本日5月7日(日)の午前中にコリニアを納入させて頂いた港湾関係会社から『AIS基地局の設置工事が終了した』と連絡がありました。
(AISとは自動船舶識別装置)
納入したのが2月末でしたので少し時間が空きました。
同時に受信状況の結果のグラフも添付されていました。それを紹介します。
それは信じがたい結果でした!!
従来使用していたアンテナは、
①第一電波工業の150MVⅡです。空中線形式:5/8λ2段、利得:6.0dBiという物です。
②我々Grが提供したアンテナは、8段コリニア解析値利得は9.1dBiです。
カタログで比較すると、たった3.1dBしか利得差がありません。
では、結果グラフを掲載します。
(AISシステムをネットで登録すると電波伝搬状況が刻々とDB化されます。それをグラフで確認出来ます。これはそのデータです。)
6日まではメーカ製アンテナ、7日からは8段コリニアです。
AverageDistanceが3倍近くになっています。(NMは海里ですので1852mです。Y軸は対数です。)
このグラフの本当?と疑いましが、港湾担当も「これまでは湾内程度しか確認できなかった。それが陸前高田からいわき市まで確認できる」と喜んでいました。
メーカー製5/8λ2段ではAverageDistanceが平均4NM(約7.4km)でした。8段コリニアでは14NM(25.9km)前後になりそうです。
3倍超なので利得の差(3.1dB←2倍ちょい)通りだと考えてはいけません。
150MHzでは距離が3倍になると地上の理想状態で伝搬損失は約20dB増加、
自由空間でも伝搬損失が約10dB増加するのです。
つまりアンテナ利得3.1dBの差では到達距離が3倍には絶対にならないのです。
どうしてでしょう?
少なくとも8段コリニアの水平方向の飛びは5/8λ2段よりも20dB程度以上は飛んでいるということなんでしょうか?
この点が信じられない結果なのです。
Area Coveredも面積4倍(アベレージ)になっています。
(距離3倍ならばエリアは9倍??1ヶ月後の数字が楽しみです)
次にアンテナの設置状況です。5/8λ2段と並んで立っています。8段コリニアは少し傾いています。
むしろコリニアの方が設置高も低いです。
伝搬状況は刻一刻と変化しますので今後の電界強度の変化を観察する必要があります。
今回は相手先の担当者にも協力頂き、アンテナの構築・設置方法も相談させて頂き図の送付等も行い相互理解を行ってきました。
その結果、予想以上の成果を得る事ができました。いろんな好条件が重なった結果かもしれません。
また研究会メンバーにはコリニアの製作及びアンテナ設置方法の検討にも参加頂きました。
ありがとうございました。
Blogにもコリニアに関する質問等が来ています。コリニアも使い方次第では強力な武器になるという話でした。
予想以上の同軸コリニアの飛びで船舶分(十数隻分)の同軸コリニアアンテナの発注が取れなかったのは残念??
その他、業務無線等へのコリニアアンテナの応用、アドバイスも実施していますので何なりとお尋ね下さい。
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