沖縄居酒屋「魚琉」で、はからずも従業員の三線を聴く事が出来ました。
其処で沖縄料理の前に三線に付いての解説を。
三線のパーツとその材質について
棹(ソー)
三線の音色と価値はその棹で決まると言われ、重く固く、年月が経過しても反りや狂いの生じにくい黒木(クルチ)が珍重されている。なかでも八重山産の黒木(エーマクルチ/リュウキュウコクタン)は希少価値が高く、三線奏者であれば一度は所有したい憧れの材木。現在では台湾やフィリピンより南方黒木(カミゲン)やカマゴンと呼ばれる種類が黒木の代用として多く使われているが、これらも年々出回らなくなってきている。その他、桑木、紫檀、イスノキ(ユシギ)やオオハマボウ(ユウナ)、花梨、ハマゴウ、リュウガンなど、その使用用途や価格帯に応じて変化していく。変わった素材では純金製や銀製、ガラス製、アルミ製、樹脂を用いた棹も存在する。本土の三味線とは異なり棹の分割は行わず、さわりはない。
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胴(チーガ)
主にイヌマキ(チャーギ)やクスノキ、リュウガン製。弾かれた弦の音を増幅させる場所となる。その表裏は皮の張り具合(強さ)で見る。音の高い方が表。南風原型や真壁型は小型の胴を用い、知念大工型と与那城型は大型の胴とされてはいるが、現在では曖昧な部分でもある。内部は凹凸のない形状から盛島開鐘や西平開鐘の胴を模したレプリカ版も見られるようになった。従来の三線はインドニシキヘビの蛇皮を胴に張ったのが一般的であったが、ワシントン条約による規制によって、現在ではビルマニシキヘビやアミメニシキヘビが養殖され、使用されるようになった。
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本張りと呼ばれる蛇皮一枚張りは、その張り具合や部位、湿度の変化によって伸縮するため割けてしまう恐れがある。沖縄県とは大きく環境が異なる県外では管理が難しく、蛇皮模様のプリント布地を張る「人工張り」や、その上から蛇皮を張る「強化(二重)張り」もよく見られる。人工皮は環境の変化に強い反面、高く鋭い音になりやすく好みが分かれるところである。尚、奄美群島では沖縄県と比べて薄い皮を強く張った三線を好んで用いる。近年ではエイサーで用いられるパーランクーに棹をつけたパーランクー三線という変わり種も見られる。
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第二次世界大戦直後の物資が乏しかった時代には、木枠の胴を空き缶で代用したカンカラ三線や、馬の皮張りの三線、セメント袋張り、落下傘生地を張った三線も存在した。札幌市豊平川さけ科学館には鮭皮を使用した変わり種のチーガも存在する。カンカラ三線は近年になって学校教育でも取り入れられ、お手軽な廉価版の三線や観光のお土産品としても人気を博している。
楽器としてステージ演奏での使用が高まり、胴部分にマイクやピックアップを内蔵したエレキ三線もある。
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弦・絃(チル)
男絃(ヲゥーヂル)、中絃(ナカヂル)、女絃(ミーヂル)と三種類の太さの違いによって音の太さが変化する。主に白色のテトロン製。以前は絹糸をよった弦が使用されていたが、音のバランスを保ちにくく非常に切れやすい。奄美群島の三線はより細い、黄色い大島絃(ウーシマヂル)という絹の弦を使用する。色が黄色なのは、かつて音に張りを与えるため弦に卵黄を塗った名残。
手皮・手掛・胴巻き(ティーガー)
以前は家紋をあしらっただけのシンプルな手皮が多かったが、三線の普及とともに色や素材、デザインにバリエーションが増し、オリジナル性やファッション性に富んだ自分だけの手皮がよく見られるようになった。
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糸巻き・範(カラクイ・ムディ・ジーファー)
用材は主に黒檀、紫檀、黒柿。絃を巻き上げ、三線の音程を調節するためのパーツ。文字通り、通常は三本の糸巻きを使用する。その形状から、首里・梅・菊・カンプー・歯車等の種類がある。
駒(ウマ)
駒の位置から歌口までが絃の長さ。竹で作られた駒は弦の張力を考慮し、僅かながら傾斜があるので皮の部分を棹に向くように装着すると倒れにくい。素材については竹製(モウソウチク)や牛骨製の駒が一般的であるが、多岐に渡る素材の品がある。好みにもよるが、穴形は丸よりも与那城式の三角形がベスト。竹製の駒を油で揚げると良い駒になる。夜間練習用に太鼓部分が響かず、極力音が鳴らないようにする消音駒も存在している。
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爪・撥(チミ・バチ)
加工した山羊や水牛の角を人差し指に装着し、つま弾くのが一般的であるが、早弾きをする奏者はギターのピックを好んで使用する。自分の人差し指の爪を使って弾く奏者もいる。奄美群島では細長い竹串状の物を使用して歌う。過去の調べでは、そのランクは水牛角、黒牛角、豚骨、牛骨、鹿角、海馬の肋骨、羚羊角、象牙、山羊角、銀と位置づけられている。現代では鯨の歯、ベークライト、プラスチック、防弾ガラス、アクリル樹脂等、様々な素材が見られる。
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写真は、西表から不由布島へ向かう水牛車ので三線の弾き語りを披露する御者。
其処で沖縄料理の前に三線に付いての解説を。
三線のパーツとその材質について
棹(ソー)
三線の音色と価値はその棹で決まると言われ、重く固く、年月が経過しても反りや狂いの生じにくい黒木(クルチ)が珍重されている。なかでも八重山産の黒木(エーマクルチ/リュウキュウコクタン)は希少価値が高く、三線奏者であれば一度は所有したい憧れの材木。現在では台湾やフィリピンより南方黒木(カミゲン)やカマゴンと呼ばれる種類が黒木の代用として多く使われているが、これらも年々出回らなくなってきている。その他、桑木、紫檀、イスノキ(ユシギ)やオオハマボウ(ユウナ)、花梨、ハマゴウ、リュウガンなど、その使用用途や価格帯に応じて変化していく。変わった素材では純金製や銀製、ガラス製、アルミ製、樹脂を用いた棹も存在する。本土の三味線とは異なり棹の分割は行わず、さわりはない。
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胴(チーガ)
主にイヌマキ(チャーギ)やクスノキ、リュウガン製。弾かれた弦の音を増幅させる場所となる。その表裏は皮の張り具合(強さ)で見る。音の高い方が表。南風原型や真壁型は小型の胴を用い、知念大工型と与那城型は大型の胴とされてはいるが、現在では曖昧な部分でもある。内部は凹凸のない形状から盛島開鐘や西平開鐘の胴を模したレプリカ版も見られるようになった。従来の三線はインドニシキヘビの蛇皮を胴に張ったのが一般的であったが、ワシントン条約による規制によって、現在ではビルマニシキヘビやアミメニシキヘビが養殖され、使用されるようになった。
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本張りと呼ばれる蛇皮一枚張りは、その張り具合や部位、湿度の変化によって伸縮するため割けてしまう恐れがある。沖縄県とは大きく環境が異なる県外では管理が難しく、蛇皮模様のプリント布地を張る「人工張り」や、その上から蛇皮を張る「強化(二重)張り」もよく見られる。人工皮は環境の変化に強い反面、高く鋭い音になりやすく好みが分かれるところである。尚、奄美群島では沖縄県と比べて薄い皮を強く張った三線を好んで用いる。近年ではエイサーで用いられるパーランクーに棹をつけたパーランクー三線という変わり種も見られる。
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第二次世界大戦直後の物資が乏しかった時代には、木枠の胴を空き缶で代用したカンカラ三線や、馬の皮張りの三線、セメント袋張り、落下傘生地を張った三線も存在した。札幌市豊平川さけ科学館には鮭皮を使用した変わり種のチーガも存在する。カンカラ三線は近年になって学校教育でも取り入れられ、お手軽な廉価版の三線や観光のお土産品としても人気を博している。
楽器としてステージ演奏での使用が高まり、胴部分にマイクやピックアップを内蔵したエレキ三線もある。
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弦・絃(チル)
男絃(ヲゥーヂル)、中絃(ナカヂル)、女絃(ミーヂル)と三種類の太さの違いによって音の太さが変化する。主に白色のテトロン製。以前は絹糸をよった弦が使用されていたが、音のバランスを保ちにくく非常に切れやすい。奄美群島の三線はより細い、黄色い大島絃(ウーシマヂル)という絹の弦を使用する。色が黄色なのは、かつて音に張りを与えるため弦に卵黄を塗った名残。
手皮・手掛・胴巻き(ティーガー)
以前は家紋をあしらっただけのシンプルな手皮が多かったが、三線の普及とともに色や素材、デザインにバリエーションが増し、オリジナル性やファッション性に富んだ自分だけの手皮がよく見られるようになった。
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糸巻き・範(カラクイ・ムディ・ジーファー)
用材は主に黒檀、紫檀、黒柿。絃を巻き上げ、三線の音程を調節するためのパーツ。文字通り、通常は三本の糸巻きを使用する。その形状から、首里・梅・菊・カンプー・歯車等の種類がある。
駒(ウマ)
駒の位置から歌口までが絃の長さ。竹で作られた駒は弦の張力を考慮し、僅かながら傾斜があるので皮の部分を棹に向くように装着すると倒れにくい。素材については竹製(モウソウチク)や牛骨製の駒が一般的であるが、多岐に渡る素材の品がある。好みにもよるが、穴形は丸よりも与那城式の三角形がベスト。竹製の駒を油で揚げると良い駒になる。夜間練習用に太鼓部分が響かず、極力音が鳴らないようにする消音駒も存在している。
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爪・撥(チミ・バチ)
加工した山羊や水牛の角を人差し指に装着し、つま弾くのが一般的であるが、早弾きをする奏者はギターのピックを好んで使用する。自分の人差し指の爪を使って弾く奏者もいる。奄美群島では細長い竹串状の物を使用して歌う。過去の調べでは、そのランクは水牛角、黒牛角、豚骨、牛骨、鹿角、海馬の肋骨、羚羊角、象牙、山羊角、銀と位置づけられている。現代では鯨の歯、ベークライト、プラスチック、防弾ガラス、アクリル樹脂等、様々な素材が見られる。
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写真は、西表から不由布島へ向かう水牛車ので三線の弾き語りを披露する御者。
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