2023/3/6
・世界一のジャズプレイヤーになるために上京してきた青年が、凄腕ピアニストと即席ドラマーと組んで、日本最高のクラブ「SO BLUE」でのライブを目指す話。
・原作は未読だけど、前評判がとてもよかった。音楽、上原ひとみも後押し。
・最初のうちは何の話をしてても語尾にだべだべ付いてて、ここまで露骨な話し方するもんかと心配になる。
・仲間集めから始まって、トラブルとステップアップ、最後に感動的なライブと、エンタメとして強い構成。
・原作マンガの再現ではなく、原作マンガが表現しようとしていたジャズなるものを、アニメ表現で目指す感じ。
・このへんは『THE FIRST SLAMDUNK』のアプローチと似ている。
・「抜群にうまいわけではないが、大きな可能性を感じさせる演奏」を再現するのは大変そう。
・実際できているのかどうかを判別するのは大変だけど、映像効果が補助してくれる。正攻法ではないかもしれないけど、せっかくのアニメなのでアリだと思う。
・CGとCG以外のところがきっぱり分かれていて、ちょっと落ち着かない。
・ステージ上の人が特別に見えるというのは舞台表現ではよくあることなので、そういうもんだと自分の頭の中で調整しながら見る。
・実際、主人公がステージで演奏を始めると、別人になる。明らかに「特別な人間である」という説得力がある。映像効果もあるけど、姿勢や動きもあるのかな。
・たぶん原作ではもっと丁寧に書かれているんだろうなと思われる人がちょこちょこ出てくる。
・長期連載のマンガを2時間におさめるのは大変。原作ファンは嬉しいだろうし、本作に関しては未読の自分も原作を追いかけたくなった。
・素人を加えることで、かえって調和が生まれるという表現は見事。どのジャンルにも通じる話。
・中盤から後半にかけてのライブの畳みかけ。音楽も映像も熱量がものすごい。
・ピアニスト雪祈の話し方。何を話しかけられても真っすぐ返してこない言葉の選択が面白い。
・エンタメ作品として最も効果的な範囲におさまる大怪我に、観客として少し後ろめたい気持ちになる。
・この音量とこの大きさで見てこそという感じ。これこそ映画館で見なきゃダメなタイプの作品だった。