高校の文化祭で美術部の先輩が、どこぞのオジサンから展示中の向井潤吉風の風景画を売らないかと交渉されていた。それほど巧かった。何ヶ月かかけた力作だったから当然断っていた。
先輩の多くは下校後、画塾へ通っていて、武蔵美や多摩美を受けるという(そういう子供達の場合、親の多くが美術の先生か画家である。さもなければ、芸術に理解のあるお金持ちの家系か...)。みんな、その後どんな人生を送ったことか。
芸術はどんなジャンルであっても、人生半ばで制作を止めるようなら、それはもう、そもそも向いていなかったと言っていい。どんな形であっても、細々とでも、芸術を続けていて欲しい。