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知られざるロッテ  ―プロ野球日本シリーズ開幕に寄せて

2005-10-22 | 経営
いよいよ本日からプロ野球日本シリーズ。
幕張は色んな意味で注目を浴びますね。
幕張メッセでモーターショーもあるし。


さて、31年ぶりにシリーズ出場を果たしたロッテ。
日本では売上高3000億円の菓子メーカーですが、
韓国では総資産2兆円超の巨大財閥。
ホテル・百貨店・テーマパーク事業を手掛ける多角的な事業展開。
日韓合計の総資産では実に3兆円を誇る超大企業です。
(ヨン様、ジウ姫がロッテのCMに登場するのは非常に納得的です。)


成長システムが興味深いです。
キーワードは、「日韓の使い分け」です。

①終戦直後にロッテを創業し、現在もグループを束ねる重光武雄社長は
 在日韓国人であるというコネを最大限に活用することによって、
 韓国政府から事業の要請を受けるなど、韓国要人の知遇を得ることができた。

②日本で培ったノウハウを韓国に輸入し大成功となるわけだが、
 その際も「外国企業」であることを巧みに利用した。
 重光氏が日本企業ロッテで収益をあげ資金を調達することで、
 外貨導入法による免税などの特権を得ることができたのだ。

③また、高金利の韓国金利を回避し、当時の邦銀から借りることにより
 支払利息を抑えることもできた。

このように韓国企業と日本企業とを巧みに使い分けることで
日本で儲けた資金で、韓国の事業を拡大する。
この手法で成長してきたんですね。

重光氏は、新規事業に参入する際のポリシーとして
「仮に失敗しても、本業には迷惑をかけない範囲内で借金をする」
「事業化の前には徹底的に調べる」と、非常に手堅いです。

しかも株式公開してませんから、買収の脅威にさらされることなく
本業に専念できるというわけでして、今の阪神電鉄と好対照。


とにもかくにも、野球のほうは
ファンならずとも楽しめる熱戦を期待してます。
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