遠藤雷太のうろうろブログ

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蜷川幸雄演出『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』(清水邦夫脚本)

2016-06-01 12:08:00 | DVD・VHS・動画など

 

幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門 [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン

2016/5/31

将門が敗走しているうちに狂い、自分自身が将門を追う刺客だと思い込んでしまう話。

この仕掛けにより、リーダーたる将門のリーダーたる部分のみが失われ、それでも付き添わなければいけない部下たちの葛藤が浮き彫りになる。すごい仕掛け。

カリスマ性の高いリーダーが真っ先に発狂してしまうのが、いろんな現在の集団にも当てはまりそうな残念な構造。

その狂ってしまう将門を堤真一が演じる。

配下が次々と死んでいく凄惨な展開のなかで、その狂気ゆえに唯一明るい。

状況の異常さを強調すると同時に、観客を惹きつけている。

また、実質的な主人公だった参謀・三郎を、段田安則が演じる。

これがとにかくかっこいい。抜群の安定感。

演出自体、蜷川幸雄にしては落ち着いている印象。

ただ、異常事態で高ぶる人々の熱量がすさまじく145分一気に走りきっていた。

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