・橘Citrus tachibana Tanaka たちばな
ミカン科、常緑小高木で日本固有種といわれ別名はヤマトタチバナ、ニッポンタチバナともいう。愛知県以西の海岸に近い暖地に自生し、高さ2～6ｍの5～6月にかけ枝先に径2cmの芳香のある白い五弁花をつける。
晩秋から冬に果実はやや扁平な球形で径2～3cm、黄色く熟すが果実の種子は大きく果汁の酸味が強い。橘は蜜柑の原種で香気が強く、雪害に強くよく育つことから、生命力、人徳があり奥ゆかしい人を ｢橘のようだ｣となぞらえたという逸話が残されている。
橘は古くから神聖な樹木とし、雛飾りにセットする｢左近の桜、右近の橘｣で知られ、また家紋、勲章のデザインとしても用いている。庭木とし趣があり植えられていた。万葉集での橘は、ミカン科の総称をさしているとも言う。生食には、向かないがマーマーﾚｰド、食酢として加工し皮を橘皮(きっぴ)といい消化剤、鎮咳、冷え症に用いる。
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