^;)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

事業再生・M&A」カテゴリの最新記事