【回想】
40年以上前は、夏休みの里帰りというと熊本県人吉市の母の実家へ行くことが多かった。
小学生・中学生の時代の自分にとって年下の従兄弟達と、近くの温泉に行ったり(湯あたりして吐いた記憶もある)、球磨川で泳だり、爆竹で遊んだり、野球をしたり、せみやカブト虫を採りに行ったり、遊びには事欠かなかった。
ただ、盆地特有の激しい雷雨だけには、毎日肝を冷やしていた。
親戚のおじさんが獲ってきたイノシシでボタン鍋を食べたり、納豆なる食べ物を見るのも楽しみの一つだった。
当時は、エンジ色の汽車に乗り、SLが走っていて・・トンネルに入る度に窓を慌てて閉めていたのだけど。
そんな40年前の旅を楽しめるかなと、本当に思い付きで「SL みなかみ号」へ乗ってみた。
旅の当日に、駅のパンフレットを見て指定券の有無を確認したのだから、行き当たりばったりだ。
乗車当日の切符は、まだ十分に残っていたので「水上=高崎」間を早速予約した。
【指定券 510円】
水上駅では、SLの整備場の地図が出ていたので、出発前の整備状況を見学に行ってきた。
水上駅から歩いて5分程で、整備場へ到着。係員2人がSLの回りを一周して点検していた。
このSL「C61-20」は、群馬県伊勢崎市の公園で1974年から野ざらしで展示されていた。
それをJR東日本が2011年に30年有余の時を越えて、復元・改修したものらしい。
【点検中のSL】
「C61-20」は、Cタイプなので動輪が三つだ。
15:00には、「C61-20」が整備場を出発した。
そこで慌てて、水上駅へ向かった。連結される客車は、ホームに停車していた。
「オハ12 368」だった。40年前のエンジ色の客車とはいかなかった。
ホームで見ていると、隣の線路を使い「C61-20」が近づいてきた。さすがに、SL連結の瞬間を見ようとホーム前方は黒山の人だかりとなった。
【乗車した車両オハ12 368】
【ホームに停車中の「みなかみ号」】
運転士も乗客も楽しそうだ。
この日の「SL みなかみ号」の乗車率は、50%以下だった。
しかし、沿線の畑や山、鉄橋の傍でSLを待ち構える多くのカメラマンを見かけた。
そしてSLの雄姿に手を降る沿線の人々(おばあさん、家族、子供たち)が沢山いた。
そんな沿線でSLを暖かく迎える人々の心を感じる旅となった。
電車では1時間弱で到着する水上=高崎間を、SLは、2時間近くかけて走るけど、40年前の旅情を十分に味わえた。
ぜひ、味わってみてください。
(九州新幹線(2011年3月12日開業←悲運ですよね)のCMは、ここです。素晴らしいCMです。)