・牡丹Tree peony ぼたん
ボタン科、中国原産の落葉樹。芍薬(しゃくやく)とならび称せられる牡丹は、英語ではツリー・ピオニー、木の芍薬と呼ぶように、芍薬のごく近い種類としている。また「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花」と美人のたとえとしてよく知られる。
現在では観賞用に多くの品種が改良され春から夏にかけ大輪の華麗な花を咲かせる。日本には奈良時代中期(730年代)に空海により薬用として中国より持ち帰ったのが最初という。漢方では地中に四方に広がる根皮で、根の芯の部分を除いて皮を乾燥させ牡丹皮とし利用、血の巡りをよくする作用の強い生薬で、女性用に体力のある場合地黄、当帰とともによく配合している。妊娠初期、妊娠中、授乳中にはあまり用いない。
牡丹皮(ぼたんひ)にモノテルペン配糖体のペオニフロリンPaeoniflorin や芳香族化合物のペオノールPaeonol などを含み消炎、鎮痛、鎮静、浄血、利尿によく利用する。
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