2016/8/22
・30分の一人芝居を1日で7作品見る。
・女性4人、男性3人。
・演者が女性の場合は人生または人生の一部を切り取って劇的に見せるやり方を採っているのに対して、男性は虚構を虚構として見せている傾向。(中嶋さんは例外)
・おぐりまさこさんの『如水』(じょすい)が強い。
・形式としては、母親を殺した娘が経緯を語る話。
・認知症で記憶を失う母の人生を振り返っていく。
・展開というより語り口がタダゴトでない。
・同一人物の若い姿と年老いた姿を交互に見せていくこと自体は良くあるやり方だけど、その表現力。
・演劇のお約束として切り替えているというより、周りの空気ごとねじまげていく感じ。
・CGでもこんなにうまく切り替えできない。
・中嶋久美子さんの『次の場所までさようなら』。
・yhsの南参さんにこの作品の存在を教えてもらって、楽しみにしていた。
・どこからどう見てもバレエダンサーの「白鳥」が、なぜか力士として出世していく話。
・相撲用語とバレエ用語の倒錯する様子が期待通りにひどくて笑った。
・「アン」「ドゥ」「トロワ」という掛け声が、そのまま「序の口」「序二段」「三段目」となる。
・相撲取りからのバレエへのアプローチは昔からコントであったと思うけど、その逆は珍しいと思う。
・それでも、このほとんど出オチのような設定で、30分退屈させずに見せられるのがすごい。
・声と語りに加えて動きの滑らかさ、要するに舞台役者としての基本性能が高いということなのか。
・あと、一人芝居は、その役者さんがお客さんに愛されることがとても大事。
・だからといって、愛されようとする姿勢が見え見えだと、かえってお客さんは引いていく。
・落語家にも通じる腹の据わり方、佇まいが求められる。
・愛されると言えば、澤田未来さんの『ミトモエワッカ』のおばあちゃん。
・ヨボヨボのおばあちゃんが、やりたいことに満ちあふれてるという話。まぶしい。
・最後のほうで客席のあちこちからすすり泣きの音が聞こえたのもやむなしだった。
※『如水』の重要な小道具。
※中嶋さんの芝居が始まる前の暗転中にスマホだかタブレットだかの明かりを煌々とつけっぱなしにしやがったおっさんには恥を知れと言いたい。出のインパクトを半減しちゃうよ。