私は、議案第76号 令和3年度土佐清水市一般会計補正予算(第8号)に対して反対の立場で討論をいたします。
この議案の内容は、子育て世帯への臨時特別給付金支給事業ということで、事業の目的として、「新型コロナウイルスの影響が長期化する中、その影響により苦しんでいる子育て世帯を支援する観点から、高校生までの子供がいる世帯に対し臨時特別の給付金を支給することにより、子育て世帯に対する適切な配慮を行うことを目的とする。」と謳われています。つまり、子育て支援の事業ということです。
しかし、先ほどの市長の答弁では経済対策を優先しており、この子育て世帯のための給付金もメジカの普及に利用していると思われます。そのようなことから、現金給付ではなくメジカでの給付にするとなると、この目的通りの事業にはならないと考えます。
理由は、まず一つ目に、支給対象者の声を聴いていないまま事業化しているのではないか。ということです。支給対象者の皆様からは、メジカでは利用できる店舗が限られるため必要な用途に自由に使うことができず、子育て支援にはならないと、現金給付を望む声が多く寄せられております。私が聴く限りでは、メジカを希望する子育て世帯の方は一人もいません。そのような状況の中、なぜメジカにするのか理解できません。
二つ目に、現金給付した場合より、メジカで給付した場合の方が、事業費が増えるということです。
先の11月会議で議決しております、5万円現金支給分の事業費が、58,058千円と、今回の5万円をメジカで支給した場合の事業費は、62,634千円となっており、その差額は、プラス4,576千円となっております。現金給付する事業と比べて、メジカで支給する事業では約450万円も増額となってしまいます。つまり、住民の負担が増えるということです。
三つ目に、仮に経済対策のためにメジカで支給したとしても、メジカポイント分60,900千円はメジカに協賛している店舗でしか利用できないため、メジカに協賛していない市内の約60%に及ぶ店舗の方は、今回の国の政策の恩恵を受けることはできないと思います。
つまり、メジカの協賛店とそうでない店舗の間に、差が生じてしまいます。
さらに、上乗せ分の5%については、その財源としては一般財源となっているようですが、市民を助ける事業なのに、メジカにすることによって市民の負担が増してしまうというのは、本末転倒だと思います。
皆様から預かった税金の使い方で、ましてや市の事業で、こんなことが許されて良いのでしょうか?公正公平に住民の意見を尊重しながら使い方を考えていくべきではないのでしょうか。
子育て世帯に現金で給付することで、市にとって何が不都合なことがあるのか、なぜこれほど急ぐのか、全く理解できません。
再度申し上げますが、
支給対象者、つまり子育て世帯の皆様からは、現金での給付を望む声が多く上がっております。
仮に、経済対策としてメジカで支給したとしても、メジカに協賛していない約6割の店舗では使えず、市民の中で差が生じること。
メジカで支給することで、事業費が約450万円増える。つまり住民の負担が増えること。
議員の皆様には、これらのことをよく考えていただき、採決をいただきたいと思います。
以上、反対討論といたします。