福助の部屋

どうでしょうCUEスワローズSHINee映画うたとの毎日etc。大好きなことゆるゆる綴ります。

PARCOプロデュース『噂の男』その②

2006-09-10 23:46:59 | 演劇
“いやーな男たちの、いやーなお話”を強烈なエネルギーで完成させた7人の役者たち
このお芝居のことを知った時、あまりの豪華キャストに身震いしましたっけ
特に中心になる5人の役者は、泣く子も黙る小劇場出身のツワモノばかり!
僧正とじゅんさん目当てだった私ですが、出演者全員の緩急自在の巧みさに
圧倒されっぱなしでした
それに、5人のうち4人は関西出身の関西弁スピーカー!
そのテンポの良さが何とも言えず心地良かったですね~

では登場人物別の感想を。完全にネタバレしてますのでご注意下さい




堺雅人(鈴木光明)…宝田グランド劇場支配人。元“パンストキッチン”マネージャー。
私の中での堺さんは、『新撰組!』の山南さんなんですよね~
でも今回はかなり特殊な(?)役で、キスシーンにキュビズムに、
役者ってすごいなぁと驚嘆させられました(笑)
“現在”の支配人はオールバックにスーツ姿。いつも冷静で冷徹ささえ感じる風情。
“12年前”のマネージャーはさらさらヘアーにいつもの堺さんスマイル。
懸命にパンキチのマネージメントをする好青年と言う感じ。
過去と現在の人物像の変化を、佇まいとか台詞回しとか見事に演じ分けられてました
オールバック姿の支配人で登場したときは、いつもの堺さんのイメージと違ったので
違和感があったんですが、過去の鈴木の登場では、一緒に行った堺さん好きの友人が
身を乗り出したのが分かりました(笑)
今回、モッシャンに『喜怒哀楽の全てを笑顔で表現する男』(笑)と突っ込まれる
シーンがありましたが、堺さんのいつもの穏やかな笑顔が、この舞台では何を考えて
いるか分からない、裏がありそうな冷ややかな笑顔に見えたのが印象的。


橋本さとし(アキラ)…漫才コンビ“パンストキッチン”のボケ担当。12年前、『ボイラー室』の
事故で他界。
さとしさんは以前テレビで『ダブリンの鐘つきカビ人間』を見た程度で初見。
劇団☆新感線ご出身で、10年ぶりのじゅんさんとの共演に大分緊張されていたとの
ことですが、パンキチの漫才は“見事!”の一言に尽きます
男前で人気絶頂、モッシャンにいじめられるマネージャーをかばう優しい表の顔と、
コンビ解散のために相方殺害を目論んだり、動物虐待の罪を相方になすりつけたり
心に暗闇を抱える裏の顔。いい人に見せかけて実はいやーな男度はかなり高かった
アキラ。でも最後に、自分が死んだのはモッシャンのせいではないことを何とか
モッシャンに伝えようとするアキラの姿で少し救われた気がしました
それにしても、さとしさんのボケの切れの良さといい、スタイルの良さといい、舞台映えする
役者さんだったなぁと感動。


八嶋智人(加藤信夫)…ボイラー室の点検のためにやって来たボイラー技師。
テレビでお馴染の八嶋さん。もちろん初見。
とにかくものすごいテンションで圧倒されました
それに、ただのお笑い好きのボイラー技師から、父親の復讐に燃える男に変化する、
スイッチの切り替えがまたすごかったですね!
特に、復讐の相手であるモッシャンとの絡みのシーン、父親の仇がすでに廃人となり
父親のことも覚えていないような状況で、そのやり場のない怒りや憎悪をモッシャンに
ぶつけるボイラーさんが、恐ろしくもあり悲しくもあり。
テレビで見るときは飄々としてるイメージがあったんですが、舞台では本当にものすごい
エネルギーを放出している役者さんでした
とにかく大阪弁でしゃべり倒すんですけど、全然噛まないし(当たり前か!)(笑)
早口の長台詞も滑舌が良いので聞いてて気持ち良かったですね。


また長くなりましたので、残りはまた次の機会に
次回はこの舞台、私の中のツートップの登場です(笑)





コメント
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