2018/11/29
・一年に一度、おなじホテルの一室で逢引するゲイの二人を25年間定点観測する話。
・村上義典くんと梅原たくとさんの二人芝居(面識のあるなしで敬称が逆転している)。
・最初はベッドに二人。ベッドから起きた一人が動揺して部屋をうろうろしていると、もう一人の男が半身を起こして彼の様子を見つめる。梅原さんが小動物感のある顔で表情だけで会話している感じ。
・最初の1~2分で状況と関係性が大体わかってしまうというスピード感と、村上くんがパンツと靴下片方だけ身につけた、ほぼ全裸でただただ慌てている15分間。緩急。
・ほぼ5年おきくらいに二人の再会の様子が描かれる。
・その間でそれぞれの立場や関係性がどんどん変わる。同時にゲイをとりまく環境が少しずつ変わっている。
・演者二人がそのギャップをうまく笑いに変えている。
・急激に変わる人間と、ゆっくり変わる社会、そんな変化を、変化しないホテルの一室で見せるのがおしゃれ。
・場転の見せ方もおしゃれ。
・舞台が札幌。使い古された地元ネタが多くて、基本的には道外の人向けの話なんだと思う。
・それでも、ゆかりの話題が出てくると嬉しいし、東京に住む人は、東京が舞台の映画やドラマをこんな気持ちで見ているのかとわかって、ずるいと思ってしまう。
・北海道弁は、少し前の話であることを差し引いても、ああいう話し方をする若い人は少なかったはず。
・ただ、梅原さんの北海道弁は滑らかで、何なら真似したくなるような温かみもあって地域語の再評価的な意義も感じる。
・基本的に二人のやりとりをケラケラ笑って見れいればいんだけど、名前を教えることの重さや、恋人の意味合い、当事者感覚をなんとなく共感できて勉強になる。
・脚本ほしい。教科書にしたい。
・現実のシビアさをユーモアでくるもうとする全体の構成と相似形を成す象徴的なクライマックス。
・村上義典くんが完全に実写版「シロさん」。
・結局、ジージャンを着なおすところが好き。
・おそろにするんだったら、もうちょっと高そうなパンツにすればいいのに。
・ゲイの二人で始まって個人と個人で終わるところもとてもよかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます