Uさん、こんばんは。
前回記事に出来なかった、プライマーPRE30の音質面について触れます。
接続はパイオニアのネットワークプレーヤーからバランス、アトールのパワーアンプにアンバランスとなっています。
音源は、44.1k/16bitのflacで、プレーヤー内部で32bit/384kHzにアップサンプリングしています。
その1 取り立てて特徴はない 中庸な音
組み合わせる、パワーアンプ、スピーカーにも拠ると思いますけれど、自宅環境においてのPRE30の音質傾向は、一言でいえば極中庸なものと言えます。取り立てて特徴のあるもの、特別なものはありません。
刺すような高音のキツさはありません。
音の角は取れて丸くなっています。低音は出る方ではないようです。美音なのかもしれませんが、余りそれも感じません。
その2 音色について
Webサイトや匿名掲示板などでは、どちらかというと寒色系と書かれることがありますが、温度的なものは余り感じません。
中音が前に飛び出してくるタイプではありませんから、本質的には暖色系ではないのかもしれませんが、強く静寂感も感じないので寒色系とまでは評価出来ないところです。暖色系のアトールのパワーアンプと組み合わせているので、相殺されている部分があるのかもしれませんね。
その3 音場型か音像型か
音が前に飛び出てきたり、音の拡がっているような感じが余りありません。これは予想されたものと違っていました。音場型を期待していましたが、逆にどちらかというと音像型のような気がします。音の実在感はある方だと思います。期待していた音の響き・残響もそれほど感じられませんでした。
その4 音の拡がり
音量が小さめだと音全体が小さくまとまります。
ボリュームを上げると、音の粒子が飛び足してくるというより、つまり音の拡がりが大きくなるというよりも、小さな丸い音のかたまりが、丸いまま大きなかたまりになっていくような印象です。
立体的(奥行・高さ・横を感じる)な音の拡がり;つまり空間的な音の拡がりは、残念ながらそれほど感じることはありません。
PRE30の導入によりスピーカーの定位が良くなったということも特に感じませんでした。
その5 全体の印象
カタログ上のSN比は良いようですが、背景の静寂感はそれほどでもありません。
関西方面のオーディオ販売店がHegelのプリアンプを、「何も足さない」「何も引かない」と言ったような表現で評価をしていたような気がします。
このPRE30も、どこかのウィスキーのCMのフレーズのように、「何も足さない」「何も引かない」、つまり入ってきた音を損なうことなく、ストレートに下流に送るという発想で設計されているような印象を受けます。
インターネット上のHegelのアンプのインプレッション・レビューがそのままこのPRE30に当てはまっています。
プライマーも同じ北欧のオーディオメーカーですから、目指すところは同じなのでしょうか。
※ネットワークプレーヤーからPRE30への接続をXLRからRCA(アンバランス)に変えてみました。雑味も感じるようになりましたが、音の響きが少し良くなりました。こちらの方が自分の好みです。低音も少しバランスよりも出ているような気がします。音が消え入るときの余韻も少し感じます。音圧も高くなってボリューム位置が下がりました。ただやはり全体に音が固いままです。音が優しくしなやかに拡がる感じではありません。
その6 どんな人に向くか
音響的な特徴が余りないため、他社のアンプとの比較では、アピールポイントが少ないという点で不利だと思います。
音質的優位という観点では選択される可能性は低いでしょう。
しかしながら、嫌な音が出ませんので、BGMを流す機器としては良いと思います(自分の場合、特定の曲の高音部にやや難がありましたが、音源の問題かもしれません。基本的にはそつのない音を出します)。
音へのこだわりがそれほど無い場合に、インテリアとしてリビングに置くイメージで選ばれると良いと感じます。
デザイン性の高さ・北欧ブランドという付加価値があり、筐体が薄型で、見た目の圧迫感がありませんので、音楽と常に囲まれながら少しセンス良く生活してみたいときには最高の相棒となります。
フル規格のオーディオ製品は、時に余りにもその存在を主張しすぎて、家族に不評・困るといった場合に、プライマーのアンプは選択肢として上位にあがってくるのではないでしょうか。
控えめなその存在が、逆に利点となるわけですね。
次回の投稿で、PRE30の気になる点を記事にして、この機器のまとめとしたいと思います。
では、これで失礼します。
ごきげんよう。
さようなら。