今年の東京の冬は、まだ霜の降りるような寒い朝はない。　建築技術の進歩で、昔のように寒々とした朝餉の食卓もなくなった。エアコンのない時代の木造住宅は灯油ストーブだけだったか...

    　商業写真家と同じクォリティのものを手に入れようとするアマチュア・カメラマンがいれば、その逆を目差す写真作家もいる。　(op.20241202 - 1 / Stud...

    　フランスの小説家でジャーナリスト、加えて放送作家のロジェ・グルニエが、自分と写真の関係について、その著書『写真の秘密』の一項『ひとつの源泉』の冒頭でこんなことを書...

　ぼくのフォトグラーフのテーマは『永遠のWhy』。　そして、きみがいつもその点景であれば、他には何もいらない。 【Sylvia - Nobody】 ...

    　何を書くかではなく、どう書くか。　何を描くかではなく、どう描くか。　何を撮るかではなく、どう撮るか。 　『技術、方法』の探究・研究は、多くは苦労を伴うが、面白く...

    　制作していて、『これはイイものになりそうだ』と予感しても、実際、思いどおりにイイものになることはマレ。ところが『こりゃダメそうだな』と感じたものは概ね間違いなくダ...

河内桃子（こうち・ももこ　1932-1998） 　ハロルド・ピンターが2008年に亡くなったとき、思い出したことがあった。 　ぼくは、彼が原作を書いた芝居のポスターを自分の...

　東京タワーが間近に見えるホテル —— 18階のラウンジ・バー。　時間に関係なく働くのが許される者にとって、終業が深夜近くになるのは東京でも紐育...

    　他人の目を(他人の評価を)気にせず生きる —— 言うよりは難しいことだ。   【The Roll...

　そして海辺の六月 —— 夏が、早々と腰を据えようとしていた。　ビーチサイドレジデンスに入居して間もなく、最初に挨拶をしたのは103号室の谷田部という老人で、...