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[熨斗]食生活について語ろう

2023年11月23日 | 美容ダイエット

・熨斗 のし
 一般的に、熨斗(のし)は、贈答品に慶事に添えられている飾りのし紙自体を「のし」と思っていますが、正確には「熨斗のし」はのし紙の中央右上にある飾りのことを指しています。のし紙には「水引」が、贈答品を贈るときに包む奉書紙を結び止めるための紐状の紙縒り(こより)のことです。現在は多くは熨斗・水引も紙にあらかじめ印刷されたものを用いています。
表裏が紅白の2色の紙を重ねて、中に鮑(あわび)を細く切って板状(黄色の長方形)に乾燥させたものを細長い六角形に折った中に入れたものを折熨斗(おりのし)といいます。
熨斗に使われているアワビが元になっているようです。なぜなのでしょう。
鮑Abalone あわびは、ミミガイ科、大型の巻貝で、古くより日本で食用としており、熨斗(のし)のアワビは剥いて干した身を打ち伸ばしたもので「敵を討ちのばす」などの意味が含まれ、干して伸ばしたものを武士の祝いの食物としていたことから祝いに使われるようになり簡素化され現代の黄色の紙の形となっています。
さらに、なまぐさいにおいが魔よけになると考えられ、祝いの贈り物には、最も一般的には、わざわざ生臭物を添えたのです。日本では仏事に生臭物を贈り物にしない慣習でしたが昔からあわびは貴重な食材で古くから中国では鮑(あわび)は、不老不死の仙薬(せんやく)といわれ長生きで15年から20年ほど生きると言われていることから不老長寿の象徴としても縁起の良い貝として用いられました。これをさらに、伸ばすことは、命を延ばす、家系を延ばす、商いを延ばす、中世の武家社会において武運長久など、縁起に掛け婚礼、出産、正月といったあらゆるおめでたい祝意の証として贈られるようになり、いまの熨斗につながっていきます。
中国では鮑は、不老不死の仙薬で、熨斗は元来、火熨斗(ひのし)と呼ばれ中国語では“ユンドゥ”と読みアイロンを意味しています。アイロンは、伸ばすのに用いられていることからアワビ(不老長寿の妙薬)を伸ばす(熨斗)といわれるようになったのではないかと思われます。
 後に簡素化され、のしあわびの1片を添えるようになり、さらに庶民に広まると魚のひれなどを保存、乾物にして、贈答品につけることも行われています。
やがて物品を紙に包むようになり、のしあわびの上端(じょうたん・うわば)をのぞかせる形に変化しています。このことから生臭の魚、かつお節、鳥などを贈るのには、のしは用いないこともあります。
熨斗あわびは乾物なので、日持ちがする点も便利だったのでしょう。地域によっては、代わりに乾燥させた魚のヒレ、鶏の羽根を1本添えるところもあったそうです。
  奈良時代の伊勢神宮に奉納されている熨斗鰒の由来が、「日本書紀」(720年)に記載があるようです。 それによると、天照大神の命によって倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢に御鎮座を終えたのち、 志摩の国崎(くざき)で海女から差し出された鰒(あわび)にとても感動し、伊勢神宮への献上を求めました。 海女は、生のままでは腐りますので、薄く切って乾燥させてということで熨斗の形となりこれが、以後長きにわたり、三重県鳥羽の国崎町で古式に則り作られている熨斗鰒の始まりではとしています。 現在も、年に数回伊勢神宮に奉納を行っています。
伊勢神宮献上の文化と歴史を伝承する熨斗あわびの里  国崎町内会 (kuzaki.net)
http://www.kuzaki.net/noshiawabi.html

熨斗鮑にまつわる古い伝承は、ほかにもあり肥前(佐賀・長崎)国風土記(8世紀)には、 征服された辺境の民が命乞いをするために熨斗鮑に模したものを木の皮で作ってみせた、 平城宮跡出土の木簡(722年)には、安房国(あわのくに)から熨斗鮑を物納のことの記載です。
鎌倉時代の「吾妻鏡(1180〜1266年)」には、熨斗鮑が年貢として納められたという記述が残っています。
古来から鮑は保存食としても良く、携帯食で、もどして煮て食べても美味しく精がつくというものでした。それ故、戦国時代の武士たちの書状には、 戦勝祈願で千本、二千本の熨斗鮑が贈られたことを記しています。やがて熨斗鮑は陣中見舞いや武運長久(ぶうんちょうきゅう)の縁起ものとして贈られるようになっていくのでした。美味で栄養価の高い熨斗鮑は、古(いにしえ)の時代から、 不老長寿を願う最上級の贈答品として用いられています。
 江戸時代になるとようやく、庶民の間にも浸透しはじめ高価なものですので熨斗鮑を贈答品に添える使い方が、見られるようになります。江戸中期に伊勢貞丈(いせさだたけ)の貞丈雑記(ていじょうざっき1843年)の中で、江戸以前にはなかった「進物にのしを添える事」というしきたりが書かれ定着していったようです。この「貞丈雑記」では、包み熨斗の形は室町時代に幕府の料理家で熨斗鮑の包み方を京都将軍家の庖丁人、大草家(おおくさけ)の包形にならうとして記し、白い和紙に赤く染めた和紙を重ね合わせ、束ねた熨斗鮑を包み水引で結び止めたもです。 その後に時代を経て現在のの「折熨斗」へと変化していったようです。明治時代には熨斗袋も折熨斗も手づくりされる一方で、 印刷技術の進展によりデザイン化した多彩な市販の製品が出回るようになりました。
 葬儀・法事などの弔事(ちょうじ)の場合では、仏教では生臭(なまぐさ)物を摂ることは殺生とされ、仏事で避けられていました。引き伸ばしたくないという意味からも弔事用の不祝儀袋には熨斗がありません。さらに熨斗は鮑で贈答品が同じ生臭にあたる肉や海産物(魚介類)の場合は、品物が重複することになるから熨斗はつけないことになりますが、どうしましょう。近年では、鮮魚や肉を贈る場合は、生ぐさが重複するので、熨斗は付けない習わしなので、その代わり笹の葉を敷いてます。しかしながら現在は中元、歳暮、内祝などで生ぐさものを贈る場合にも熨斗を付けているようです。
また、熨斗はご自分で手作りされても親しい友人やカジュアルな贈り物などに使ってもいいでしょう。
  簡単な贈答の時は、よく「のし」という字を書いて代用しますが、これを「わらびのし」といい、ワラビの新芽が出たときの形に似ているので名付けられたといわれます。もとは「のし」という字を書いて「ここに熨斗が付いています」という意味で使われていたようです。少額の心づけに使う熨斗袋の右上に書かれている「のし」はその名残りでワラビの形に似ているので別名 蕨熨斗とも呼ばれています。
  熨斗は、今日では一般的には慶事における進物や贈答品に添える飾りとしてありますが、元来は長寿を表す鮑が使われていたため、お見舞いにも熨斗を使う場合もあるようです。
 熨斗について、書き出してみましたが、風習を考えつつも、送り先の置かれている立場を思いやって、言葉を添えるなりして贈答品とする事が一番大切であるような気がするのです。



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