散歩とは、気分転換や健康のため、あるいは好奇心から、または特に目的地を設けずに歩く行為である。散策(さんさく)ともいう
散歩は、娯楽として、あるいは健康増進に歩く行為全般を指す言葉である。より明確な目的意識を持って歩く行為には、ハイキングといった行楽の様式があり、さらには登山もその一環である。その一方で健康増進のための歩行としてはウォーキングがある。これらに対して散歩は気軽に住居の周辺地域を歩くことを言う。
人間のほかに、ペットないしコンパニオンアニマルとしてのイヌは日に一回程度は人間に連れられて歩く行為を好む傾向がある。ただし、イギリスやドイツなどの動物福祉の発達した国では、1日2回365日、犬は散歩させることが当然となっている。またネコでも戸外に自由に出歩ける形態で飼われているものは、やはり特に目的らしい目的も無く戸外を歩き回る様が見られる。ただしこちらは縄張りの巡回といった習性に基くものであるともみなされる。縄張りの巡回は野生動物にも見られる行動様式であるが、野生動物の場合は巡回による食糧確保のための活動であるとも考えられる。
人間の場合は、歩く行為そのものや、また移動する事で見聞きすること、あるいは出歩く事で他人とコミュニケーションの場に行くなど、様々な動機付けがみられ、散歩に行く理由は、人によって、あるいは状態・状況によって千差万別である。また、歩きながら話をしたりものを考えたりすることは特に有効との考えがある。アリストテレスは弟子たちと歩きながら語らうことから逍遙学派と呼ばれた。
ただし認知症などにより当人が自分の行動を把握しきれないで出歩いてしまう徘徊は、当人はともかく周囲からは散歩としては認められない。
人と散歩
乳幼児では、自分で歩く事がまだできない場合、ベビーカーに乗せられるなどして戸外を移動する事もあるが、これも散歩の一種である。この乳幼児の散歩では、戸外に出る事で太陽光線を浴びる(→日光浴)。この日照はビタミンDの生成を促し、乳児の成長に欠かせないと考えられており、ベビーカーでの散歩が行われている。また戸外に出る事で音や光といった様々な刺激をうけ、精神的な成長に好作用があると考える者もいる。ただし過度の日照は有害であるし、また騒音や事故の危険もあるため、一般にこの乳幼児の散歩は定期的に短時間、保護者の気晴らしを兼ねて行われる。
自分で出歩ける児童にとっても、歩くという刺激は体の健全な成長に欠かせないと考えられており、児童にも散歩は健康維持に有効であるといえよう。ただ児童の場合は戸外での遊びとの区別はつき難く、「遊び歩く」という状態になる。その一方で事故や事件に巻き込まれた際に、自分を守りきれない児童の場合は、安全確保の面から散歩の際には防犯ブザーを携帯する事が勧められる。近年では携帯電話などを持たせる保護者も多い。
大人にとっても散歩という活動は、身体面・精神面で一定の好作用がみられる。ストレスの発散や肥満の防止で歩く者も多い。これらではウォーキングなどの活動がみられる。特に心肺機能の衰えが出始めた高齢者や病み上がりの人、あるいは循環器系障害のある人の健康維持に、散歩を勧める医療関係者は少なくない。適度な散歩は睡眠にも良い効果があるとして、不眠症に散歩を勧めるケースも見られる。
備考
近年では社会様式の変化により、公共交通機関の発達や、コンビニエンスストアなどの発達による利便性向上もあって、ヒトが歩く機会は年々減少傾向である。しかし歩く事で健康を維持できるのであれば、これほど廉い健康法はないと、近年の健康ブームの中で、散歩が見直されている。
ウォーキングは積極的に歩く事で、運動量や消費カロリーの増大を目指した物だが、日本ではジョギングの衰退とともに注目が集まっている。これらではジョギングよりも身体へのダメージが少なく、一定の運動効果があると評価されている。ただ歩くだけでも現代では舗装道路による足腰の負担があるため、専用の靴の発達も見られる。また万歩計のような、歩くモチベーション維持のための道具も販売されており、これにより歩く事を楽しむ人が多い。
問題点
しかし近年では交通事故やストリートギャングなどによる強盗被害など、事故・事件に巻き込まれる危険性も指摘されており、特に夕方から深夜にかけての散歩では注意が呼びかけられている。
散歩中に自動車から目視され易いよう、明るい色の服装や反射材の着用が勧められる一方、携帯音楽プレーヤーの着用により周囲の状況がわかり難くなる危険性や、またデジタルオーディオプレーヤーの人気機種であるiPodを着用していて強盗に奪われたなどという事件も聞かれるため、散歩中のそれら機器の使用には、注意が必要だろう。このため、痴漢やひったくりなどの被害から身を守るため、防犯ブザーや防犯スプレーを携帯する人も見られる。
散歩の語源
中国の三国時代に五石散(今でいうところのドラッグ)が貴族や文化人の間で滋養強壮薬として流行した。名前のとおり主材料は五石、石鐘乳、紫石英、白石英、石硫磺、赤石脂であり、服用すると体が熱くなる(散発)のだが、散発がないと体に毒が溜まり害になるとされた。そのため、散発を促すべく歩き回るようになった(行散)。散発のために歩くことを散歩というようになり、これが転じてただ歩くことを散歩というようになった。しかし、散発があろうがなかろうがひどい中毒症状が出るため、命を落とす者も多くいたという。
歩く、ウォーキング
ウォーキング(英語:walking)は、歩くことによって健康増進を目的とした運動である。
運動の一種と考えてウォーキングをする場合が多く、普通の散歩とは意識の点で異なる。歩く距離、歩数、時間などを計り、運動量や消費カロリーを定量的に知り管理することにより、健康の維持や増進に役立てている。ウォーキングに適した服装や靴を準備して、適切な姿勢で歩く。20世紀後半以降、健康に対する関心が高まる中、生活習慣病などの予防や対策のための手軽な運動としてウォーキングは推奨されている。全国各地の自治体の健康関連部門など公的機関も、ウォーキングコースの設定、ウォーキング大会やウォーキング教室の開催などを積極的に推進している。この背景には、増大する医療費を少しでも抑えるために市民の健康増進を図る目的がある。一方、民間団体も健康への効用にとどまらないそれぞれの目的を持って、ウォーキングの普及や推進に取り組んでいる。例えば、鉄道会社や観光協会の主催するウォーキングイベントは利用客や訪問客の増加を、ウォーキング関連商品メーカーは販売促進を目指している。
ウォーキングの利点としては、始める際のハードルが低いことが挙げられる。各スポーツメーカーからはウォーキングシューズなどが販売されてはいるが、始める際には普段履いているスニーカーでも差し支えなく、初期投資がほとんどかからない。また、道路や公園を利用する場合が多く、専用の器具や競技施設を必要としないことから、いつでもどこでも行うことができる。さらに歩行さえ可能であれば、高齢者や身体障害者でも自分のペースでウォーキングに取り組むことができる。一方で、ウォーキング中の交通事故や、安易に過度に取り組むことによって脚を痛めるなどの危険もある。
ウォーキングは一人でもできるが、大人数が参加する多種多様なイベントが開催されている。愛好者が集う大会、長距離を歩き自己の限界に挑戦する過酷なスポーツとしての大会、子供を対象に教育的目的で歩く大会などがある。
国際マーチングリーグ大会
日本スリーデーマーチ - 埼玉県東松山市。
九州国際スリーデーマーチ - 熊本県八代市。2010年に認定。
ニュージーランド・ロトルアツーデーマーチ -
イスラエル・ギルボアツーデーマーチ
オーストラリア・キャンベラメダルウオーク
カナダ・ビクトリア国際ウオーキングフェスティバル
アメリカ・ディスカバリーウオーク
スイスツーデーマーチ
ベルギーツーデーマーチ
イギリス国際ワンデルウオーク
フランス・シャントネフォーデーウオーク
中国・大連国際ウォーキングフェスティバル
ルクセンブルグ・アーミーマーチ
デンマーク・ハーベスマーチ
アイルランド国際フォーデーウオーク
ナイメーヘン国際フォーデーマーチ - オランダナイメーヘン市。世界最大の歩く大会。
フィンランド国際スリーデーマーチ
ノルウェー・サガマーチ
インドネシア国際親善マーチ(2003年4月に国際マーチングリーグの認定が取り消され、現在は加盟大会ではない)
イタリア地中海ツーデーマーチ
オーストリアチロルスリーデーマーチ
チェコ・ブルノツーデーマーチ
ドイツ・フルダツーデーマーチ
スペイン・バルセロナ国際ウォーク
アメリカ・フリーダムウォーク - ワシントンD.C.
韓国国際ウオーキングフェスティバル
台湾国際快楽健行大会
自然享受権
自然享受権(英語: right of public access to the wilderness / freedom to roam / right to roam / everyman's right、スウェーデン語: allemansrätten(アッレマンスレット))とは、土地の所有者に損害を与えない限りにおいて、すべての人に対して他人の土地への立ち入りや自然環境の享受を認める権利。自然環境享受権。
北欧の法文化 [編集]
北欧に古くからある慣習法であり、自国以外の旅行者などすべての人に対して認める権利である[1]。例えば利用者の権利として以下のような行為が認められている。
通行権(徒歩、スキー、自動車による通行)
滞在権(テントでの宿泊を含め、休息、水浴びのための短期滞在)
自然環境利用権(ヨット、モーターボート等の使用、水浴び、氷上スポーツ、魚釣りなど)
果実採取権(土地の所有者に対価を支払わない、野性の果実やキノコ類の採取)
禁止されている行為は原則として自然を破壊することと、所有者を煩わせることである。
デンマーク 自然保護法(1969年)で明文化される。デンマークは人口密度が高いため利用者の権利には制限がある。
ノルウェー 古くから慣習法として成立し、野外余暇法のなかで明文化(1957年)されている。柵(さく)で囲われた内野(innmark)と囲われていない外野(utmark)によって権利が区別されている。
スウェーデン 古くから慣習法としてあり、自然享受権は憲法で保障されている。ただし多くの部分が慣習法に委ねられている。鳥獣の狩猟については自然享受権に含まれない。
この権利は国有地、私有地に関わらず慣習的に保護されている。土地所有者は森林や再生可能資源の保護を義務付けられており、土地所有権と利用権を持つと同時に自然環境の維持義務を負うことになる。スウェーデンでは近年、ハンググライダーやマウンテンバイクなどアウトドアスポーツの普及で大会などが頻繁に開かれるようになり、自然が踏み荒らされるケースが出始め、自然享受権についての論争が起きている。このため、自然享受権は個人の権利で、団体に認められたものではないという新たなガイドラインが付け加えられた。
その他
これに類するものとして、日本では環境権のうち「個別的環境権」にあたる、自由に海浜に出入りする権利・入浜権が主張されているが、海岸線及び水面はすべて公有で一個人には認められるものではないとして、行政訴訟では否定され続けてきている。
ランブリング、ヴァンデルング
歩くことが主目的でなく、ある趣味をするために歩くとか、あることをしながら歩くということである。日本ではまだ馴染みのない言葉であるが、多くの人がランブリングを楽しんでいるという現状がある。歩く速度は、楽に会話ができる程度のゆっくりとした歩きである。 ランブリンクする人を、ランブラー(Rambler)という。
英語では、「放浪性の」という意味もあり、イギリスでは、ただ漫然と歩くようなニュアンスに取られて、マイナスイメージがつきまとっていた時代が長く続いていた。ところが、近年、有名タレントのテレビ発言で、積極的な活動としてにわかに注目を集めるようになった。
現状
自然観察をしながら歩く、史跡めぐり、お遍路、犬を連れた散歩、鉄道廃線歩き、俳句を詠みながら歩く、風景や建物などの写真撮影のために歩くなど、多種多様であるが、多くの人がランブリングとは気づかずに行っている。
歩くことは目的でなく手段であることが多い。そのため、行事として雨天に運営される場合は、小雨決行の場合もあるが、順延や中止になったすることが多い。また、他の雨天代替プログラムに差し替えたり、移動を徒歩でなく車を使ったりと「歩く」以外に変更される場合もある。この場合は、もはやランブリングではないが、開催目的はある程度は達成されることになる。
一方、ウォーキング大会は、歩くことが目的のため、台風などの荒天でもない限り実施され、参加者は雨天対策を万全にして参加することが多い。しかし、JR東海のさわやかウォーキングなど、当日現地で申込みとなっているウォーキング大会では、参加者に歩く目的の他に寺社巡りや森林浴をはじめとしたランブリングの指向があり、雨天での参加は取りやめる行動に向かう。そのため雨天中止としている。
観光
観光(かんこう)は、一般には、楽しみを目的とする旅行のことを指す。
語源は『易経』の、「国の光を観る。用て王に賓たるに利し」との一節による。大正年間に、「tourism」の訳語として用いられるようになった。ただし、学者や論者によって定義が違うこともある。例えば、国土交通省『観光白書』では「宿泊旅行」を「観光」「兼観光」「家事・帰省」「業務」「その他」に分けている。この解釈によると、家事・帰省、業務、その他を除いた旅行が「観光」である。
観光(かんこう)は、一般には、楽しみを目的とする旅行のことを指す。
語源は『易経』の、「国の光を観る。用て王に賓たるに利し」との一節による。大正年間に、「tourism」の訳語として用いられるようになった。ただし、学者や論者によって定義が違うこともある。例えば、国土交通省『観光白書』では「宿泊旅行」を「観光」「兼観光」「家事・帰省」「業務」「その他」に分けている。この解釈によると、家事・帰省、業務、その他を除いた旅行が「観光」である。
散歩は、娯楽として、あるいは健康増進に歩く行為全般を指す言葉である。より明確な目的意識を持って歩く行為には、ハイキングといった行楽の様式があり、さらには登山もその一環である。その一方で健康増進のための歩行としてはウォーキングがある。これらに対して散歩は気軽に住居の周辺地域を歩くことを言う。
人間のほかに、ペットないしコンパニオンアニマルとしてのイヌは日に一回程度は人間に連れられて歩く行為を好む傾向がある。ただし、イギリスやドイツなどの動物福祉の発達した国では、1日2回365日、犬は散歩させることが当然となっている。またネコでも戸外に自由に出歩ける形態で飼われているものは、やはり特に目的らしい目的も無く戸外を歩き回る様が見られる。ただしこちらは縄張りの巡回といった習性に基くものであるともみなされる。縄張りの巡回は野生動物にも見られる行動様式であるが、野生動物の場合は巡回による食糧確保のための活動であるとも考えられる。
人間の場合は、歩く行為そのものや、また移動する事で見聞きすること、あるいは出歩く事で他人とコミュニケーションの場に行くなど、様々な動機付けがみられ、散歩に行く理由は、人によって、あるいは状態・状況によって千差万別である。また、歩きながら話をしたりものを考えたりすることは特に有効との考えがある。アリストテレスは弟子たちと歩きながら語らうことから逍遙学派と呼ばれた。
ただし認知症などにより当人が自分の行動を把握しきれないで出歩いてしまう徘徊は、当人はともかく周囲からは散歩としては認められない。
人と散歩
乳幼児では、自分で歩く事がまだできない場合、ベビーカーに乗せられるなどして戸外を移動する事もあるが、これも散歩の一種である。この乳幼児の散歩では、戸外に出る事で太陽光線を浴びる(→日光浴)。この日照はビタミンDの生成を促し、乳児の成長に欠かせないと考えられており、ベビーカーでの散歩が行われている。また戸外に出る事で音や光といった様々な刺激をうけ、精神的な成長に好作用があると考える者もいる。ただし過度の日照は有害であるし、また騒音や事故の危険もあるため、一般にこの乳幼児の散歩は定期的に短時間、保護者の気晴らしを兼ねて行われる。
自分で出歩ける児童にとっても、歩くという刺激は体の健全な成長に欠かせないと考えられており、児童にも散歩は健康維持に有効であるといえよう。ただ児童の場合は戸外での遊びとの区別はつき難く、「遊び歩く」という状態になる。その一方で事故や事件に巻き込まれた際に、自分を守りきれない児童の場合は、安全確保の面から散歩の際には防犯ブザーを携帯する事が勧められる。近年では携帯電話などを持たせる保護者も多い。
大人にとっても散歩という活動は、身体面・精神面で一定の好作用がみられる。ストレスの発散や肥満の防止で歩く者も多い。これらではウォーキングなどの活動がみられる。特に心肺機能の衰えが出始めた高齢者や病み上がりの人、あるいは循環器系障害のある人の健康維持に、散歩を勧める医療関係者は少なくない。適度な散歩は睡眠にも良い効果があるとして、不眠症に散歩を勧めるケースも見られる。
備考
近年では社会様式の変化により、公共交通機関の発達や、コンビニエンスストアなどの発達による利便性向上もあって、ヒトが歩く機会は年々減少傾向である。しかし歩く事で健康を維持できるのであれば、これほど廉い健康法はないと、近年の健康ブームの中で、散歩が見直されている。
ウォーキングは積極的に歩く事で、運動量や消費カロリーの増大を目指した物だが、日本ではジョギングの衰退とともに注目が集まっている。これらではジョギングよりも身体へのダメージが少なく、一定の運動効果があると評価されている。ただ歩くだけでも現代では舗装道路による足腰の負担があるため、専用の靴の発達も見られる。また万歩計のような、歩くモチベーション維持のための道具も販売されており、これにより歩く事を楽しむ人が多い。
問題点
しかし近年では交通事故やストリートギャングなどによる強盗被害など、事故・事件に巻き込まれる危険性も指摘されており、特に夕方から深夜にかけての散歩では注意が呼びかけられている。
散歩中に自動車から目視され易いよう、明るい色の服装や反射材の着用が勧められる一方、携帯音楽プレーヤーの着用により周囲の状況がわかり難くなる危険性や、またデジタルオーディオプレーヤーの人気機種であるiPodを着用していて強盗に奪われたなどという事件も聞かれるため、散歩中のそれら機器の使用には、注意が必要だろう。このため、痴漢やひったくりなどの被害から身を守るため、防犯ブザーや防犯スプレーを携帯する人も見られる。
散歩の語源
中国の三国時代に五石散(今でいうところのドラッグ)が貴族や文化人の間で滋養強壮薬として流行した。名前のとおり主材料は五石、石鐘乳、紫石英、白石英、石硫磺、赤石脂であり、服用すると体が熱くなる(散発)のだが、散発がないと体に毒が溜まり害になるとされた。そのため、散発を促すべく歩き回るようになった(行散)。散発のために歩くことを散歩というようになり、これが転じてただ歩くことを散歩というようになった。しかし、散発があろうがなかろうがひどい中毒症状が出るため、命を落とす者も多くいたという。
歩く、ウォーキング
ウォーキング(英語:walking)は、歩くことによって健康増進を目的とした運動である。
運動の一種と考えてウォーキングをする場合が多く、普通の散歩とは意識の点で異なる。歩く距離、歩数、時間などを計り、運動量や消費カロリーを定量的に知り管理することにより、健康の維持や増進に役立てている。ウォーキングに適した服装や靴を準備して、適切な姿勢で歩く。20世紀後半以降、健康に対する関心が高まる中、生活習慣病などの予防や対策のための手軽な運動としてウォーキングは推奨されている。全国各地の自治体の健康関連部門など公的機関も、ウォーキングコースの設定、ウォーキング大会やウォーキング教室の開催などを積極的に推進している。この背景には、増大する医療費を少しでも抑えるために市民の健康増進を図る目的がある。一方、民間団体も健康への効用にとどまらないそれぞれの目的を持って、ウォーキングの普及や推進に取り組んでいる。例えば、鉄道会社や観光協会の主催するウォーキングイベントは利用客や訪問客の増加を、ウォーキング関連商品メーカーは販売促進を目指している。
ウォーキングの利点としては、始める際のハードルが低いことが挙げられる。各スポーツメーカーからはウォーキングシューズなどが販売されてはいるが、始める際には普段履いているスニーカーでも差し支えなく、初期投資がほとんどかからない。また、道路や公園を利用する場合が多く、専用の器具や競技施設を必要としないことから、いつでもどこでも行うことができる。さらに歩行さえ可能であれば、高齢者や身体障害者でも自分のペースでウォーキングに取り組むことができる。一方で、ウォーキング中の交通事故や、安易に過度に取り組むことによって脚を痛めるなどの危険もある。
ウォーキングは一人でもできるが、大人数が参加する多種多様なイベントが開催されている。愛好者が集う大会、長距離を歩き自己の限界に挑戦する過酷なスポーツとしての大会、子供を対象に教育的目的で歩く大会などがある。
国際マーチングリーグ大会
日本スリーデーマーチ - 埼玉県東松山市。
九州国際スリーデーマーチ - 熊本県八代市。2010年に認定。
ニュージーランド・ロトルアツーデーマーチ -
イスラエル・ギルボアツーデーマーチ
オーストラリア・キャンベラメダルウオーク
カナダ・ビクトリア国際ウオーキングフェスティバル
アメリカ・ディスカバリーウオーク
スイスツーデーマーチ
ベルギーツーデーマーチ
イギリス国際ワンデルウオーク
フランス・シャントネフォーデーウオーク
中国・大連国際ウォーキングフェスティバル
ルクセンブルグ・アーミーマーチ
デンマーク・ハーベスマーチ
アイルランド国際フォーデーウオーク
ナイメーヘン国際フォーデーマーチ - オランダナイメーヘン市。世界最大の歩く大会。
フィンランド国際スリーデーマーチ
ノルウェー・サガマーチ
インドネシア国際親善マーチ(2003年4月に国際マーチングリーグの認定が取り消され、現在は加盟大会ではない)
イタリア地中海ツーデーマーチ
オーストリアチロルスリーデーマーチ
チェコ・ブルノツーデーマーチ
ドイツ・フルダツーデーマーチ
スペイン・バルセロナ国際ウォーク
アメリカ・フリーダムウォーク - ワシントンD.C.
韓国国際ウオーキングフェスティバル
台湾国際快楽健行大会
自然享受権
自然享受権(英語: right of public access to the wilderness / freedom to roam / right to roam / everyman's right、スウェーデン語: allemansrätten(アッレマンスレット))とは、土地の所有者に損害を与えない限りにおいて、すべての人に対して他人の土地への立ち入りや自然環境の享受を認める権利。自然環境享受権。
北欧の法文化 [編集]
北欧に古くからある慣習法であり、自国以外の旅行者などすべての人に対して認める権利である[1]。例えば利用者の権利として以下のような行為が認められている。
通行権(徒歩、スキー、自動車による通行)
滞在権(テントでの宿泊を含め、休息、水浴びのための短期滞在)
自然環境利用権(ヨット、モーターボート等の使用、水浴び、氷上スポーツ、魚釣りなど)
果実採取権(土地の所有者に対価を支払わない、野性の果実やキノコ類の採取)
禁止されている行為は原則として自然を破壊することと、所有者を煩わせることである。
デンマーク 自然保護法(1969年)で明文化される。デンマークは人口密度が高いため利用者の権利には制限がある。
ノルウェー 古くから慣習法として成立し、野外余暇法のなかで明文化(1957年)されている。柵(さく)で囲われた内野(innmark)と囲われていない外野(utmark)によって権利が区別されている。
スウェーデン 古くから慣習法としてあり、自然享受権は憲法で保障されている。ただし多くの部分が慣習法に委ねられている。鳥獣の狩猟については自然享受権に含まれない。
この権利は国有地、私有地に関わらず慣習的に保護されている。土地所有者は森林や再生可能資源の保護を義務付けられており、土地所有権と利用権を持つと同時に自然環境の維持義務を負うことになる。スウェーデンでは近年、ハンググライダーやマウンテンバイクなどアウトドアスポーツの普及で大会などが頻繁に開かれるようになり、自然が踏み荒らされるケースが出始め、自然享受権についての論争が起きている。このため、自然享受権は個人の権利で、団体に認められたものではないという新たなガイドラインが付け加えられた。
その他
これに類するものとして、日本では環境権のうち「個別的環境権」にあたる、自由に海浜に出入りする権利・入浜権が主張されているが、海岸線及び水面はすべて公有で一個人には認められるものではないとして、行政訴訟では否定され続けてきている。
ランブリング、ヴァンデルング
歩くことが主目的でなく、ある趣味をするために歩くとか、あることをしながら歩くということである。日本ではまだ馴染みのない言葉であるが、多くの人がランブリングを楽しんでいるという現状がある。歩く速度は、楽に会話ができる程度のゆっくりとした歩きである。 ランブリンクする人を、ランブラー(Rambler)という。
英語では、「放浪性の」という意味もあり、イギリスでは、ただ漫然と歩くようなニュアンスに取られて、マイナスイメージがつきまとっていた時代が長く続いていた。ところが、近年、有名タレントのテレビ発言で、積極的な活動としてにわかに注目を集めるようになった。
現状
自然観察をしながら歩く、史跡めぐり、お遍路、犬を連れた散歩、鉄道廃線歩き、俳句を詠みながら歩く、風景や建物などの写真撮影のために歩くなど、多種多様であるが、多くの人がランブリングとは気づかずに行っている。
歩くことは目的でなく手段であることが多い。そのため、行事として雨天に運営される場合は、小雨決行の場合もあるが、順延や中止になったすることが多い。また、他の雨天代替プログラムに差し替えたり、移動を徒歩でなく車を使ったりと「歩く」以外に変更される場合もある。この場合は、もはやランブリングではないが、開催目的はある程度は達成されることになる。
一方、ウォーキング大会は、歩くことが目的のため、台風などの荒天でもない限り実施され、参加者は雨天対策を万全にして参加することが多い。しかし、JR東海のさわやかウォーキングなど、当日現地で申込みとなっているウォーキング大会では、参加者に歩く目的の他に寺社巡りや森林浴をはじめとしたランブリングの指向があり、雨天での参加は取りやめる行動に向かう。そのため雨天中止としている。
観光
観光(かんこう)は、一般には、楽しみを目的とする旅行のことを指す。
語源は『易経』の、「国の光を観る。用て王に賓たるに利し」との一節による。大正年間に、「tourism」の訳語として用いられるようになった。ただし、学者や論者によって定義が違うこともある。例えば、国土交通省『観光白書』では「宿泊旅行」を「観光」「兼観光」「家事・帰省」「業務」「その他」に分けている。この解釈によると、家事・帰省、業務、その他を除いた旅行が「観光」である。
観光(かんこう)は、一般には、楽しみを目的とする旅行のことを指す。
語源は『易経』の、「国の光を観る。用て王に賓たるに利し」との一節による。大正年間に、「tourism」の訳語として用いられるようになった。ただし、学者や論者によって定義が違うこともある。例えば、国土交通省『観光白書』では「宿泊旅行」を「観光」「兼観光」「家事・帰省」「業務」「その他」に分けている。この解釈によると、家事・帰省、業務、その他を除いた旅行が「観光」である。