我が家から徒歩5分の所にある医者は、穏やかで、優しいおじいちゃんだった。
普通、医者と言うものは、医学の素人が「風邪引いてまんねん、薬出してんか」と言うと、
「診察もしとらんのに、風邪かどうか分からんやないか」と怒ると思っていたのに、この先生は
違った。
「先生、風邪引いたみたいやから、薬頂戴」と来院しても、「をを、そらあかんな」と言いつつ、薬を出してくれて
いたので、患者側からすれば、便利な先生だった。
何年か前に長男が、花粉症でぼろぼろになって、受診、先生の性格が気に入って?春になると薬を貰いに行っていた。
遅れたこと数年で、私も「くしゃみ、鼻水、鼻詰まり」に耐えきれず、診察を受けたのだ。
あれから何年経ったかなあ。間で「市民健診が500円でできる」と聞いて、健診を受けたら、思いがけなく高血圧と言われ、そこから毎日血圧を測ることになった。
薬を出されているが、飲んでも「158/98」と高値安定なのである。ひどい時は200を軽く超える事もある。
その値を見ても、見なくても「をを、そうかそうか薬ちゃんと飲んでや」と、血圧の高低には構わず、薬を飲み続ける毎日である。
それが、今年3月の日曜日、薬を貰ったばかりなのに、固定電話に電話がかかって来た。
水曜日から廃院するので、他の病院への紹介状と、一カ月分の薬を取りに来て欲しいとの事。
えらい急なこっちゃなと思いながら、息子と共に日曜日の病院へ行く。院内はシンとしているし、先生の姿が見えない。
受付のお姉さんは、淡々と薬を袋につめて「はい、これ紹介状」と出されたけど、私達はポカンとしてて、
先生確か2~3か月前に、病院の改装されて、これからバリバリ働くんかな~と思っていたのに、突然の閉院、どしたんかな~と思ったけれど、聞ける雰囲気ではなく、何も言えずに帰宅。
さて、その薬がとうとう無くなったので、新しい病院を探さねばならぬ。幸い徒歩3分の所にも内科があるので、そっちへ行こうと紹介状をバッグに入れてお初受診。
何故ここを敬遠していたかと言うと、う~んと、つまりが「看板が黄ばんでいたから」だった。
オソルオソル中へ入ってみたら、「これが昭和前半の病院ダス!」というような丸で舞台セットのような待合室である。
スリッパは便所のスリッパみたいだし、受付のお姉さんはぶすっとしているし、「しまったカナ」と思いながらも紹介状を出した。
すぐに呼ばれて診察室に入ったら、優しそうなおじいちゃん先生で、にこにこしながら「はいはい、分かりました。ああ、そうね、血圧高いのね、じゃ、ちょっと測りましょうね」と血圧を測る「カフ」を腕に巻こうとするんだけど、それって、脇辺りに巻くの?肘の曲げたとこら辺ちゃうの?
ついでに、カフってマジックテープでキチンと巻くんちゃうの?スナップボタンみたいに、一か所だけしか止まってないじゃん。ものすごくくたびれたカフだし・・・と疑心暗鬼になっていたら、
「えーっと、102の98やね、そっかそっか、ついでに心音聞かせてね」と聴診器を出して来られたので、胸のボタンを外そうとしたら「あ~そのままでいいよ」と、首筋ら辺に聴診器をあてて、一人で頷いておる。
その間に、看護婦らしき人が来て「先生、レントゲンお願いします」
「はいはい、あ~、悪いね、ちょっと待っててね」と奥の部屋にすたすたと行って、多分レントゲンのスイッチを入れたんだろう(と思う)院内の電気が停電(@_@;)
看護婦さん、あたふたしながら「先生っ、パソコンの電源大丈夫ですかっ、こっちの〇〇はダウンしてます」やて。
暫くして、私の前にあったパソコンも生きかえったんだけど。
「待たせてごめんねぇ」と前の先生のと同じ薬を処方してくれたんだけど。
ここで良かったんやろか???何かイマイチお慕い申しあげる気になれない。
パソコンはウインドウズXPだし、レントゲン撮ったら、電源落ちる病院って聞いた事が無いわ~~。
それでも、薬は同じ物を貰えたので、当分は通うけど、徒歩に拘らず、他の病院を探した方がいいかなぁ。