・中性脂肪Neutral fat ちゅうせいしぼう
単純脂質でありトリグリセリドTriglyceridesともいう。主にエネルギー源として1g≒9kcalを発生させ効率がよい。余分なものは肝臓、皮下脂肪組織に貯えられ内臓の保護、体温を放散させないと重要な役割を果たす。
太った人では中性脂肪の割合が大きく、食物の脂肪の他、炭水化物、またタンパク質からアミノ酸が除かれ脂肪に合成する。貯蔵脂肪として水素と炭素の割合が高いので飢餓時には、エネルギー源として、また含まれる水素により酸化される時に、1g当り炭水化物0.55g、タンパク質0.4g、脂肪1.07gと約2倍も水を生じ、砂漠のラクダのように代謝水を利用する陸上動物としての大切な働きをする。
絶食時、空腹時には、中性脂肪が加水分解してできたグリセリン〔グリセロール〕からグルコース〔ブドウ糖〕が肝臓で糖新生〔糖以外のものからグルコースを生成する〕している。単純脂質の構成成分で食用油脂のほとんどの成分と言ってよい。
脂肪酸の種類と組成により常温で液状のものを油(oil)、固体のものを脂(fat)ともいうが厳密な区別はしていない。アルカリで加水分解(ケン化)すると脂肪酸、アルカリ塩に分解され石鹸とグリセロールとなる。
最近は、その過剰摂取で肥満・動脈硬化・脳・心筋梗塞などを問題視する。中性脂肪を加水分解する酵素リポ蛋白リパーゼは、インスリンの分泌によって働きを左右し中性脂肪の蓄積は、インスリンの分泌が追いつかなくなり血糖値の上昇につながる。
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