2016/8/28
観覧車の事故で恋人を失った男に死神と疫病神と自殺魂なる存在、他人からは見えない三人が付きまとう話。
雰囲気は、浅田次郎の『憑神』っぽい。
小さめの舞台だけど、照明と音楽が気持ち良く手間がかかっている。
衣裳がおもしろい。赤い手形。ノボリの文字がわかりやすく達筆じゃないのもいい塩梅。
主演は片岡百萬両さん。
最初はあまりかっこよく見えなかったのに、話が進むとだんだんかっこよく見えてくるのは、はじめからかっこいいひとがそのままかっこいいよりもかっこいい。
一人語りでも話を停滞させない力量の高さと見せ方の巧みさ。
彼女側に不幸を背負わせすぎるような気もするけど、テンポ重視で気持ちよく見られる。
あと、「死んだ人間の届かぬ思い」というのは似たような構造の話を何度か書いているので、勝手に深く共感してしまった。