1985年のクラッシュ・ギャルズ (文春文庫) | |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
2015/10/23
長与千種とライオネス飛鳥の半生、というより女子プロレスの最全盛期を二人の人生を軸に描いたドキュメント。
『1976年のアントニオ猪木』のときと同じく、素材の強力さと文章の再現力がすさまじい。
語り手の存在を意識させないので、時間と空間を飛び越えて、ずっと二人の天才に寄り添い続けているような感覚。
ふたりとも天才でスターだが、まったく羨ましくない。天才ゆえの業の深さを感じる。
また、クラッシュ・ギャルズの熱狂的なファンの視点を入れることで、女子プロレスが当時どう見られていたのかも生々しく描く。
はじめは戸惑ったけど、読み終えて納得の構成。
旧来の「女性らしさ」に憧れを持てなくなった世代の女性が、熱烈に二人を支持したということもよくわかる。
いまはネットに動画があがってたりして、読みながらでも当時の試合を見られたりする。
大変ありがたい。
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